早朝に学習。子どもに無理をさせているようで罪悪感があります[教えて!親野先生]

今週の相談

 

小学2年生の娘のことです。もう2年生になったのに、1年生の学習のなかで覚えていないことがまだたくさんあるようです。学校から帰って明日の準備と宿題をしてから午後6時近くまでお友達と遊ぶので、朝6時に起きて復習しようと子どもと決めました。でも、目が覚めないので、読み聞かせをして目を覚ましてから続けています。いろいろな表やシール、はんこ、ストップウオッチ、グラフなどでやる気が続くように工夫しているつもりです。でも息切れしたのか朝すごくぐずります。間違いを訂正するとすぐにやる気を失い、泣いて、下の子どもが目を覚まし、ゆっくり勉強できずこちらも大声を出してしまいました。成果が出ているのですが、とても子どもに無理をさせているようで罪悪感が残ります。(ちっぴさん)

 

【親野先生のアドバイス】

ちっぴさん、拝読いたしました。

表、シール、ストップウオッチ、グラフなど、親のできる工夫をいろいろしているのが、すばらしいと思います。私は、こうやって努力する親の気持ちは、それだけでも尊いものだと思います。

でも、お子さまは「息切れ」しているようだとのことです。「子どもに無理をさせているようで」と、ちっぴさんも書いています。

ちっぴさんは、今の状態をある程度客観的に見ています。客観的に見ることは、とても大切なことです。これができないと、親子で無用に苦しむことにもなりかねません。いつでも、客観的に自分たちを見ることが必要です。

ところで、ご相談を読むと、どうやら、ちょいと欲張り過ぎたのかもしれませんね。なんといっても、まだ相手は2年生ですから。つまり、生まれてまだわずか8年です。

「もう2年生になったのに、1年生の学習のなかで覚えていないことがまだたくさんがあるようです」
ここを読むと、少し完璧を目指し過ぎているのかもしれないと感じます。もちろん、1年生で習ったことを身に付けておくことは、これからの勉強のために必要です。でも、実際には全部を全部完璧に身に付けさせるのはなかなか容易なことではありません。

というのも、子どもの実状というものがありますから。理想と現実の両方を見ていることは、どんな場合でも大切なことです。教育においてもそのとおりです。

特に、教育の場合は、自分ががんばるだけではどうしようもないという点が難しいのです。これこそが、他のものと違う教育の難しさです。自分の仕事でしたら、自分ががんばればいいのです。がんばれば、がんばったなりのものが出てきます。自分が努力して、自分が結果を出すのです。

ところが、教育はそうはいきません。自分が努力しても、結果を出すのは子どもです。大人がいくらがんばっても、子どもがいい結果を出してくれるとは限りません。

では、大人の努力が子どもの結果に結びつくようにするには、どうしたらいいのでしょうか? 私は、そこで求められるのは、子どもをよく見るということだと思います。つまり、できるだけ深く、子どもの現実、子どもの気持ち、子どもの能力などを見抜くことです。私は、ちっぴさんはある程度見ていると思いますが、もっともっと見るといいと思います。

自分の仕事を自分でがんばるときには、がんばらせる相手は自分です。ですから、自分の現実、自分の気持ち、自分の能力をかなりわかって自分に働きかけていると思います。でも、教育の場合、がんばらせる相手は自分でなくて子どもです。そこで、どうしても、子どもの現実、子どもの気持ち、子どもの能力などをつかみきれないまま子どもに働きかけることになるのです。

そこで、行き違いが生じたり、無理が出てきたりするのです。

ですから、私は、いま一度、子どもを深く理解するように努めることをおすすめします。そのうえで、その子に合わせた内容や方法を工夫するといいと思います。よかれと思ってやっていたことが逆効果でしかなかった、ということもあるかもしれません。

たとえば、一般的には早起きは三文の徳と言われていますが、人によっては合わないということもあります。

子どもをよく見てやって、無理のないように進めてやってください。あまり無理していると、勉強そのものが嫌いになるということも大いにありえます。無理は禁物です。

なお、最後に一つ、間違え直しについて書きます。

子どものなかには、消して直させると嫌がるけど、新しい紙にもう一度やらせると喜ぶという子もいます。試してみてください。

私ができる範囲で、せいいっぱい提案させていただきました。少しでもご参考になれば幸いです。ちっぴさん親子に幸多かれとお祈り申し上げます。

プロフィール

親野智可等

親野智可等

教育評論家。23年間の教員生活のなかで、親が子どもに与える影響力の大きさを痛感。その経験をメールマガジンなど、メディアで発表。全国の小学校や、幼稚園・保育園などからの講演に引っ張りだこの日々。

おすすめトピックス

子育て・教育Q&A