本好きの保護者ほど子どもも読書家に
読書好きな子どもほど学力も高いことは、全国学力・学習状況調査(全国学力テスト、小学校は6年生対象)の結果から、明らかになっています。では、どうやって子どもを読書好きにするか。やはり一番の近道は、親が本を読んでいる姿勢を見せることのようです。そうした事実が、厚生労働省の「21世紀出生児縦断調査」から裏付けられました。
同調査は、21世紀の初年に生まれた子どもを毎年、継続して追跡しているものです。親子の状況の変化だけでなく、少しずつ質問項目も変えて、子どもが成長していく実態を明らかにしようとしています。調査対象者は小学2年生になりました。
今回は、1か月の間に子どもが読む本(児童書や絵本など)の冊数と、お母さんとお父さんが読む冊数(文庫や単行本など)の関係を調べています。1冊以上の本を読んでいる子どものうち、お母さんも本を読んでいる割合は95%、読んでいない割合は88%。同様に、お父さんの割合はそれぞれ95%、89%となっています。両親が本好きなら、子どもが本を読むようになる割合を6~7ポイント押し上げる、というわけです。
当然、親が読む本の冊数が多ければ多いほど、子どもが読む冊数は多くなる傾向にあるのですが、必ずしもそう無理をしなくてもよいのかもしれません。お母さんが月に1冊だけ読む家庭でも、子どもの読む冊数は、「1冊」(17%)より「2、3冊」(34%)、「4~7冊」(26%)のほうが多く、8冊以上も計22%に上ります。逆に、子どもが1冊しか読まない割合は、お母さんが本を読まない家庭では17%と、お母さんが本を読む家庭の12%より高くなっています。これは、お父さんの場合でも同様です。やはり小さいころは、両親が読書を楽しんでいる姿勢を見せることが、何より重要なのかもしれません。
このように小学校低学年は、生活習慣を確立するうえで、保護者の影響が大きい時期です。勉強もそうです。お母さんが、子どもに対して勉強をするように言うことが「よくある」家庭では、子どもが毎日30分以上勉強する割合が78%を占めるのに対して、「ときどきある」家庭では71%、「ほとんどない・まったくない」家庭では62%にまで下がってしまいます。また、お母さんが勉強する時間を決めて守らせたり、勉強を見たりしている家庭ほど、子どもの勉強時間もより長くなる傾向にあります。
ただ、子どもが成長していくにつれて、親のかかわりを嫌がるようになるものです。どの年齢がそうした切り替わり時期になるのか、今後の追跡に期待したいものです。
このほか調査では、子育ての負担や悩みなども継続して調査しています。最も多いのは「子育ての出費がかさむ」(34%)ですが、1か月の平均費用は3万4,000円と変わらなかったため、負担感は前回調査(38%)より4ポイント減っています。「子育てによる身体の疲れが大きい」(13.1%)も4ポイント減となっており、ほんの少しでも手が掛からなくなっている分、子どもは着実に成長しているようです。
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