【オンライン授業】小学校から授業開始の連絡が! タブレットやパソコンのインターネット接続や準備、保護者はどう対応する?
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新型コロナウイルス感染拡大を受け、一部の小学校では既にオンライン授業が開始しています。今後さらに幅広い地域でオンライン授業の導入が進むと見られており、保護者のかたも心構えが必要です。
さて、オンライン授業といってもさまざまな方法があります。今回は、ビデオ会議ツールを使用してリアルタイムで開催される授業にご自宅から参加する場合について、一般的な流れをご紹介します。
オンライン授業への期待と不安
「子どもが通う小学校でも早くオンライン授業を始めてくれないかしら」と、オンライン授業の実施を待ち望んでいる保護者のかたもいるでしょう。しかし、ある日突然小学校から「来週からオンライン授業を開始します」という連絡がきたら……。「どうしよう……、ちゃんと参加できるかしら?」とちょっと心配になってしまうかもしれません。
子どもも親も初めてとなるオンライン授業。不安を減らし、学習効果をアップさせるためには、正しい理解と事前の準備が必要です。
オンライン授業に小学生が参加するメリットとは
小学生がオンライン授業へ参加することには、さまざまなメリットがあります。
場所や環境に左右されずに授業が受けられる
学校に行くのが難しい生徒が授業を受けられるようになることは、オンライン授業の大きなメリット。従来なら、授業を受けるためには教室にいることが大前提です。ただその場合、不登校の生徒や体調が悪い生徒は授業が受けられません。
しかし、オンライン授業であれば自宅でも受講が可能。誰でも同じように学習の機会が与えられるのです。また、過疎地域に住んでいる子どもでも、ネット環境さえ整えれば都会と同じ水準の授業を受けられるようになります。地域格差が減るというところも、大きなメリットといえるでしょう。
授業の質が向上する可能性あり
オンライン授業であれば、外部の講師を招きやすくなります。現在の小学校では、外国語やプログラミングなどの専門性の高い科目が実施されるようになりました。こうした科目はその専門性の高さゆえに、学校の教師だけでは十分な指導が行えない可能性もあります。
しかしオンラインであれば、遠方にいる専門家を招くことも可能。それにより、授業の質が向上する可能性があります。特に英語では、講師のネイティブな発音に触れられるため、子どもの英語力が大きく成長する効果が期待できるのです。これは、対面授業では得られないメリットだといえるでしょう。
塾であればコストや手間を抑えられる可能性も
オンライン授業を行っているのは学校だけではありません。塾を始めとした習い事でも、オンライン授業は導入されています。
オンラインであれば家にいながら塾の学習が受けられるため、場所代やプリント代といったコストを抑えることが可能。そのため、従来の形に比べて費用が安くなる傾向にあります。通塾する手間もかからないため、今まで諦めていた塾や習い事を始めることも可能になるかもしれません。
小学生のオンライン授業にはデメリットもある
オンライン授業を受ける際は、長所だけでなく短所も知って備えておく必要があります。
インターネット環境を整えなければならない
オンライン授業を受けるためには、ネット環境とパソコンやタブレットなどのIT機器が必須です。もともと環境が整っている場合は問題ありませんが、整っていない場合は新たに導入する必要があります。後々のコストは抑えられる可能性がありますが、初期費用はかかるというのがデメリットでしょう。
保護者の負担が増える
子どもがオンライン授業に慣れるまでは、保護者のかたのサポートが必要です。本来であれば学校に任せていた部分も、家庭で世話をしなければならないかもしれません。その結果、保護者のかたの負担が増える可能性があります。特に共働きの家庭では、どのようにサポートしていくのかが課題となってくるでしょう。
学習意欲を上げる工夫が必要
オンライン授業に対する子どものモチベーションが上がらない場合もあります。学校に比べて自宅は集中しにくい場所。オンライン授業が始まっても、子どもが学習意欲を見せないこともあります。子どものやる気を引き出すためには、集中しやすい環境を整えてあげることが必要。タイムスケジュールを組むなどして、生活にメリハリがつくような工夫を凝らすことも大切です。
