親野先生に聞いた!苦手をつくらないために3学期の今、家でできること【2022年春、知っておきたいこと】

3学期は学年の学習のまとめをする大切な時期ですが、休校や登校時間の短縮、慣れないオンライン授業など、学校で思うように勉強ができない状況が続いています。「このまま次の学年に上がって大丈夫?」というおうちのかたに、教育評論家の親野智可等先生から親子で前向きになれるアドバイス。学習の振り返りと新年度へのタネまきのために家庭でできることをうかがいました。

【2022年春、知っておきたいこと】特集
1)感染が身近な今、子どもの心のケアに必要な2つのポイント
2)【オンライン授業】「やる気」「学習効果」を左右する保護者のかかわり方
3)イライラが続いていませんか。怒りを生まない工夫と対処法
4)ニガテを作らないために今からどうする?←今回はココ
5)休校などで勉強のペースが乱れ、苦手が山積みに…今すぐやるべき対策とは
6)コロナ禍の影響で深刻なストレスを抱える子どもたち 家庭で必要なケアとは?
7)【小学校高学年~中学生保護者向け】「うちの子、授業についていけてない…?」と思ったら。
8)【高校生保護者向け】「うちの子、授業についていけてない…?」と思ったら。

この記事のポイント

3学期は今年の復習&来年の学習のタネまきを

これまでどおりの授業が難しくなっている今、家庭で学習の工夫は大切です。とはいえ子どもたちも制約が多く見通しの立たない中をがんばっているので、その子のペースを大切に、無理せず、焦らず、楽しむことを忘れずに。そのうえで、今年度の学習の見直しには、教科書やワークブックの単元ごと、終わりなどに挿入されている「まとめ問題」を活用してみましょう。気が乗らない子や考え込んでしまう子には「一緒にやってみよう」とサポートを。一緒に解いてみると、どこが理解できていないのか、何が苦手なのかが見えてきます。特に算数は、それまでの知識を使って解いていく積み重ねの科目なので、わかっていないところがあると、その後の学習にも大きく影響します。ときには学年を遡っての確認も必要です。

※つまづきポイントの見つけ方、学習方法のアドバイスはこちらをご覧ください。

来年度のために今からできることもあります。これには、親が次の学年で習う各教科の単元を知っていることが重要です。インターネットで各学年の学習内容の大枠を知ることができますし、学年ごとの参考書やドリルなどを見れば、どんな勉強をするのかがわかります。重さや単位、分数、割合、慣用句、俳句、月の満ち欠け、日本の特産品、世界の国……。こうしたテーマがわかっているだけで、おうちのかたに情報のアンテナが立ちます。
アンテナが立っていれば、日常の中でちょっとしたときに思い出し、買い物のとき「これって、どっちが重いかな」と重量の表示に注目させたり、夜、月を眺めて「月が昨日より丸くなってる。もうすぐ満月だね」と話しかけたりできるようになります。ニュースやテレビ番組でも「あ、この番組は一緒に見よう」と誘ったり、見ながら一言補足してあげたりできるでしょう。こうして耳や目に入れることが、子どもへの小さなタネまきになるのです。

知的好奇心を刺激し思考を育てる知識の杭

子どもが教科書を見るとき、そこで初めてであう言葉や話題と、それまでに聞いたことや見たことがある言葉や話題とでは印象が大きく変わります。深く理解していない事柄でも、言葉や現象を知っているだけで身近に感じ、興味がわき、理解できそうな気がしてきます。「先生、それ知ってるよ!」と得意げに話す子も少なくありません。

こうした印象は、授業中に限ったことではなく、生活の中でも「あ、これ知ってる」「この言葉は聞いたことがあるぞ」という物事にまつわる情報は、自然と子どもの意識に引っかかるようになります。これは、川の流れに1本の杭を打つと、流れてきたものがその杭に引っかかり、たまっていくのと似ています。言葉や情報など、ひとつの知識が杭となって、その周辺の情報が子どもの意識に引っかかり、興味がわいたり記憶に残るようになるのです。

そうして引っかかった知識が、ふと結びつくと「これは、あのときのあれと同じだな」「そうか、これには、こんな理由があったんだ」「この間こう聞いたけど、こっちはどうかな」などと気付いたり、考えたりするようになります。生活の中で得た知識は、すぐにテストの点数に反映されるわけではなくても、幅広い知識や多角的なものの見方、考え方につながって、地頭がよくなっていきます。

知識の杭を増やす「楽勉」

地頭のよい子は、多くの知識の杭をもっています。知識の杭は子ども自身が意識したり、興味をもったりしたときに打ち込まれるもの。強制的に覚えさせようとしても興味がもてないばかりか、その話題にネガティブな印象や苦手意識をもちかねません。家庭でできることは、きっかけになる情報を生活の中に散りばめることです。そこでおすすめしたいのが、自然な形できっかけを増やす「楽勉」です。

「楽勉」の代表は、学習ポスターです。さまざまな教科・学年向けのものがあり、貼っておけば自然に目に入るので、いつの間にか内容が身近なものになっていきます。学習かるたやパズルなど、遊び感覚で情報にふれられるものもおすすめです。学習まんがやクイズ本も、情報がしぼられて読みやすく、基本的な言葉を覚えたり初歩的な理解の助けになったりします。手にとれる場所に学習図鑑をおいておくのもいいですね。写真やイラストを見るだけでも楽しく、多くの名称や構造にふれることができます。

「楽勉」は親子の会話も広げます。親子でクイズを出し合ったり、覚える競争をしたりしても楽しいでしょう。また、本物にふれる体験はとてもインパクトが強い楽勉です。以前より出かけにくくなってしまいましたが、長期休みなどにタイミングがあれば博物館や科学館に行ったり、地域をめぐって歴史や特産品のガイドをみたりするのもよいでしょう。ガイドを参考に子どもにわかりやすい言葉で伝えてあげると、その場では「ふーん」という反応でも、あとで「あ、これは知っている」と記憶がよみがえってきます。次の学年の学習に前向きに臨めるように、できることから無理なくタネまきをしていきましょう。

まとめ & 実践 TIPS

制約の多い生活が続き、子どもの勉強のことが気になったり不安になったりしてしまいます。そんなときは「勉強しなさい」というより、環境づくりをしてあげることのほうが効果的。子どもの負担を増やさず、楽しく取り組める「楽勉」で学びを応援していきましょう。

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プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。長年の教師経験をもとに勉強法や家庭教育について具体的に提案。
Twitter、Instagram、オンラインサロン「やすらぎの子育て・教育オンラインサロン」、YouTube「YouTube親力チャンネル」、Blog「親力講座」などで発信中。全国各地の教育講演会でも大人気。詳細は「親力」で検索

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