オンラインで実習、どうするの? コロナ後の新しい学びの姿

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新型コロナの影響で注目が集まる、オンラインによる授業。しかし、実習や実技など、その場で体を動かしたり、本物を見たりしながら身に付けたりする学習は、どうするのでしょうか。専門学校では、オンラインならではの特性を活用して、その可能性を探っています。

対面授業とミックスで活用

看護や介護、調理、理容・美容、情報系、ものづくりなどを学ぶ専門学校では、国家資格試験が控えていることもあり、受験資格を得るため、規定の実習を履修する必要があります。
しかし、新型コロナ感染拡大の影響で、休校になったり、施設での実習の受け入れが不可能になったりしたことから、各校では、さまざまな工夫をして乗り切っています。
そうした各分野の専門学校の「新しい学びの姿」の事例を、文部科学省が動画で紹介しています。オンラインによる遠隔授業を展開しながら、実習や実技を行う対面授業を実施している学校が多いことがわかります。
介護系の専門学校では、介護者の体の動きがわかるデモンストレーション動画を、教員が作成して、学生に配信。学生は自宅で、同じ動きを練習します。後日の対面授業では、学生がペアになって実演し、その様子を動画に収めて教室で視聴しながら分析する、という手順で授業を進めていました。
介護の知識や技能を身に付けるには、最終的には接触を伴う実習が不可欠です。しかし、オンラインで事前学習を十分に行えば、対面授業では接触の機会を少なくでき、短時間で学べるとしています。
実習前の事前学習をオンライン化することには、対面授業にはないメリットもあるといいます。調理系の専門学校では、魚の下ろし方や、調理器具の使い方などを、テロップを多用した教員目線の動画でオンデマンド配信し、学生が繰り返し視聴し、理解できるようにしていました。

専門学校のコロナ対応は小中学校や高校の授業のヒントに

こうした専門学校のコロナ対応は、小中学校や高校の授業にも、ヒントになりそうです。文科省は各教科の指導について、感染症対策を講じても感染の可能性が高く、実施することができない学習活動として、家庭科や技術・家庭科の調理実習、音楽の合唱、リコーダーなどの管楽器演奏などを挙げており、指導順序の変更や、教師の事前・事後指導、家庭学習との組み合わせなどの工夫で実施ができるとしています。

まとめ

今後、地域で再び感染が拡大し休校措置がとられた場合、今年度中に取り組めない活動が出てくるかもしれません。学年をまたいだ指導計画を見直しても、変更を余儀なくされる場合も出てくるでしょう。
集まってできないからと、実習や実技を先延ばしにしているだけでは、子どもたちの学びはストップしてしまいます。オンラインと対面を上手に組み合わせた、授業の工夫が求められています。


(筆者:長尾康子)

※文部科学省 Afterコロナの時代の「新しい学びの姿」オンラインセミナー(総集編)
https://www.youtube.com/playlist?list=PLGpGsGZ3lmbDKeg0m-7_Qse7lWCeddhEk

プロフィール


長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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