私大の教育どう変わってる? 社会に通用する人材育成に向けた取り組みとは

文部科学省の外郭団体である日本私立学校振興・共済事業団(私学事業団)が、2021年度の「私立大学・短期大学教育の現状」をまとめました。
いま大学は、社会からの期待に応えるため、さまざまな改革を行っています。そのうち私大の状況は、どうなっているのでしょうか。

この記事のポイント

半数超で全学「アクティブ・ラーニング」

「アクティブ・ラーニング(AL)」といえば、今や小・中・高校でも「主体的・対話的で深い学び」として行われています。元々は大学教育の用語で、「能動的学修」と訳されていました。

調査した私学事業団では「一方的に講義を聴くスタイルの授業ではなく、学生が積極的に学修に参加することを取り入れ、能動的(アクティブ)な学びを促すことで、知識をしっかり定着させることを目的とした学習方法」だと説明しています。

なお、大学で「学習」ではなく「学修」を使っているのは、授業を受けるのと同じくらいの時間、予習・復習などを行って単位を修める必要があるからです。
ALを実施する私大は76.3%で、4校に3校を占めました。しかも全学的に実施しているのが52.5%と、半数を超えています。5年前(2016年度)と比べると、3.3ポイント増です。

自由選択から「体系化」へ

保護者世代の学生時代は、必修科目の他、選択科目の中から自由に選び、単位を積み上げれば卒業できた時代だったことでしょう。

しかし、今や「教育内容の体系化とその充実」に取り組む私大が86.1%、全学的に取り組むのも64.6%(2016年度比3.6ポイント増)に上っています。
卒業生が社会から評価されるようになるためには、その大学が、4年間の教育で、しっかりと人材育成を行う必要があります。だからこそ、教育内容の体系化に取り組む私大が増えているわけです。

今や当たり前の「入学前教育」

「入学前教育」を行う私大は81.8%で、全学的取り組みも60.0%(同4.0ポイント増)となったことも、注目点です。

少子化で、主な大学入学年齢である18歳の人口が減っている中では、一部の大学を除いて、昔のように厳しい入試で入学生の学力を担保することができません。だからこそ合格から入学までに必要な教育を行っておき、4年間の体系的な教育にしっかり備えてもらおうというわけです。

まとめ & 実践 TIPS

入りたい大学を目指して、入試突破のためにがんばる……。そんな勉強の在り方にも、変更が迫られています。高校までに、しっかりALのような主体的な学びに取り組むことが、大学での学びにも直結するのです。

「楽勝科目」ばかり選べるような時代では、もうなくなっています。「何を学んだか」よりも「何ができるようになったか」がいっそう問われる時代には、なおさらです。

私学事業団では、個別大学の結果が検索できる「大学ポートレート(私学版)」を運営しています。偏差値だけに頼らない、大学選びの参考になりそうです。


私立大学・短期大学教育の現状
https://www.shigaku.go.jp/s_center_kyouikugenjyou.htm

大学ポートレート(私学版)
https://up-j.shigaku.go.jp/

プロフィール

渡辺敦司

渡辺敦司

1964年北海道生まれ。横浜国立大学教育学部卒。1990年、教育専門紙「日本教育新聞」記者となり、文部省、進路指導問題などを担当。1998年よりフリー。連載に「『学力』新時代~模索する教育現場から」(時事通信社「内外教育」)など。

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