家庭・学校・地域と連携した教育活動・東京都足立区立弘道小学校 子育て支援委員会

「子育ては、家庭・学校・地域の連携でやるものだ」・・・よく聞かれる言葉ですが、核家族化が進み、地域での取り組みが活動的でなくなりつつある昨今、家庭・学校・地域が連携をとるのは容易なことではありません。それを実現している小学校があります。その取り組みを見ていきましょう。



足立区は東京都北東部にある、昔ながらの風情が残る下町。生徒数360人の弘道小学校は、茨城県水戸市内の弘道館の精神を受け継ぎ、明治11年開講依頼 128年の歴史があります。このため、父母・祖父母の代から同校に通う家庭も多く、地域の人々との交流も盛ん。平成15年度から文部科学省学力向上フロンティアスクールの指定を受けた弘道小学校では、子どもたちの学力向上のために、家庭と徹底的にコミュニケーションを図りながら様々な取り組みをしています。ここではその一部をご紹介しましょう。

学級の壁を取りはらい、多くの先生が子どもを見る

弘道小では、学習面では、平成14年から実施した2学期制の取り組みに加え、平成15年から4年生以上に教科担任制を取り入れ、学力向上に取り組んでいます。例えば、4年生以上の算数においては、学級担任がすべての教科を担当するのではなく、中学のように、教科担任が学年・クラスをまたいで、子どもたちの授業を見ています。

「教科担任制にしたことで、学級の壁がなくなり、4年生以上の先生ならどのクラスの子どもも知っているので、子どもに対する理解が極めて深くなります。いわば、教科担任全員がクラス担任になったようなものです。だから何かあったときにも対処しやすいですね。中学校の教科担任の機能を生かすと同時に小学校の学級担任制の良さも残しながら、うまく融合させたわけです」と川上彰久校長先生は語ります。

これは子どもにもメリットがあるといいます。担任以外の先生にも気軽に話しかけることができ、また多くの先生から授業を教えてもらえるので、「授業が楽しくなった」という子どもたちが増えてきました。

学校と家庭をつなぐ

学校が積極的に教室を開放したり、保護者との連携をとることに、地域も非常に協力的だといいます。128年の歴史をもつ学校だけに、祖父母世代も教室に通い、「自分たちの通った学校を良くしたい」という気持ちが強いのだそうです。

そこで、この地域からの期待感を学校の活動とつなげるために、平成14年度から「子育て支援委員会」なる組織を発足しました。これは家庭と地域、学校の三者で健全な子どもを育てるという発想で組織化された活動。

例えば、学習支援ボランティアには、総合的な学習の時間や家庭科・英会話などの授業支援をしたり、子どもへの読み聞かせや図書のアドバイスを行う図書ボランティアなどの活動があります。また、問題を抱える子どもの相談など、あらゆる場面で地域の人たちがボランティアで活動しているといいます。

「この子育て支援委員会は、子どもが教育を受けられる条件や環境整備をしていく上で、非常に大きな役割を果たしています。地域の教育力を総合的にどう高めるか、家庭と地域と学校が一体となったなかで子どもをどう育てていくかがとても大切なことなのです」(川上校長先生)

弘道小学校の玄関や校庭のまわりには、草花がきれいに植えられています。これも地域の人々の手によるものだといいます。このような、地域・家庭・学校の連携がとれている恵まれた環境の中で育った子どもたちは、元気なあいさつのできる、のびのびとした子どもたちでした。

参考記事

この東京都足立区立弘道小学校についてVIEW21[特別号]でくわしく紹介していますのでご覧ください。

事例:『家庭との連携による学力向上の取り組み(1)』  地域、家庭、学校ぐるみで学力向上に取り組む

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