2023年度創設を目指す「こども家庭庁」とは? 3部門の基本方針で運営を一本化

岸田文雄内閣が2023年の創設を目指している「こども家庭庁」の設置法案が、2022年の通常国会に提出される予定です。少子化やいじめ問題、児童虐待など、子どもを取り巻く社会課題が深刻化し、対策が急がれます。どのような体制で、その解決を導こうとしているのでしょうか。基本方針から見てみましょう。

3部門で子ども政策を推進

こども家庭庁は、岸田内閣の目玉とされています。政府は2021年12月21日、基本方針を閣議決定しました。
それによると、こども家庭庁は三つの部門からなります。

①成育部門

妊娠・出産、子育て期の支援、母子保健▽幼稚園や保育所、認定こども園に共通する基本的な指針の策定▽子どもの居場所づくり▽子どもの死亡の原因に関する情報を収集・分析する「チャイルド・デス・レビュー」の検討……などを担います。

②支援部門

虐待や貧困、不登校、高校中退などの困難を抱える子どもや家庭に対する支援▽家事や家族の世話を行っている子ども(ヤングケアラー)の問題解決▽子どもの貧困対策、ひとり親家庭の支援▽障害児支援……などです。

③企画立案・総合調整部門

こども家庭庁は、内閣府に直属する機関になります。子どもに関する政策は、厚生労働省や文部科学省以外にも、さまざまな省庁が担ってきました。それらを今後どう連携し分担するのか、総合的に調整するところが必要です。

そこで、三つ目として「企画立案・総合調整部門」を置きます。ここは、子どもの視点に立った政策の企画立案を行う「司令塔」の役割を担います。子どもや若者の意見を聞く場づくり、SNSなどを活用した情報発信、データや統計を活用したエビデンス(客観的な証拠)に基づく政策立案・実践、評価を行うとしています。

これから議論の課題も

子どもたちや、子育てをする大人のセーフティネット(安全網)を充実させるためにも、こども家庭庁に対する期待が高まっています。しかし、課題も山積しています。

一つは、財源の確保です。基本方針では、必要な安定財源の「確保に向けて努めていく」と示されたのみで、具体的な方向性は見えていません。
もう一つは、子どもに関するすべての政策の基盤となる理念を示した法律がないことです。政府の有識者会議では、日本が1994年に批准した「児童の権利に関する条約」の精神にのっとり、子どもの最善の利益の実現を図る「こども基本法(仮称)」の制定を提言しています。多機関にまたがるこども家庭庁の政策が、縦割り行政などのさまざまな壁にぶつかった時、こうした基本法があれば、打開策も見えてくるはずです。

まとめ & 実践 TIPS

政府は、こども家庭庁を2023年度の早い時期に創設したい考えです。日本の子どもの数は40年連続で減少しており、総人口に占める子どもの割合は11.9%です。彼らが次代を担う世代として健やかな成長を遂げていくためにも、社会全体でこども家庭庁の在り方を考えていく必要があります。

(筆者:長尾康子)

※内閣府 こども政策の新たな推進体制に関する基本方針(令和3年12月21日閣議決定)
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kodomo_seisaku/index.html

プロフィール

長尾康子

長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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