2012年度入試問題を振り返る<国語> 学校別分析2【開成中、栄光学園中】[2012年度入試で何が問われたか<国語> 首都圏上位10校の問題を徹底分析 第2回]

 首都圏上位10校の入試問題が2012年度は「理性」「感性」のどちらにより寄ったかを軸に、平山入試研究所の小泉浩明先生にお話しいただきました。

※以下は、2012年4月に開催された森上教育研究所主催「わが子が伸びる親の『技』研究会」セミナーでの小泉先生の講演を抄録したものです。



2012年度入試問題を振り返る<国語> 学校別分析2【開成中、栄光学園中】

開成中 ⇒感性

 開成中は、問題構成が頻繁に変化する学校です。2012年度は、物語文1題と漢字の書き取り問題でした。設問構成は、記述問題4問、抜き出し問題4問、漢字4問でした。全般的な国語力を問う問題が出題されますが、いつも超難問というわけでもありません。比較的素直な問題も出題されます。
 たとえば、今年度は下村湖人の『次郎物語』が出題されたのですが、問二で次郎の気持ちを問う問題が出ました。下記の〔考え方〕のように、記述のパターンに従って組み立てていけば比較的簡単に記述できます。気持ちを問う問題を「気持ち問題」、理由を問う問題を「なぜ問題」と呼んでいますが、「気持ち問題」や「なぜ問題」は、気持ちや理由がいくつもある場合(多様性を求める武蔵中のような問題の場合)は難しいのですが、今年度の開成中はシンプルでした。


気持ちを記述するパターン

〔考え方〕
(1) 傍線部と直前の文に注目
(2) 「記述のパターン」の手順に従って、部品を組み立てる。

父に買ってもらい、新しく徽章を付けたばかりの帽子が踏みにじられた

〔理由〕

怒り、悲しい(気持ち)

〔キーワード〕

~気持ち。

〔文末〕




 開成中は傾向が変わりやすく対策が立てにくい学校ですから、国語に対するオールラウンドな力を育成することが大切でしょう。筆者の「イイタイコト」をつかみ(→大きく読む)、設問に答える(→精密に読む)というオーソドックスな練習が有効です。記述力も強化しましょう。


栄光学園中 ⇒変化なし

 2012年度の栄光学園中の国語は、説明的文章1題、物語文1題に漢字15問でした。漢字15問は毎年出ていますので、しっかり準備をして、全問正解するようにしましょう。問題文は短く、内容は比較的簡単です。問題文は学校が作成する文章であることも多く、それほど難問ではありません。
 難しいのは答えのまとめ方です。これは練習することです。説明文の「まとめ」の練習をしっかりするようにしましょう。たとえば今年は「『多機能化』が進んだ製品の『マニュアル』には、どのような問題点がありますか」という出題がありました。下記の〔考え方〕のように、必要な箇所を見つけ出し、「記述の構造」に注意しながら、指定された字数でまとめていきましょう。


記述のパターン

〔考え方〕
・必要な箇所を見つけて活用。
・字数内にいかにまとめるか? (解答らんは2行)
・「記述の構造」を大切に。

たくさんの説明が必要なためページ数が多くなり、

〔理由〕

読むだけでかなりの時間が必要で、内容も簡単に覚えきれない

〔キーワード〕

~問題点。〔文末〕




 対策は、「記述のパターン」のマスターと、説明的文章をまとめる練習をすることです。物語文については、文脈の流れを正しく追い、きっちり仕上げることです。高得点での勝負となりますので、漢字や誤字などで点数を落とさないようにしましょう。

なお、ここで示した「考え方」はいずれも解答例であり、学校側が示した模範解答ではありません。



各中学校の入試問題はこちらでご確認ください
開成中学校 9年間入試と研究 平成25年度用中学受験 3栄光学園中学校 10年間入試と研究 平成25年度用中学受験 301
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