部活は教師の自発的なボランティア? 〜外部委託も登場

中・高校生の時に、部活動に青春をかけた保護者も多いだろう。学校に部活があることが、当たり前と思っている人も多いはず。しかしつい最近まで、学習指導要領に部活動の記述はなかったのだ。学校の文化、慣例として続いてきた部活動が、今、転換期を迎えている。教育ジャーナリストの渡辺敦司氏が解説する。

 

***

 

「生徒の自主的、自発的な参加により行われる部活動については、スポーツや文化及び科学等に親しませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資するものであり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図られるよう留意すること」。現行の学習指導要領には、部活動についてこう明記されています。

 

「自主的、自発的」が原則ですから、顧問の先生も自発的なボランティアという形です。が、実際には校務の一環として顧問を割り振っている学校がほとんどです。それが先生の多忙化に拍車を掛け、授業の準備に時間を掛けられない要因にもなっています。

 

そこで「部活イノベーション」と呼ぶ新たな仕組みを取り入れたのは、東京都杉並区立和田中学校です。民間人校長の藤原和博氏で有名なこの学校では、外部団体と各部活の保護者会が有料(生徒1人1回500円 障害保険料含む)で契約し、指導や安全管理などを委託して部活動ができるようにしました。「部活動は大切な教育的活動」と考えられる一方で、顧問の先生が休日に部活指導を行うことは限界に達しつつあります。そこで、部活動指導は学校教育とは関係ない活動という位置付けにした、苦肉の策です。

 

今や、学校に任せるだけでなく、家庭や地域も一緒になって部活の在り方を考える必要があるのです。

 

出典:課題山積の部活動 外部との連携も必要 -ベネッセ教育情報サイト

子育て・教育Q&A