合格の計画を立てる!(1) 受験スタートは3つの計画表づくりから [高校受験]

中学3年生の4月。受験生活をスタートするにあたって、まず取り組んでほしいのは計画を立てることです。
年間計画、週間計画、日課表。この3つが、受験生活の基本になります。
今回は、年間計画の立て方について取り上げます。

■計画表で「時間」の大切さがわかる

多くの中3生は、受験はまだ1年近く先、まだまだ時間がある、と考えているのではないでしょうか。受験生の自覚がないと、やきもきしている保護者のかたも多いと思います。
年間計画を立てる前に、まずは、やるべきことをすべて洗い出す必要があります。そして、それらを受験までの時間軸に沿って割り振ってみると、案外時間がないことが実感できます。それが、計画立ての意義でもあるのです。

■計画が必要と実感してもらうには

このように、計画は自分で立てることが大切ですが、「3つの計画表をつくるといいらしいよ」という提案は保護者がしてあげるとよいでしょう。「計画を立てなさい」ではなく、そうだな、計画表をつくらなきゃ、とご本人が思い始めるようにうまく持っていってください。たとえば、「○○高校に受かった子の話を聞いたら、まず年間計画を立てたんだって。日課表はお母さんと一緒につくったらしいよ。うちも一緒にやってみようか」というふうに……。

また、子どもによっては詰め込みすぎの無理な計画を立てがちなので、できるだけ余裕を持たせたスケジュールになるよう、アドバイスしてあげてください。

■1学期中に、総復習と苦手克服を進めておく

志望校にもよりますが、内申書の評価次第で、合格可能性は大きく変わってきます。ですから、年間計画には、まず定期テストの時期を書き込み、その前の2週間はテスト対策に集中するようにしてください。
同時に、中2までの自分の学習を振り返るとよいですね。どの教科のどの単元が苦手か。どの教科には時間が取られそうか予測を立てます。

中2までの総復習と苦手克服は、夏休みまでに済ませるのが基本です。2学期以降になると、模擬試験の成績がご本人の志望校決定に大きな影響を与えます。復習不足や苦手教科に足を引っ張られて模試の成績が思わしくなく、志望校の合格可能性が低いと、ご本人の中に諦めの気持ちが生まれやすくなるのです。
そうならないためにも、「夏休みまでに総復習と苦手克服」は必ず済ませたいものです。また、夏休みにあまり大量の課題を残すとつらくなりますから、1学期のうちにできる限り進めておくこと。逆に、夏休みは遅れたスケジュールを取り戻すための予備期間として、予定を詰め込みすぎないことが大切です。

また、2学期の中間テストが終わったころから、志望校の過去問題に取り組み始められるとベストです。予定がずれ込んだ場合は、柔軟にスケジュールの見直しをしてください。

■達成感が続く工夫を

長期計画は、とかくくずれやすいものです。くずれたらこまめに立て直すと同時に、やる気が続く工夫も必要です。たとえば、総復習教材の目次をそのままコピーして、終わった単元を色ペンで塗りつぶす。よく理解できたものと、もう一度復習が必要なものとで色を変えるのもよいですね。

保護者のかたは、スケジュールの進み具合を細かくチェックするのではなく、くずれた時の立て直し方をアドバイスするなど、あくまでフォローに徹してください。また、ご本人が計画を立て、実行しようとしている姿勢が見えたら、さりげなくほめてあげることも大切です。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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