お子さまが通う小学校から家庭の通信環境について確認があったら
小学校でオンライン授業を実施するには、対象となる家庭の通信環境が整っていることが条件になります。小学校でオンライン授業を検討している場合は、恐らく検討中の段階で、各家庭に通信環境についての確認があるでしょう。
【学校から確認される主な事項】
・インターネット環境の有無(有線か、Wi-Fi環境かなど)
・パソコン、タブレット、スマートフォンの所有状況
・オンライン授業が始まった場合に保護者のかたがどの程度サポート可能か(時間的・技術的に)
学校から確認があったら、それぞれの事項について正しく報告しましょう。よくわからない場合はひとまず保留し、わかるかたに確認したうえで正しい情報を回答することが大切です。実際は環境が整っていないのに「整っている」と回答してしまうと、お子さまが参加できない状況でオンライン授業が始まってしまうかもしれません。もし、ご家庭でオンライン授業に参加できる通信環境が整っていない場合は、学校の先生に相談してみましょう。
また、プリントでの学習とオンライン授業を併用している学校も多いです。プリンターが必要かどうかも、事前に確認しておくとよいでしょう。
オンライン授業開始の連絡が届いた!準備や各種設定はどうする?
小学校からオンライン授業開始の連絡が届いたら、準備を始めます。各家庭で準備しなければならないものは何か早めに確認をし、対応を進めていきましょう。
準備事項については、小学校から案内があると思います。説明を読んでもわからない場合や、説明通りに設定したつもりでもうまくいかない場合は、そのままにせずに相談してください。小学校の問い合わせ窓口に質問したり、周囲の詳しいかたに協力をお願いしたりして、準備を整えておきましょう。
お子さまも一緒に事前練習を何回かしておく
小学校でオンライン授業に使用されるツールが無料のビデオ会議アプリなどの場合は、事前にご自宅で練習することができます。ご家族や、お知り合いのかたに協力していただくとよいですね。
お子さまも一緒に、ビデオ会議への接続から、相手とオンラインで会話するところまでを何回か練習してみてください。離れて暮らす祖父母と他愛のない話をするのもよいでしょう。学校からパソコンやタブレットが支給される場合も、自宅にある端末で操作方法に慣れておくと安心です。
練習してみると、オンライン授業を受ける際の場所も大事だということがわかります。部屋の様子を映したくない場合もあるはず。壁の前に場所を設定したり、専用の部屋を用意したりして、背景を気にせずにオンライン授業に参加できる環境を整えておきましょう。合成で作り出した映像を背景にする「バーチャル背景」などを活用してもよいですね。
事前練習でトラブルが発生したら原因を調べて解決しておく
オンライン授業ではトラブルがつきもの。保護者のかたがビデオ会議の操作に慣れていない場合だけでなく、インターネット回線が一時的に不安定になるなど、外的な要因によるトラブルもよく発生します。以下はビデオ会議でよく起こるトラブルです。
・相手の声が聞こえない
・自分の声が相手に聞こえない
・映像が映らない
・映像が静止してしまう
・途中で接続が切れてしまう
事前練習の際にトラブルが起こったら、その原因を調べて、早めに解決しておきましょう。もしご自身で解決方法がわからない場合は、このような分野に詳しいかたに教えてもらったり、小学校の先生に相談したりしてみてください。
ただし、画面の映像が静止したり、途中で接続が切れたりする一時的な不具合は、よくあること。そういったことも理解し、ある程度は仕方ないと割り切りましょう。
オンライン授業に集中できるように準備しておきたいことは
お子さまがオンライン授業に集中できるようにするため、万全の体制を整えてあげたいところですよね。そこで、保護者のかたができるサポートをご紹介します。
スケジュールを組む
まずは、1日の時間割表を作ってみることをおすすめします。毎日のルーティンを決めておくと生活にメリハリがつき、授業にも集中しやすくなるでしょう。起床時間や勉強、遊び、家事など、お子さまと一緒に1日のスケジュールを組んでみてください。
