男の子・女の子の気がかり~包茎・おりもの~

男の子の包茎を気にする母親は多いようです。また同性である女の子に関しては、おりものを気にするケースがあるようです。男の子、女の子それぞれの体の気がかりについて、小児科医の鈴木洋先生に伺いました。


気がかり1 男の子の包茎
思春期前の男の子なら包茎は普通です
ペニスの先端(亀頭=きとう)が皮膚で覆われている状態を「包茎」といいますが、包茎には真性包茎と仮性包茎があります。思春期前まではほとんどの場合、仮性包茎。成長に伴い、亀頭は自然に露出するようになるので、心配はいりません。ただし、菌に感染して炎症を起こす亀頭包皮炎を繰り返すようでしたら、小児科や小児泌尿器科を受診しましょう。

亀頭包皮炎とは…

包皮と亀頭のすきまにたまった恥垢(ちこう)に細菌が繁殖し、炎症を起こした状態。亀頭が赤くはれ、子どもは痛がります。パンツに黄色や緑色の分泌物が付着することもあります。抗生物質が入った塗り薬で治療します。

包皮をめくって洗う必要はありません
細菌感染を防ぐためには、毎日体を洗い下着を清潔に保つこと以外にも、つめを切って清潔にしておくことや手洗いの習慣が大切です。ただし、ペニスを洗う時は包皮をめくってまで洗う必要はありません。このような洗い方をすると、包皮や亀頭に細かい傷がつきやすく、包皮と亀頭が癒着(ゆちゃく)してしまうこともあります。


気がかり2 女の子のおりもの
おりものは細菌感染のシグナルです
外陰部や膣(ちつ)が炎症を起こす外陰膣炎が原因で、パンツに黄緑色のおりものが付着することがあります。その場合、シャワーで洗い流して外陰部を清潔にするよう心がけるとともに、小児科で治療を受けることが必要です。

外陰膣炎とは…

外陰部や膣に大腸菌やブドウ球菌などの細菌が感染し、炎症を起こした状態。パンツに黄緑色のおりものが付き、かゆみを伴います。抗生物質を服用したり塗ったりして治療します。

外陰部を清潔に保つトイレの習慣
排便後は便が残らないようにきれいにふくこと。排尿後は前から後ろにふくこと。この二つがちゃんとできていますか? 体の大切な部分を清潔に保つことの必要性を、子どもに伝えましょう。

プロフィール



鈴木こどもクリニック院長。東京大学医学部助手(小児学)を経て、1987年愛育病院新生児科部長に就任。1990年より東京都墨田区にて開院。
「ぞうさん先生」の愛称でママと子どもたちに親しまれています。

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