ぼくもわたしもアーティスト!【直島アート便り】
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ベネッセアートサイト直島では、夏休みに小学校3~6年生向けのプログラムとして、「ぼくもわたしもアーティスト!」を開催しています(2022年7月現在)。オリジナルの冒険ブックを使って、アートを見たり、話したり、描いたりできるツアー形式のプログラムです。どんな体験ができるのかご紹介します。
この記事のポイント
今日の海はどんな色?
ツアーの始まりは、船が到着する直島・宮浦港です。まずは直島からみる瀬戸内海の色や波の形をスケッチします。海の様子は季節・天候・時間・風の強さなどによって変化するため、その時にしか見られない風景の一つです。海のどこに着目するかが人によって違うのも面白いポイントです。
直島銭湯「I♥︎(アイラヴ)湯」では、アーティストになりきってタイルのデザインに挑戦します。この施設は、タイルをはじめ浴室のカランやトイレなど、細部に至るまで作家・大竹伸朗が手がけています。
美術館を冒険しよう!
このツアーのメインは、直島で最初に建てられた美術館、ベネッセハウス ミュージアムです。この美術館にはさまざまな国籍のアーティストの作品が展示されており、作品形態も絵画や彫刻だけでなく、音がでるもの、触れられるもの、屋外にあるものなど多様にあり、五感を使って体験することができます。
冒険ブックのワークでは、ベネッセハウス ミュージアムの中でも特に直島と関係が深い作品を取り上げています。ヤニス・クネリスの「無題」は、アーティストが直島に滞在し、この場所に合わせた作品を制作しました。このような特定の場所に関係している作品のことを、サイトスペシフィック・ワークと呼び、作品によっては直島で採集した素材も使われています。
子どもたちは、スタッフと一緒に作品の中に隠れている身近な素材を注意深く観察して見つけていきます。「木が食べ物みたい」「いろんな種類の布がある」「なんでお湯呑みは割れないんだろう?」など、観察してみるといろいろな発見があります。一人ひとりの気になったことやお気に入りのものを見つけて、それぞれ自分だけのタイトル付けにも挑戦します。
直島の流木を使ったリチャード・ロングの作品では、円形の作品を自由にデザインするワークに取り組みます。
子どもたちがワークをしている間、保護者のかたはガイドツアーに参加しゆっくり作品を鑑賞することができます。
みんなの発見を共有しよう!
プログラムの最後に、子どもたちがそれぞれ見つけたものを発表します。正解のない問いに対する自分だけの答えは一人ひとりの個性が発揮され、他の人の発表を聞くことで新しい発見もあります。現代アートの体験は、作品をよく見る観察力、自分の解釈を言葉や絵にする表現力、自分とは違う他人の視点や解釈を認めあう共感力を身に付けることに繋がります。
今年の夏休みは瀬戸内海の豊かな自然とアートに触れながら、スタッフと一緒にアーティストになりきる冒険にでかけてみませんか? 詳しくはこちらをご覧ください。(2022年7月現在)
ジョナサン・ボロフスキー「3人のおしゃべりする人」にて、何を話しているのかセリフを書き込む子どもたち。
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