スケジュール通りに行動する習慣が身につけば、事前準備や気持ちの切り替えもスムーズになるでしょう。直前までゲームをしていてオンライン授業に身が入らなくなるようなことも減るはずです。
集中できる環境を整える
余計なものが置かれていない、オンライン授業専用のスペースを用意してあげるのも効果的です。ゲームや漫画などが手の届くところにあると、どうしてもそちらに注意が向いてしまうもの。机にはオンライン授業に必要なものだけを置き、お子さまが授業に集中できる環境を整えてあげましょう。
また、学習のゴールを毎日一緒に設定するのもおすすめ。目標が決まれば、お子さまもモチベーションを保ちながら課題に取り組めるようになります。
塾や習い事でもオンライン授業が広がっている
現在は小学生向けの塾でもオンライン授業が導入されており、便利に活用することができます。ただし、オンライン塾にはさまざまなタイプがあるため、お子さまと相性の良いスタイルを選ぶことが重要です。
オンライン塾は、「すでに録画された授業を視聴するもの」「ライブで授業を受けるもの」「専用タブレットで自主的に問題を解いていくもの」の3つのタイプに大きく分けることができます。
事前に録画された授業を視聴するタイプの場合は、好きなペースで学習を進められます。こちらは学習意欲が高いお子さまにおすすめです。ライブで授業を受けるタイプは、通常の授業と同じようにわからないところはその場で質問できます。お子さまがモチベーションを維持しやすく、丁寧な指導が受けられるでしょう。専用タブレットで問題を解いていくタイプでは、AIがお子さまのレベルに合わせた問題を用意してくれます。こちらは、こつこつと学力を伸ばしたい場合におすすめです。
お子さまの将来を考えて、パソコンの用意も検討したい
小学校の授業にプログラミングが加わり、教育分野におけるパソコンの重要性は今後も増していくことが予想されます。そのため、将来を見越して子ども専用のパソコンを用意するのも一つの方法です。オンライン学習が普及し始めたこの機会に、検討してみてはいかがでしょうか?
パソコンは、調べ物や資料作成、プログラミング教育などが自主的に行えるように、必要な機能が備わったものを用意することが大切。具体的には、キーボードやWebカメラ、表計算ソフトといった機能が付いていると良いでしょう。また、お子さまを有害なサイトから守るために、セキュリティ対策の知識を身に付けておくことも重要です。
まずは接続できて、お子さまがオンライン授業に参加できればよし!
初めてオンライン授業に参加する日は、お子さまも保護者のかたも緊張してしまうかもしれません。もちろん、うまくいかないこともあるでしょう。ですから、まずはオンライン授業に無事に接続できて、お子さまが何とか参加できればよしと考えましょう。授業が終わったら、オンライン授業を受けてどうだったか、ぜひお子さまと話してみてください。
オンライン授業に向けたお子さまの心の準備については、こちらの記事も参考にしてください。
【オンライン授業】小学校から授業開始の連絡が!オンライン授業を楽しむための子どもの心の準備
https://benesse.jp/kyouiku/202005/20200506-1.html
まとめ & 実践 TIPS
スマホやタブレットを1人1台持つことが一般的になってきた現代。子どもたちの学習にオンラインが活用されていくのは、自然な流れなのかもしれません。とはいえ、まだ試験段階の学校も多く、先生も子どもも親もこれから慣れていくところでしょう。
学校からオンライン授業開始の連絡があったら、まずはオンライン授業が受けられる環境を整え、授業が実施されるタイミングで参加できるようにしておきましょう。
パソコンやタブレットの扱い方、オンライン授業に向かうモチベーションは、実際に行うことで少しずつ身に付けていきましょう。
出典:文部科学省Webサイト
「GIGAスクール構想の実現について」
https://www.mext.go.jp/a_menu/other/index_00001.htm
「GIGAスクール構想の下で整備された1人1台端末の積極的な利活用等について」
https://www.mext.go.jp/content/20210312-mxt_jogai01-000011649_002.pdf
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