共働きなのに家事や子育ての負担はすべて私に……[教えて!親野先生]

今週の相談

 

共働きですが、家事全般や子どものお稽古の送り迎えなどの負担が全部私にきています。夫の協力はありません。
私に余裕がないせいか小言が多くなりがちです。小言が多いと子どもが萎縮しないかが心配です(頭ではわかっているのですが)。(ゆほままさん)

 

【親野先生のアドバイス】

ゆほままさん、拝読いたしました。

夫婦が共に働いているのに、家事全般と子どもの世話のすべてを母親だけがしなければならないというのは、どう考えてもおかしな話ですよね。
これでは時間の面でも労力の面でも、負担が大きすぎです。
そして、それ以上に「なんで私だけが?」という不満が大きなストレスとなります。
これが一番大きいのではないでしょうか?

そして、そのストレスが子どもにぶつけられるのが一番心配です。
小言が多くなっているのは、余裕がないせいもあるかもしれませんが、それ以上に心のなかの不満によるところが大きいのだと思います。

現代では、企業や家庭を含めた社会全体が、女性の労働力を必要とする時代になっています。
それなのに、企業や家庭を含めた社会全体の意識のほうは、いまだに「家事や子育ては主に女性がするもの」という価値観のままです。
この意識の変化の遅れが、子育て中の母親たちに重くのしかかっています。

このような時代背景があることを頭に入れたとしても、実際にはどうしたらいいのでしょうか?

まず、ご主人がなぜ協力しないのか考えてみることが必要だと思います。
ご相談の文面だけではわかりかねますが、その理由を考えることで解決方法が見えてくるかもしれません。

よくあるのが仕事が忙しいということです。または、奥さんの大変さがよくわかっていないのかもしれません。または、「家事や子育ては主に女性がするもの」という価値観をもっているのかもしれません。
そして、その原因は、自分の父親がそのように振る舞うのを見て育ったせいかもしれません。あるいは、深い考えはなくて、ただ面倒なので奥さんに甘えているのかもしれません。

もしかしたら、自分が成長する過程であまり親にかまってもらえなかったアダルトチルドレンなので、子どもとの関わり方がわからないのかもしれません。
そして、これらのいくつかが複合している可能性もあります。

これらは、いずれも一般的に考えられることです。
実際はどうなのか、ご主人をよく観察してみるといいと思います。
これらのいくつかに当てはまるかもしれませんし、もしかしたら思いがけない理由があるのかもしれません。

理由がわかったら、それに見合った合理的な解決策を考えることです。
頭を使って、知恵を働かせて考えるのです。
そして、考えることと同時に、調べることも大切です。
一番簡単なのは、ネットで検索することです。
「子育て 夫の協力」とか「家事 夫の協力」などと入れて検索すれば、いろいろな情報が出てきます。
これまで、たくさんの女性がそのことで悩んで工夫してきました。それが、ネット上にたくさん出ています。
キーワードをうまく入れて検索すれば、自分にも使える方法を見つけることができるはずです。

取りあえず、私の考えた方法を紹介しておきたいと思います。
まず、ご主人と一度じっくり話し合う時間をもつといいと思います。というのも、これは、家族にとって一番大事な問題だからです。
そして、ご自分が感じていることを真心込めて真剣に伝えてください。
その際大事なのは、相手を非難するニュアンスを極力入れないことです。誰でも、非難されていると思うと、素直に心を開けなくなるからです。
ですから、難しいかもしれませんが、これに心がけてください。

そして、できたら、具体的にこれから何と何をやってもらうと決めるといいと思います。

風呂掃除とかゴミ出しなどというように、夏休みの子どものお手伝いを決めるのと同じように決めるのです。
そして、やってくれたら大いに感謝するのです。
子どもを育てるように夫を育てるというわけです。といっても、こんなに簡単にうまくいけばそもそも相談はしないのかもしれませんが。


ご主人を啓発して、考え方を変えてもらうように努めるという方法もあります。

たとえば、セミナーに夫婦で行くとか、該当の本を読んでもらうなどです。
または、「子育て 夫の協力」とか「家事 夫の協力」などと入れて検索したものを読んでもらうのもいいでしょう。
ご主人の目が開かれれば、協力的になるかもしれません。

母と子でご主人を大いに持ち上げるという方法もあります。
たとえば、「いつもお仕事ありがとう」「遅くまでみんなのためにがんばってくれて、ありがとう」などと、言葉で伝えたり手紙で伝えたりするのです。
また、ちょっとでも望ましい表れがあったら、先ほどのように大いに感謝するのです。

「北風と太陽」の太陽のようにするのです。
子どもと奥さんにより一層の愛情を感じてくれれば、行動も変わるかもしれません。

でも、そのような努力をしても、なかなか相手を変えるのは難しいというのもまた事実です。
人を変えるというのは、本当に難しいことです。変えようとか変わるはずだと思って期待していると、それがかなわないときは余計にショックが大きくなります。
ですから、あまり期待し過ぎないでやってください。

そして、効果がない場合は、ご主人がそうであるのにはそれなりの事情があるはずだと考えて許してやってください。
成育過程に理由があるのかもしれませんし、本人にもどうしようもないものなのかもしれません。
必ず、何かしらの事情があるのです。頭には来るかもしれませんが、ある意味でご主人こそかわいそうだとも言えるのです。

それに、目をつぶって許してやらないと、余計に頭に来てしまうだけです。
「給料を入れるだけいいか」くらいに考えるほうがいいかもしれません。

ご主人が無理なら、他に使えるものを使うと考えるのも大事です。
このごろは、家事代行サービスを使う家庭が増えていると聞きます。洗濯と掃除だけやってもらうとか、食事の仕度もやってもらうとか、育児と介護だけとか、その家庭のニーズに応じていろいろなサービスがあるようです。

また、子どもについても、学童保育、民間のサービス、公的な子育て支援サービスなどいろいろあります。
自分の地域でどのようなサービスが使えるか、調べてみるといいと思います。質の良いサービスを効果的に使えば、子どものためにもなります。
一人で抱え込んでイライラしてしまうより、よほどましです。使えるものを効果的に使って、自分にも子どもにも良い生活にしていってください。

そして、常に自分のストレス解消に努めて精神衛生をよくするようにしてください。
これはとても大事です。
絶対に、子どもに自分のストレスをぶつけないようにしてください。
これだけは、絶対的な決意をしてください。
これだけは、常に自分に言い聞かせてください。

私ができる範囲で、精いっぱい提案させていただきました。少しでもご参考になれば幸いです。ゆほままさん親子に幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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