SNSの情報に用心深い若者

今の若者は、テレビやインターネットなどのメディアに対して、どのような考えを持っているのでしょうか。日本財団が行った調査によると、インターネットの情報に冷静な目を向けていることがわかりました。

信頼度が高いのはテレビや新聞

調査は9月中旬、全国の17~19歳の男女1,000人から回答を得たもので、マスコミやメディア関連などの関係者は除外しています。

必要な情報源を何から得ているかという問いに対して、1位はテレビで82.1%。ソーシャルメディア(SNS)の47.3%や、ニュースサイトの45.1%、動画配信・動画共有サイトの36.4%を大きく上回っていました。「情報の信頼度が高い」「中立・公平で偏りがない」「専門家などが解説している」と思われているのは、テレビや新聞、ラジオとなっています。

普段ニュースや報道の情報を得るために利用しているSNSを尋ねると、LINE(73.3%)、Twitter (69.3%)、Instagram(36.5%)の順となっており、Facebook(4.7%)は若者にあまり利用されていないことがわかります。

SNSで見た情報の真偽を確かめたことが「ある」若者は、65.2%でした。その方法として自由回答を求めたところ、「インターネットで詳しく検索する」「いろんなキーワードを入れ替えて調べた」「テレビや新聞で確認」「公的な機関が発表している情報を調べた」など、多様な検索方法を駆使し、複数のメディアを横断して確かめていることがわかりました。「実際に人に聞いたりその場所へ行ったりした」など、行動に移す回答も見られました。

総合的なメディアリテラシー育成を

こうした意識や行動の背景には、インターネット上の情報は「本当でない可能性がある」という前提が、若者の中にあるようです。インターネット上の情報を虚偽だと感じたことが「ある」と感じる若者は84.1%に上り、真偽を確かめずに情報を拡散した経験は「ない」が73.7%と慎重です。

虚偽の報道である「フェイクニュース」に対する法整備は必要かどうかを尋ねたところ、56.6%が「必要」と回答。「必要はない」(11.2%)、「わからない」(32.2%)となっています。自由意見を見ると「虚偽の報道で人権が侵害されることもある」から法整備は必要だという意見がある一方で、「言論の自由が脅かされかねない」と懸念する声も上がりました。

今回の調査結果からは、若者が冷静な態度でインターネットの情報を捉えていることが浮かび上がってきます。今の18歳が小中学生だったころは、携帯電話やスマートフォンの利用が年々、低年齢化していった時期と重なります。学校でもネットモラルなどのインターネット利用に関する教育を受けた、「デジタルネーティブ」世代です。

もはや彼らにとって、インターネットは目新しいメディアではありません。だからこそインターネットだけではなく、テレビや新聞、ラジオといった、従来からのメディアにも特性があることを伝え、それぞれのコンテンツを分析的に評価し、活用できるよう、子どもたちの「メディアリテラシー」を高めていく必要があるのではないでしょうか。

(筆者:長尾康子)

※日本財団「18歳意識調査」第19回 テーマ:メディアについて
https://www.nippon-foundation.or.jp/who/news/pr/2019/20191029-37521.html

プロフィール

長尾康子

長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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