食品ロスを減らして家計のムダにもさようなら

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買い置き食材や食べ残しを処分してしまったことはありませんか? 本来、食べられるのに捨てられてしまうものを「食品ロス」と言います。この食品ロスを削減するために、2019年10月に「食品ロスの削減の推進に関する法律」が施行され、取り組みが始まっています。
コロナ禍で自宅での食事が増える中、買い物の仕方や頻度はこれまでと大きく変化し、レジ袋も有料になりました。食品ロスを減らせば家計のムダも省けます。今回はその理由と方法について考えてみましょう。

この記事のポイント

巣ごもり需要で増えた食料品の費目は?

総務省「家計調査」によると、新型コロナウイルス感染症により家計の支出割合が(下表:対前年同月実質増加率)増えた主な食料品の費目は、麺類や生鮮肉など、手軽に食べられるものでした。これは言うまでもなく、在宅勤務や外出自粛、子どもの学校等の臨時休業などで、自宅での食事が増えたことによるものです。
麺類、小麦粉、米などの主食が、マスクや消毒液、トイレットペーパーとともに一時店頭からなくなった地域もありました。買い物がしづらい状況にありながら、食料品の確保に走る消費者の行動が伺えます。

総務省「家計調査」(令和2年8月7日発表等)より一部抜粋し作成

家庭での食品ロスの原因は?

一方、日本の食品ロス量は年間612万トン(2017年度推計)で、そのうち家庭から出ているものが46.4%(284万トン)を占めています。これを一人当たりに換算すると48kg。一人分の米の年間消費量54kgに相当します。
家計に占める食費の割合はおよそ1/4と言われています。家庭での食品ロスを見直せば、その分食費も確実に減り、ひいては他の消耗品費の見直しにもつながるでしょう。
消費者庁「消費者白書令和2年版」によると、家庭で捨てられやすい食品は「主食」と「野菜」が多く、捨てる理由は「食べ残し」と「傷んでいた」の順でした。つまり、主食と野菜を傷む前に保存や調理し、残さず食べるということが1つのポイントになりそうです。

家庭で捨てられやすい食品と食品を捨ててしまう理由

「計る」「記録する」と削減効果はテキメン

食品ロス削減は、その効果がわかると取り組みやすいもの。下表は、家族構成の異なる3家庭に筆者が依頼し、ごみダイエットを始める前と後の一週間に、家庭から出るごみすべての重さを計測した結果です。
重さを計って記録するだけで、平均25%程度のごみが削減できました。もちろん、その週の買い物や食事メニュー、家族の在宅状況などで結果は左右されますが、どの家庭も相当のごみダイエットに成功したのです。「ごみの重さを計って記録するだけで、生活の意識が変わった」——現状を把握することは、自分で改善点を見つけ、行動のモチベーションになる一歩なのかもしれません。

ごみダイエット前後の一週間のごみの重量比較

すぐにできる! 食品ロスと食費のムダを減らすワザ

ごみダイエットのチャレンジ中に意識したことを3家庭に聞いたところ、「不要なものは買わない」「いつでもマイバッグを持ち歩く」「シャンプーなどは詰め替え商品を購入する」「生ごみは水分をよく切る」「外出時はマイボトル(水筒)を利用する」でした。
この中で家計に直接貢献したのは、「不要なものは買わない」こと。そこで、消費者庁が過去に行ったモニター家庭への調査結果も含め、食費の節減方法をまとめてみました。

1.在庫管理表と買い物リストを作成する

食材の置き場を決め、買い物の前に期限表示を確認しながら家にある在庫をチェックし、買い物リストを作る。

2.予算を決めて守る

冷静な判断ができる時間や場所で買い物をし、1カ月単位で決めた予算を守る。

3.情報を集める

食品の特性や保存方法を調べ、買い物をした日に下処理をして保存する。リメイク料理などのバリエーションを増やす。

食品ロスで効果がある取り組みと行っている取り組み

まとめ & 実践 TIPS

ごみの重さを計って記録することは、食品ロスを減らして家計のムダにもさよならできるきっかけになり得ます。衝動買いをせず必要なものだけを買うのはなかなか難しいことですが、無理のない予算で、いざという時の例外ルールも決めておけば、ほとんどは想定の範囲内に収まっていくと考えます。家族の協力を得ながら、ゲーム感覚で楽しむ気持ちも大切でしょう。


総務省:家計調査(家計収支編 二人以上の世帯 月次報告)
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00200561&tstat=000000330001&cycle=1&tclass1=000000330001&tclass2=000000330004&tclass3=000001034794

消費者白書令和2年版(消費者庁)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_research/white_paper/assets/2020_whitepaper_0003.pdf

プロフィール


中上直子

ファイナンシャル・プランナー、消費生活コンサルタント。
マネー、消費生活、消費者教育などをテーマに編集・執筆、教材企画、講座講師、講師養成などで活動。日本消費者教育学会会員。
子どもにかけるお金を考える会メンバー
https://jpn01.safelinks.protection.outlook.com/
一般社団法人消費生活総合サポートセンター(Cサポ)理事
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