ノーベル賞受賞の吉野彰先生がすすめる、冬休みの自由研究って?

理科や科学の知識は、机上のみならず、実際の社会で役立つ学問です。それを子どもにどう教えるか、教育の現場では試行錯誤が行われています。

そこで、今回は科学好き・理科好きの親子にたくさんの愛読者を抱える『子供の科学』(誠文堂新光社)の編集長・土舘建太郎さんに子どもと科学の関わりについて、話を伺うとともに、冬休みの自由研究のアイデアを教えていただきました。

「子ども扱いなし」の第一線の科学情報だから、子どもの「好き」が伸びる

『子供の科学』は、2019年10月号で創刊95周年を迎えた歴史ある雑誌です。創刊当時から現在まで、「第一線の科学者に取材をして情報をお届けする」というコンセプトは変わっていません。
たとえば、12月号では、ノーベル化学賞を受賞した吉野彰先生の研究分野であるリチウムイオン電池の仕組みや、吉野先生のインタビューを掲載しています。

『子供の科学』の主な読者層は、小学5、6年生。小学校の理科では「リチウム」も「イオン」もまだ学習しません。しかし、子ども向けに内容を変えたり専門用語を控えたりすることなく、情報を伝えるようにしています。

それは、まだ学習していない理科や科学の分野にも、お子さんにとっての興味の種があるのではないかと考えているからです。わからないことを知りたいという知的好奇心は、みずから興味を追求するきっかけになりますし、今はわからないことでも、いずれ中学生や高校生になって同じ分野の勉強に出合ったときには、「あ、これは小学生のときに雑誌で読んだあの内容だ!」と改めて興味を持つことがあるかもしれないからです。

また、最近では、社会やニュースで話題になっている物事に興味を持つお子さんも増えてきました。ノーベル賞はもちろんそうですし、例えば違法薬物で有名人が逮捕されたというニュースが流れると、「そもそも薬ってなんだろう?」「違法薬物はどこが危険なんだろう?」と興味を持つお子さんも出てきます。また、プログラミングへの関心も高く、大人も子どもも興味の対象はあまり変わらないものだと実感しています。

吉野先生おすすめの自由研究、活性炭で電池を作ろう!

今回ご紹介するのは、ノーベル化学賞を受賞した吉野彰先生おすすめの活性炭電池の実験を利用した自由研究です。
ご家庭にある身近なアイテムで、本格的な実験をすることができます。

<用意するもの>
●アルミホイル
●冷蔵庫脱臭剤(成分に「ヤシガラ活性炭」とあり、内容物がゼリー状でないもの)
●ペーパータオル
●食塩
●小型モーター&プロペラ(電流が発生したことを確認するため。うまく作ると豆電球を光らせることも可能)
●ミノムシクリップ付きリード線
●プラスチックコップ
●割り箸

<手順>
1)コップに食塩を溶けるだけ溶かし濃い食塩水を作る
2)アルミホイルを広げ、その上にペーパータオルを広げて置く
3)脱臭剤の中の活性炭を取り出し、ペーパータオルの上に広げる
4)活性炭の上に食塩水をかける
5)モーターの軸にプロペラを付ける
6)別のアルミホイルを用意し、ペーパータオルより少し小さくなるように周囲をたたむ
7)2枚のアルミホイルの角に、それぞれ別のミノムシクリップ付きリード線を取り付け、リード線の反対側はモーターのリード線につなぐ
8)折りたたんだアルミホイルを活性炭の上にかぶせて手のひらで強く圧迫すると、モーターが回る

くわしい実験のやり方や、なぜ電流が流れるのかの説明は、発売中の『子供の科学 2020年1月号』でご覧ください。

実験考案/山村紳一郎

プロフィール

土舘建太郎

学習院大学卒業後、フィットネス雑誌編集部に所属。誠文堂新光社に移り、『愛犬の友』編集部を経て『子供の科学』編集部へ。2015年より編集長。誌面と連動したキットを提供するECサイト「KoKa Shop!」(shop.kodomonokagaku.com)を立ち上げる。



***書籍紹介***



『子供の科学』2020年1月号の別冊付録「リチウムイオン電池まるわかりBOOK」では、2019年ノーベル化学賞を受賞した吉野彰先生オススメ実験を収録。「リチウムってなに?」、「どうやって開発されたの?」といった疑問をていねいに解説しています。読んで、実験して、ノーベル賞研究のおもしろさを実感できます。特集は2020年の干支にちなんだ「ネズミ研究最前線」。世界と日本のネズミが大集合。哺乳類全種の約3割を占める“最も繁栄している哺乳類”ネズミを知れば、哺乳類の進化や生態のヒミツが見えてきます。プログラミング学習や実験・工作の記事が充実した雑誌『子供の科学』は毎月10日発売です。
https://www.seibundo-shinkosha.net/magazine/

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