小学1年生、初めての夏休み! 学習はどうしたらいい?【第2回】1日の勉強量、どれくらい学習したらいいの?

初めての夏休みとなる小学1年生。自校でのご指導に加え他校での研修講師経験も豊富で、ご自身も小学生の保護者でいらっしゃる先生お2人に、小1生の夏休みの学習について聞きました!
第2回は、学習量がテーマです。毎日、うちで遊んでばかりいるけれど、いったいどれくらい学習すればいいの? 宿題以外の学習は何がいい? といった疑問についてうかがいました。

この記事のポイント

お話を伺った方
二川佳祐先生 東京都公立小学校主任教諭。小2、小5の父。
乾倫子先生 大阪府公立小学校指導教諭。子どもは年長、小2。

夏休みには、プリント以外の学習をしよう

——最初にアンケートの結果を見ていただきたいのですが、小1生の保護者のかたに、夏休み中のお子さまの1日の学習時間について尋ねたところ、「30分」が26%、「30分〜1時間」が50%、「1〜2時間」が16%でした。

【調査地域】全国、【調査対象】小学生・中学生・高校生のお子さまをお持ちの保護者のかた、【調査期間】2021年8月10日~23日、【調査手法】WEBアンケートによるベネッセ調べ、【有効回答数】912名

 学校では、家庭学習は学年×10分+10分と伝えているので、夏休みとはいえ、1年生としては多いかなと思いました。

二川 小学生にとって、夏休みは遊ぶチャンスです。1日1時間以上って、子どもが自分から進んでやっているのかな?

——学童保育での学習時間や習い事の時間も含まれているのかもしれませんね。

 それならよいのですが、1時間以上もプリント学習ばかりしていたら、子どもは大変です。私は1年生の担任をしていますが、今年の夏休みは、宿題の量をこれまでより減らそうと思っています。特に夏休みは、紙の上だけではない学びをたくさんしてほしいからです。

二川 私もそう思います。夏休みには、自分の好きを思いっきり突き詰めてほしいですよね。もし、今は好きなものがわからなくても、いろいろ挑戦して自分の好きを見つけるというのも、素敵な学びです。
社会的に、「勉強」は「学び」にシフトしていると思いますが、夏休みはたくさん「学ぶ」時間にあててほしいです。

——絵日記なら、以前は毎日というのがお約束でしたが、今は楽しい日があったら描くといった学校も多いようですね。

 子どもがやっていることは、全部学びにつながっていますが、紙の学習ばかりしていると、ほかの力を付ける時間がなくなってしまいます。知識・技能も、紙の上だけで身に付くものではないですよね。サッカーをしたり、魚について調べたり、料理をしたりと、国語や算数のプリント以外にも、学びの場はたくさんあると、保護者のかたに学年だよりなどで伝えています。

小1生でも、つきっきりで学習を見なくても大丈夫

——アンケートには、「共働きだと勉強の時間をつくるのも大変」という声が寄せられていました。

 共働きで夏休みの子どもの学習をサポートしようとする意識はすごいですね! そこまで考えているご家庭のお子さまなら、自分で進んで机に向かっていそうです(笑)。

二川 それもそうですね(笑)。逆に、親がつきっきりで学習の面倒をみたら、学習は必ずしなければならない、苦しいものとインプットされてしまいそうです。
大切なのは、子どもが学びたいなと思って自発的に取り組むようにサポートすることではないでしょうか。たとえば、お子さまが課題に感じていることを聞いて、それをどうすればよいのか一緒に考えるほうが、一緒に学習することよりも必要かもしれません。

 家に帰ったら、「今日、何を勉強したの?」と聞くだけでもよいと思います。「これをやったよ」とお子さまが答えたら、「すごいね!」と思いっきりほめて、「やっていない」と答えたら、「そうなんだ、明日はどうするの?」と尋ねるという具合です。

大切なのは意欲。「できた」経験が積み上がるサポートを

——学習が苦手なお子さまの場合は、どうサポートすればよいでしょうか。

 お子さまの学力が心配な保護者から学習について相談を受けたときには、1〜2学年下の薄いテキストに取り組むよう勧めています。できないから苦しくて、学習が嫌になってしまうのであって、自分ができることなら楽しく取り組めるからです。
小1生ならば、お子さまができることまで戻って取り組めばいいと思います。

二川 苦手は誰にでもあります。その苦手なものを、苦手な方法でやるのはツライものです。少しでも楽しい気持ちでできるように、どこでやったら、だれと一緒にやったらわくわくするのか聞いてみてはどうでしょうか。
おばあちゃんの家か、カフェか、1日3分間ならできるとか。嫌い×嫌いにならないようにするのがポイントかなと思います。

——お子さまの「やろう」という気持ちが高まるようにサポートしたいですね。

 私の経験では、小1生がどの学年よりも一番学ぶ意欲にあふれています。ひらがなも覚えようと一生懸命書きます。でも、筆順が違うと、ちゃんと書けていても、「書き順が違うよ」と書き直しをするように言われてしまいます。そうしたことが重なると、やる気がなくなってしまうのです。

二川 大人の英語学習と一緒ですね。文法や発音の間違いを指摘されるとシュンとなってしまって、もう話せない(笑)。逆に、何でもいいよとなると、どんどん話せるようになる。すべての人にとって意欲が大事ですよね。

 そこで、私は受け持ちのクラスで筆順が違っていても何も言わず、「一緒に書こうよ」とそばで書くようにしました。すると、筆順の間違いに自分で気付き、隣の席の子どもと「書き順はこうなの?」と話し出したのです。私が教えなくても正しい筆順で書けるようになりました。

——子どもに学習をまかせると、宿題が終わらないと心配な保護者もいると思います。

 お子さまが自分でがんばれる量や時間を決めて、自分との約束を守れたことで自己肯定感が上がります。それによって、結果として、困難に遭ったときにもがんばれる子どもに育ちます。
もし、宿題が期日までに終わらなかったら、担任に相談してみてください。私の場合、宿題を多く出しすぎて、終わらない子どもが続出したことがありました。保護者からの相談で、それにやっと気付けたのですが……。そういう場合もあるので(苦笑)。

二川 毎日たくさん学習することでもなく、ほかのお子さまと時間や量を比べることでもなく、自分で決めて、できたという学びを大切にしてほしいと思います。

夏休みの学習量 ここがポイント

  • ・せっかくの夏休み。プリント以外の学びをたくさんしよう!
  • ・学習につきっきりでなくてOK。課題に思っていることを聞き取ろう。
  • ・周りの子とは比べずに、子どもが「できた」と感じる経験を大切に。

※この記事の続編は、8/3(水)に「まなびの手帳」「ベネッセ教育情報サイト」で公開予定です。あわせてぜひご覧ください。

プロフィール

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株式会社ベネッセコーポレーションの教育、調査、研究機関です。子ども、保護者、先生、学校などを対象に、教育に関連する調査、研究を行い、その研究成果や調査報告書、各種データを無償で公開しています。

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