休校などで勉強のペースが乱れ苦手が山積みに…今すぐやるべき対策とは【2022年春、知っておきたいこと】
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なかなか先が見通せないコロナ禍、お子さまの学校が突然休校になったり授業が不規則になったりして、生活や学習ペースに影響が出ていませんか? 「ゲームばかりで朝起きるのが苦手になった」「学習が遅れているかも」など、心配事が残ったまま年度末を迎えるご家庭もあるかもしれません。
こうした心配事は年度末までになんとかしておきたいところ。新年度に向けた生活リズムの改善や学習習慣づくりのため、なるべく早く対策を始めましょう。
【2022年春、知っておきたいこと】特集
1)感染が身近な今、子どもの心のケアに必要な2つのポイント
2)【オンライン授業】「やる気」「学習効果」を左右する保護者のかかわり方
3)イライラが続いていませんか。怒りを生まない工夫と対処法
4)ニガテを作らないために今からどうする?
5)休校などで勉強のペースが乱れ、苦手が山積みに…今すぐやるべき対策とは←今回はココ
6)コロナ禍の影響で深刻なストレスを抱える子どもたち 家庭で必要なケアとは?
7)【小学校高学年~中学生保護者向け】「うちの子、授業についていけてない…?」と思ったら。
8)【高校生保護者向け】「うちの子、授業についていけてない…?」と思ったら。
第5回は、コロナ禍の影響で乱れてしまった生活リズムや学習ペースを立て直すために、今から何をやるべきかをアドバイスします。
休校・学級閉鎖で子どもたちの生活リズムに乱れが…
休校・学級閉鎖が始まるまで、子どもたちの生活は学校のスケジュールに合わせて、一定のリズムで進んできました。
ところが、休校になって自宅で自由に過ごせる時間が増えると、今まで自分で朝起きてきたお子さまでも「つい遊んで夜ふかしを……」ということが珍しくないようです。ステイホームのため外で友達と遊べず、SNSやゲームでコミュニケーションをとっている姿を見ることもあるかもしれません。
しかし、お子さまがゲームやSNS、動画などに熱中して夜ふかしをしたり、勉強を後回しにしてしまったりするのは、とても心配です。
「早く起きなさい」「いつまでゲームしてるの」など、お子さまとのバトルが頻発して親子でストレスを抱えることになりかねませんし、不規則な生活や学習習慣を失ったまま4月から新年度に突入すると、今後の学習にも大きな影響が出てしまう可能性もあるでしょう。
年度末が近づく今、お子さまを見守る立場としては、少しでも手を打っておきたいところです。
生活リズムの乱れ・やる気の低下・苦手対策、優先順位は?
休校・学級閉鎖による主な問題として、子どもたちの生活リズムの乱れ、やる気の低下、学習内容の未定着などが見られます。
どれか1つだけなら、なんとか対策しようという気持ちにもなりますが、実際はこれらの問題が複雑にからみあっている状態。なかなか一気に解決することができませんし、かといって放っておくわけにもいきません。
まずは、「どれから取り組むか」という優先順位を決める必要があります。おすすめは「生活リズムの乱れ→やる気の低下→苦手対策」という順番です。
苦手分野対策を行うには学習習慣があるほうがよいですし、学習習慣をつけるにはお子さまのやる気を引き出す必要があります。そして、お子さまのやる気を引き出すには、お子さまの心と体が元気であるほうが、うまく進めやすいでしょう。
生活リズムがあまり乱れていないお子さまには、やる気のサポートを。やる気はあっても学習の進め方がわからないお子さまには、苦手対策のサポートをしてあげるとよいでしょう。
お子さまの状況を観察しつつ、今いちばん必要なサポートを見極めてあげてください。
新年度に向けて今すぐやるべき対策3つ
それでは、3つそれぞれの段階について、比較的取り組みやすい対策をご紹介します。お子さまの性格や習慣などに合わせて少しアレンジしても大丈夫です。
生活リズムの乱れには、定刻に起きる・日光を浴びる・机に向かう
お子さまの生活リズムを整えるには、まず規則的な睡眠の習慣を取り戻すことが先決です。
ポイントは、
・起床時刻を一定にする
・起きたらなるべく早く日の当たる場所に行き、日光を浴びる
という2点です。
お子さまが朝きちんと起きられるように「早く寝なさい」と言ってしまうことは多いのですが、そうはいってもなかなかすぐに眠れるものではありません。就寝時刻よりも起床時刻のほうが調整しやすいというのが、1点目です。
2点目は、太陽の光を浴びることで体内の眠気にかかわる物質を減らす作戦です。家の中で朝日が入りやすい窓際へ行って外の風景を見たり、午前中に軽く散歩をしたりすることなどがおすすめです。
睡眠の習慣を戻していくと同時に「机に向かう」時間もつくっていくと、このあとの学習習慣づくりや新学期からの生活に役立ちます。
おすすめは、学校の授業がある時間帯に勉強机に向かうことです。そのまま勉強を始められれば理想ですが、最初は勉強せずに10分ほど座っているだけでも構いません。1時間目が始まる時刻から10分間、2時間目が始まる時刻から10分間など、お子さまと相談しながら決めてみてください。
お子さまが慣れてきたら、「座って教科書を開く」などステップアップしていきましょう。
やる気を引き出すには、短時間からやる・積極的にほめる
お子さまの生活リズムが戻ってきたら、少しずつ学習習慣づくりを始めましょう。いきなり長時間の勉強予定を立てるのは、お子さまにとっても見守る保護者のかたにとっても負担が大きいでしょう。最初は「5分」「15分」などの短時間で大丈夫です。
生活リズムづくりで「机に向かう」を実行してきたお子さまの場合は、それをそのまま勉強時間にすると無理なく進められるでしょう。最低5分勉強できればOK、もう少し長く続けていけるようであれば、そのまま勉強時間を延長しても構いません。
勉強する内容は、暗記、ノートまとめ、音読など、お子さまが取り組みやすいものから始めてみてください。
お子さまの勉強が終わったら、勉強時間や学習内容、お子さまが新しく習得したこと、正答率などを見て積極的にほめてあげましょう。自分がやったことをほめられるのは、大人も子どももうれしいもの。もしお子さまがそっけない反応をしても、きちんとほめてあげることが大切です。
がんばりを認められることで、お子さまのやる気も少しずつ引き出されてくるでしょう。
苦手対策は教科書の復習から始める
苦手対策を進める段階になったら、学校の教科書・問題集の復習から始めましょう。基本的な知識の反復学習を行い、例題や基本問題で定着度を確認するという流れになります。
苦手分野がわからない場合は、これまでの定期テストや学年末テストの問題用紙と答案をチェックしてみてください。間違いの多い分野が復習に力を入れるべき分野です。
まとめ & 実践 TIPS
2020年から始まったコロナ禍で、わたしたちの生活には大きな変化が生じました。子どもたちの生活も例外ではありません。とくに休校・学級閉鎖で従来の生活リズムが乱れ、うまく学習時間をとれなくなったお子さまの姿に頭を抱える保護者のかたは多いでしょう。
「早く起きなさい」「勉強しなさい」と言い続けるストレスを減らし、4月から始まる新年度でお子さま自身のつまずきを減らすためにも、生活リズムを少しずつ整えながら机に向かう習慣を取り戻していきましょう。
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