自分の子どもが大嫌い!私はどうしたら……?[教えて!親野先生]

今週の相談

 

6歳半の自分の子どもが大嫌いです。自分の性格や生活がおかげでめちゃめちゃです。この子のために貴重な時間を費やして物事に取り組んでも、はっきり言って無駄だと思えてきました。学校でも問題児の子ども。担任もかかわりたくないようです。ある人は、「頭が良すぎてつまらないから」とか「エネルギーがあり余っているから」とか言いますが、だからと言って今のあの子の態度でこのまま済まされる問題ではありません。いろいろ試しましたが、生まれもったもので、私たちの嫌いな性格のもち主に、夫婦ともどもお手上げです。こういう子をもつ親はどうすればいいのですか。(みにまさん)

 

【親野先生のアドバイス】

みにまさん、拝読いたしました。

自分の子どもが可愛く思えないとか、愛せないという悩みをもっている親たちは、けっこういるようです。インターネットで「我が子 愛せない」「子ども 嫌い」などと入れて検索してみれば、無数に出てきます。
実際、私が受け持った子の親のなかにもそういう人はいました。

私は、まず、ご相談者のみにまさんが自分たち夫婦がそういう状態だと気付いていることはよかったと思います。
というのも、自分が我が子を嫌いだということに気付かないまま子育てしているのはとても危ないからです。その場合、ネグレクトやしつけと称した虐待が起きる可能性が高いと思います。
それに、今回みにまさんはそのことで相談するという行動を起こしているわけですから、私は希望がもてると思うのです。

ご相談の文面から考えられる範囲で、いろいろなことを一つひとつ見ていきたいと思います。

「自分の子どもが大嫌いです。自分の性格や生活が彼らのおかげでめちゃめちゃです。この子のために貴重な時間を費やして物事に取り組んでも、はっきり言って無駄だと思えてきました。」
このような場合、親自身の成長過程に原因があることが考えられます。
親からの無視、精神的虐待、過保護、過干渉、暴力、言葉の暴力、夫婦間の不和などによって、精神的トラウマを負っている場合です。
つまり、自分自身が適切な愛情を十分にかけてもらえなかったことで、今どのようにして子どもを愛していいかわからないということなのです。
一般的にアダルトチルドレンといわれている症状です。
みにまさんが子どもだったころ、どのように育てられたのでしょうか?
ご夫婦共にアダルトチルドレンということも、あり得ない話ではありません。

そこで、私は、一度専門家に診てもらうことを強くおすすめします。
専門家に診てもらって、もしそうだとわかれば、専門的な指導を受けることができます。
このような問題は放っておかないで、専門家に診てもらうのが一番だと思います。

素人が素人判断でいつまでも迷っていても仕方がありません。
専門家は、同じような悩みをもっている人たちをたくさん診ています。
きっといい方法が見つかり道がひらけるはずです。
もし、専門家が近くにいるのでしたら、行かない手はありません。

「学校でも問題児の子ども。担任もかかわりたくないようです。ある人は、『頭が良すぎてつまらないから』とか『エネルギーがあり余っているから』とか言いますが、だからと言って今のあの子の態度でこのまま済まされる問題ではありません。」
また、この文面からは、お子さんが学校で落ち着かない様子が読み取れます。
それについては「生まれもったもの」との表現もあります。
ということは、お子さんがADHDなどの軽度発達障害をもっていることも十分考えられます。
私は、ここでも、お子さんを専門家に診てもらうことをおすすめします。
以前に比べて、この分野の研究も進んできましたし、受診する子も大勢います。
どこでも、予約がいっぱいで待たされるケースが多いのです。
ここでも、専門家は同様の子をたくさん診ていますので、きっといい方法が見つかり道がひらけるはずです。

ところで、もしかしたら、ご夫婦の成長過程に問題はなかったけれども、子どもたちを育てる過程で大変なことが多すぎたのが原因になっているということも考えられます。
子どもに難しい問題があって子育てがかなり大変な場合、このようになることも大いにあり得ます。
この場合は、お子さんの治療を進めつつも、ご夫婦も治療やカウンセリングを受けることが大切です。

これらのことと同時に、ご夫婦を支えてくれる人たちをたくさんもつようにするといいと思います。
おじいちゃんおばあちゃん、おじさんおばさん、行政や民間のサービス、いろいろ相談できる人たち、などなどです。

自分たち夫婦だけで子育てしようと思うと、親のほうも子どものほうもつらくなってしまいます。それに、逃げ場がなくなってしまいます。
ご相談の今の状況を見ると、親も子どももお互いに逃げ場が必要だと思います。
子どもが親に叱られたとき、おじいちゃんやおばあちゃんに抱きしめてもらうことも必要です。
また、きつく叱ってしまいそうだと思うときには、事前におじいちゃんおばあちゃんに預かってもらうということもあっていいのです。
場合によっては、一定期間預かってもらうこともあっていいのです。
そのほうが、親のためにも子どものためにもなる場合もあるのです。

児童相談所、教育相談所、保健所などで相談するというのもいい方法です。
そこにも専門家がいますので、適切なアドバイスや支援をしてもらえます。

子育ては全部自分たちでやらなくてもいいのです。
今の少子化の時代では、子どもは社会全体の宝物なのです。
自分たちを助けてくれるところをどんどん活用してください。

最後に、ご夫婦共に、そしてお子さんたちのほうも、かなりストレスがたまっているのではないかとお察しします。
ぜひ、ストレス解消に努めてください。
ストレスがたまっていると、つい言わないほうがいいことを言ってしまったり、やらないほうがいいことをやってしまったりするものです。
こういう場合は、とにかくもやもやをため込んでおかないことです。

以上のことを、ぜひやってみてください。
そうしていれば、だんだんよくなっていくと思います。
時間によって芽生えてくる愛情があるのです。
ぜひ、そうなってほしいと思います。
子どもたちも、口では言わなくてもつらいと思いますよ。

絶対いいほうに行きます。
なぜなら、みにまさんは、自分たちの状況を自覚して相談しているからです。
自覚していれば、それ以上まずくなることを防ぐことができます。
そして、相談しているということは、いいほうに行く意志があるということです。
それでなかったら、「どうすればいいのですか」などと問うはずがありません。
私は、その意志を信じます。
今までみにまさんご夫婦のなかに眠っていたものが、もう既に目覚めつつあるのです。
この質問がその証拠です。

私ができる範囲で、精いっぱい提案させていただきました。少しでもご参考になれば幸いです。みにまさん親子に幸多かれとお祈り申し上げます。


※ネグレクト…保護者などが子供に対して、必要な世話や配慮を怠ったり無視したりすること。児童に対する心理的虐待の一つ。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

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