夏休みの過ごし方についてのアンケート集計結果より

今回は2005年7月13日〜2005年7月20日にアンケートを実施し、904名の方から有効回答をいただきました。(速報版)
回答者の9割は小学生の母親からのご回答でした。ありがとうございます。
今回のテーマは前回に引き続き、「夏休みの過ごし方」について。お子さまにとって安全で、より充実した学習・体験ができるようにするためにはどのような親子の関わり方が重要かについて、考えてみたいと思います。

■保護者が夏休みに一番不安なことは生活習慣の乱れ
■保護者が子どもの頃の夏休みはどうだったのか
■子どもの夏休みへの期待


■保護者が夏休みに一番不安なことは生活習慣の乱れ

「夏休みにご家庭で一番気をつけたいことは何ですか?」という質問に対する答えとしてもっとも多かったのは、「朝起きる時間、寝る時間などの基本的な生活リズムを守らせる」こと。これは、前回の速報版でもお伝えしたとおりですが(図1)、「夏休みに一番不安に思っていることは何ですか」という自由記述での回答の中にも、生活リズムに関する不安の声が多く聞かれました。

(図1)「夏休みにご家庭で一番気をつけたいことは何ですか?」(数値は%)


  • 例年、生活のリズムが崩れています。ラジオ体操へ出席をしなくてもよくなった今年の夏休みは、朝起きることができるのか心配です。


  • ゲームに夢中になり、生活のリズムが乱れること。昨年、夏休みの最後のころに乱れ、2学期の学校の勉強に支障をきたした。


  • 毎年、一応計画を立てているが、守っているのは始めの1週間だけ。家のことを手伝うとか、早寝早起きをするとか、今年も自分で書いているようなので、1つでもいいから、夏休みを通してがんばれたと思えるように、ズルズルダラダラ過ごすことのないようにしてほしい。

このような声のほか、両親がともに働いているため、日中の子どもの様子を管理できない、子どもの食事を作るのが大変といった声も聞かれました。では、保護者自身も仕事や家事で忙しい中で、お子さまの生活リズムをくずさないために、どのような関わりをすればよいのでしょうか。

ベネッセ教育研究開発センターの深海龍夫顧問は、家庭で1週間のスケジュールを作成することの大切さを指摘しています。「何時から何時まで何をするかというだいたいの計画を親が指導しながら子どもと一緒につくること、特に小学校低学年までは親が中心に考え、高学年では子どもの意見を取り入れながら計画を作ることが大切」と深海先生は言われます。

また、作った計画は、毎朝短時間でもいいので確認し、親子の接点を持ってほしいものです。一日の終わりには、子どもから一日にしたことの報告を聞く。できたことは認めて評価してあげると、次の行動につながります。もし計画が崩れてしまったら、次の一週間の計画を作るときに崩れた点を見直す、ということを繰り返すことで、リズムができてくるといいます。



■保護者が子どもの頃の夏休みはどうだったのか

ここに、Benesse教育研究開発センターが今から23年前、1982年に小学校4年生〜6年生を対象に行った夏休みについてのアンケートがあります。この調査の対象は、大人になった今、31歳〜33歳です。今の平均的な小学生の保護者の方よりいくらか年齢が若くなりますが、親世代として比較してみたいと思います。(図2)




この調査では、前年の夏休みにやったこととして、「早寝・早起き」「ラジオ体操」「お手伝い」「テレビを見すぎない」などの項目について聞いていますが、昔の子どもたちもテレビをたくさん見て、勉強をあまりしない、といった結果が浮き彫りになっています。この結果をみると、今も昔もきっと保護者の夏休みにまつわる悩みは似たようなものだったのかもしれません。

では、保護者の方は自身の子ども時代、実際にどんな体験をしていたのでしょうか。教育発見隊アンケートの中で自由記述でご回答いただいたものからいくつかピックアップしてみました。


  • 朝5時半頃にお豆腐屋さんに作りたての豆腐を買いに行き、その後ラジオ体操に出て、朝食前に玄関を掃き、10時頃まで勉強。午後はほとんど毎日プールへ行き図書館で借りた本を1日1冊ペースで読む・・・というような今から思えば信じられないくらい規則正しいよい子でした。でも、遊んで遊んで遊びまくって真っ黒だった!楽しかった〜!


  • 冷蔵庫の前で勉強をした。


  • 朝から晩まで、一日中汗にまみれてよく遊んでいたことを思い出します。しかし、農家だったため一年中で一番忙しい時期でもありました。兄弟三人それぞれお手伝いの役割分担を決め、お手伝いにも励んだことを思い出します。


  • あまり勉強もせず、毎日海へ行ったり、木に登ったり、虫をつかまえて遊んでいました。勉強はもう少しきちんとするべきだったと思いますが、外遊びの体験はとてもよいものであったと思います。現在の環境は不審者の問題や、身近な自然に触れることが難しく、子どもたちはかわいそうだなと思ってしまいます。


  • 暑い中、宿題に追われた。


このようなコメントからは宿題や勉強がありながらも、今はなかなかしなくなってしまった思い切り自然に触れることや、読書といったことを体験していらっしゃる様子が伝わってきます。「冷蔵庫の前で勉強をした」というのは、まさに時代背景を表しているような気がします。昔の夏休みはよかった・・・などと思うのは、わたしだけでしょうか・・・・。みなさんはどのように思われますか?



■子どもの夏休みへの期待

さて、保護者の方はどんな夏休みをお子さまに過ごしてほしいと思っているのでしょうか。最後に自由記述で書いていただいたものを見てみましょう。

(1)読書体験への期待

  • 友人同士、家族も、殆どが単語で会話が成り立ってしまうコミュニケーションのとり方に危機感を感じています。きちんとした文章を読み、自分の考えや意見を適切な言葉で表現出来る様、訓練の意味も込めて、また、想像力を養い情緒豊かな感性を育む為にも、是非、沢山の本を読んで欲しいと願っています。
  • ふだんゆっくり読書をする時間がなかなかないと思うので、できるだけたくさんの本を読んでほしいと思う

(2)自然体験への期待

  • 普段は何でもある環境の中で育っているので、長期の休みを利用して、自然の中で生きる体験をさせてあげたい。
  • キャンプで集団生活することの大切さや、自然の恵みについてさまざまなことを感じ取ってほしい

(3)価値形成への期待

  • 暮らしに必要な仕事は、家族全員がその力量に合わせて、それぞれ担うべきと考えています。長期休暇は時間に余裕があるので、子どもの力量をレベルアップする良い機会と考えています。親がやった方が、はるかに効率がよくても、先々を考え自立させたいので、こらえて子どもにやらせてみるようにしています。
  • 一生懸命何かに向かって努力していくことの楽しさ、大切さを感じ取ってほしい

なかには、親子ともに夏休みを機に、成長への指標を持っているご意見もありました。


  • [1] 長期の休みでしかできない事なので、長期キャンプです。しかも「異年齢と異文化の集まり」に毎年参加しているので成長が目に見えてかなり満足します(これは、親子共に成長します)
    [2]失敗を恐れず、何事にも諦めない子どもに成長して欲しい。

こうした回答には保護者のお子さまに対する思い、お子さまにどんなふうに育ってほしいかという願いがアンケートから溢れているような気がします。夏休みは、日ごろ学校ではできない体験ができる時間。たくさんの自由に囲まれた時間。お子さまの成長にとっても、本当に貴重な時間です。

まだ始まったばかりの今年の夏休み。ご家庭での忙しい中にも、親子で、一生に一度の思い出をどうか作ってください。

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