2022年4月から18歳で「大人」に コロナと成人年齢引き下げでより社会が身近に

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新型コロナウイルス感染症の拡大が始まって2年以上経つ2022年の4月、成人年齢の引き下げで、18~19歳の若者が一斉に「成人」の仲間入りをします。社会との関わりが増える一方で、さまざまな責任も生じます。
社会の在り方や政治・経済に関心を向ける若者が増えている中、高校在学中に18歳となる生徒の生活も、大きく変わりそうです。

この記事のポイント

高まる政治への関心

日本財団が2021年9月、全国の17~19歳の男女1000人を対象に行った調査によると、コロナ禍前と後を比較して「増えた」「少し増えた」経験として「政治や選挙が、自分自身の生活にも影響すると感じる」(33.9%)、「政治や選挙、社会問題について自分の考えを持つ、整理する」(27.9%)、「身近な人と政治や選挙、社会問題について話す」(25.9%)が挙がっており、政治への関心が高まっていることがうかがえます。

コロナ以降に働いたり求職したりした経験がある人に、コロナ前と比較して仕事やキャリアについて感じること(「そう思う」「ややそう思う」の合計)は、「以前に比べ、仕事の選択肢が減ったと感じる」(41.9%)、「以前に比べ、仕事探しが難しいと感じる」(41.6%)、「以前に比べ、自分の将来やキャリアの見通しが立たないと感じる」(29.4%)などが挙がりました。
現在仕事をしている人のうち、20.6%で収入が減少しています。アルバイトで「休業支援金・給付金」を利用できることを知らなかった人は、52.6%に上りました。

娯楽や余暇の制限で

サークル活動や習い事への所属、オンラインでの文化芸術・スポーツ観戦へのリモート参加などについては「当てはまるものがない」「全くない」の回答が多く、若者の楽しみである娯楽や余暇活動が大幅に制限されていることがうかがえます。

コロナ前とは異なる環境を乗り切っていくのはある意味困難とも言えますが、それによって自身を取り巻く社会や政治、経済に関心が向くようになったのだとしたら、必ずしも悪い面ばかりとも言えないようです。

2022年4月から18歳で「大人」

18歳成人で新しく認められることには、▽携帯電話やクレジットカード、不動産などの契約▽自分の意志に基づく進学や就職先の決定▽公認会計士や薬剤師などの国家資格の取得▽男女ともに18歳以上の婚姻——などがあります。

ただし、酒やたばこ、賭け事は、健康面や非行防止などの観点から、従来通り20歳になるまで認められていません。
18歳で「親の同意がなくても一人で契約できる年齢」「父母の親権に服さない年齢」になるという意味で、その行動には、大人としての責任が生じることになります。

一方で、さまざまなことに挑戦できるタイミングが早まり、その分チャンスが増えると考えることもできます。

まとめ & 実践 TIPS

これからの18歳には、変化の大きな社会が待ち受けています。困難な時期に、これからの未来を担う若者にとって自立やチャレンジの機会となるよう、社会全体で支えていく必要があるでしょう。

(筆者:長尾 康子)

※日本財団 18歳意識調査 第42回 テーマ:「コロナ禍と社会参加」
https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/pr/2021/20211027-63486.html

※政府広報オンライン 18歳から”大人”に! 成年年齢引下げで変わること、変わらないこと。
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201808/2.html

プロフィール


長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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