積極的に友達と遊ばなくなってしまいました【後編】[教えて!親野先生]

今週の相談

 

小学6年生の息子についてです。ここ1年くらいのことですが、友達と積極的に遊ばなくなってしまいました。かといって学校でトラブルがあった風でもないのですが、とにかく帰宅してから遊びに行かなくなってしまったのです。ゲームは1日30分までと決めているため、宿題をやって遊びに行って帰ってきて、さらにゲームをするのが大体日課になっていたのに。友達と遊ぶのは楽しいと言いますが、わざわざ遊びに行くほどではない、とも言い、家では妹(小1)相手に遊んでいることが多いです。密な人間関係を作れずにいるのか、単に気の合う友達がいないだけなのかがわからず、このまま放っておいていいのか、焚(た)きつけてなるべく外に出してしまうのがいいのか迷っています。(ぶらんこ さん)

 

【親野先生のアドバイス】

ぶらんこさん、拝読いたしました。

前回に引き続き、ぶらんこさんへのアドバイスです。

前回は、子どもの実状、「本当のところはどうなのか?」を知るための以下五つの方法の2)までお話しました。

 1)子どもの友達関係を自分の目でよく観察する
 2)子どもの話から分析する
 3)わが子に関わってくれている大人、または、過去に関わってくれた
  大人から聞く
 4)同じクラスの子に聞く
 5)同じクラスの子の親に聞く


次に、3)の「わが子に関わってくれている大人、または、過去に関わってくれた大人から聞く」についてです。

前回も言いましたが、高学年になると、子どもの人間関係は広く複雑になってきます。

大人はいろいろな人間関係の中でいろいろな自分を演じていますが、高学年の子どももそれに近づいてくるのです。
親が知っている姿は、子どものほんの一部に過ぎないと考えたほうがいいでしょう。

そこで、今現在我が子に関わってくれている大人や過去に関わってくれた大人から情報を得ることをおすすめします。
たとえば、今の担任の先生、元担任の先生、保健の先生、児童クラブや学童保育の先生、幼稚園や保育園で教わった先生、塾や習い事の先生、スポーツ少年団の監督やコーチなどです。

次に、4)の「同じクラスの子に聞く」についてです。
場合によっては、大人に聞くよりも子どもに聞いたほうがよくわかることもあります。
これにも直接的な聞き方と間接的な聞き方があります。

直接的な聞き方としては、「うちの子、このごろどう?」「うちの子、昼休みに何してる?」「うちの子、誰と遊んでる?」「うちの子、友達いるのかしら?」などがあります。
間接的な聞き方としては、「クラスでどんな遊びがはやってるの?」「休み時間はみんなどんなことしてるの?」「友達のいない子っている?」などがあります。

次に、5)の「同じクラスの子の親に聞く」についてです。
もしかしたら、クラスの子が家で我が子のことを話しているかもしれません。
たとえば、「このごろ○○君遊び相手がいなくてさみしそう」とか「いつも仲のいい○○君と□□君がけんかしたんだよ」などという話です。

このようなやり方で、とにかく、まずは子どもの実状を知ることが大切です。

その結果、ア)の「友達に避けられているわけではないけど、別の理由で、遊びたいのに遊べない」ということだとしたら、担任の先生に頼んで気の合いそうな子と近くの席にしてもらったり、気の合いそうな子に遊びに誘ってもらうようにしたりするといいでしょう。

ア)のような場合、もともと友達に避けられているということではないのですから、きっかけさえつかめればうまくいくようになります。

イ)の「何かの理由で友達に避けられているので、友達と遊びたいのに遊べない」ということでしたら、トラブルの解決や本人が避けられる要素の改善が必要です。

この場合のトラブル解決については、担任との協力が不可欠になってきます。
また、本人に避けられる要素がある場合は親子でその改善に努めることが必要になります。
たとえば、不潔な感じがする、おとなしすぎる、自己中心的、まじめすぎる、などなどです。
これについては、拙著『「友達力」で決まる!』の第3章「いじめられない子にするには?」で詳しく触れていますので参照していただければと思います。

ウ)の「内向的になってきて、友達と一緒にいるより一人でいるほうがよくなってきた」ということでしたら、特に困ったりあわてたりする必要はありません。

実際に、内向的な人は友達といるよりも一人でいるほうが安らげるのです。
外から帰ってきたら一人で気楽に過ごしたいという人は、いくらでもいます。
必要な時にも人間関係が作れないというなら困りますが、必要に応じてできるなら心配は要りません。

むしろ、そういう一人でいる時間の中で、個性や才能を磨くこともできるのです。
また、不必要に友達に迎合しなくてすむように「一人でいる力」を養うことにもつながります。

親の一般的傾向として、子どもが友達と遊んでいると安心で、一人でいると心配になるということはあります。
でも、一人でいるからといって、それが必ずしも困った状態だとは限りません。
それでいい場合もあるのです。

その辺の判断も、すべて子どもの実状、つまり「本当のところはどうなのか?」を知るところからです。
ぜひ、そこから始めてください。

私ができる範囲で、精いっぱい提案させていただきました。
少しでもご参考になれば幸いです。
ぶらんこさん親子に幸多かれとお祈り申し上げます。



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プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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