オンライン学習のニーズが高まるなかで「デジタル格差」が「教育格差」に?! ユニセフも指摘

国連児童基金(ユニセフ)の報告書によると、インターネットにアクセスできない子どもが、世界に13億人います。新型コロナウイルス感染症の影響で、オンライン学習の必要性が高まる中、報告書は、デジタル格差が教育格差につながらないよう、警鐘を鳴らしています。

この記事のポイント

家庭や国の経済状況が影響

「家庭でインターネットに接続できる子ども・若者の数は?」と題された報告書では、世界85か国以上のデータをもとに、子どもや若者が、家庭でネットに接続できるかどうかを分析しました。その結果、世界の3歳から17歳までの学齢期の子どもの3分の2に当たる13億人が、自宅でネットに接続できないことが明らかになりました。

どのような状況の子どもたちが、ネットにアクセスできないのでしょうか。
一つは、家庭の経済格差です。経済的に恵まれている学齢期の子どもの58%は、自宅でネットに接続できますが、厳しい経済状況の家庭の子どもでは、16%にとどまっているといいます。

もう一つは、国の所得水準です。高い所得水準の国の子どもは、10人中9人がネットに接続できますが、低所得の国では、20人に1人となっています。
特に、地域によるデジタル格差が深刻です。家庭でネットに接続していない学齢期の子どもの割合は、世界全体では67%(13億人)ですが、西部・中部アフリカで95%(1億9400万人)、東部・南部アフリカで88%(1億9100万人)、南アジアで88%(4億4900万人)と高くなっています。

コロナでネット環境は必須に

世界のデジタル格差を解消するため、ユニセフは、国際電気通信連合(ITU)と協働プロジェクト「GIGA」を、2019年に立ち上げました。世界30か国で80万校以上の学校のネットの接続性を示した地図を作成し、官民共同でインフラ整備を進めるプロジェクトを進めています。

社会のデジタル化に伴い、ICT(情報通信技術)スキルを身に付けることは、以前から重要なものでした。コロナ禍でオンライン学習の必要性が高まり、ますます欠かせないものとなっています。ネットに接続できないことは、現代の経済システムに参加する機会を失うことにつながります。ユニセフは、コロナ禍による格差が広がらないよう、警告を発しています。

日本でも「GIGAスクール構想」進む

日本でも現在、小中学生に1人1台の学習用端末と、高校も含めた高速大容量の通信ネットワークを整備する、政府の「GIGAスクール構想」が進んでいます。2021年3月までに、ほとんどの自治体で、子どもたちにコンピューター端末が行き渡る予定です。
高校生は1人1台の対象に入っていませんが、萩生田光一文部科学相は「高校の授業でも1人1台端末の環境を整えていくべきだ」との考えを示しています。

まとめ & 実践 TIPS

ユニセフの報告書が指摘するように、コロナ禍で、デジタル格差が教育格差につながりやすい状況が加速しています。国内でも、5Gの拡大や、携帯料金値下げなどの動きもあります。パソコンやタブレット端末の整備だけでなく、家庭を含めてスムーズに学習できるようなネット通信環境の整備にも、期待がかかります。

(筆者:長尾康子)

【リンク先】
※日本ユニセフ協会 教育危機 自宅でネット使えない子ども、13億人 デジタル格差が引き起こす教育格差
https://www.unicef.or.jp/news/2020/0245.html

プロフィール

長尾康子

長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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