子どもの安全について 子どもの安全は誰が守るの?!

先週公開した 第1回 速報版 子どもの安全について「防犯ブザーをもたせている・・・59.5%」 では主な質問の回答数値をまとめました。今回は「詳報版」をお送りします。速報版と合わせてご覧ください。

子どもの安全について 子どもの安全は誰が守るの?!


■子どもを守るのはICタグ??
■池田小事件後の行政と地域の動き
■家庭では防犯ブザーが一般的
■家庭の力だけではなく地域力こそ安全の保障


■子どもを守るのはICタグ??

1999年に1042件だった学校不法侵入や登下校時の事件件数は、2002年には2168件と、3年間で約2倍に急増しています。一方で、2004年度警察白書の「地域社会との連携」では、警察官の95%が「安全は警察だけでは確保できない」と感じています。まさに、地域や学校を取り巻くお父さん、お母さん方、家庭の協力なくして、児童の安全を守ることのできない世の中になりつつあります。

2005年4月2日の産経新聞によると、「小学校への侵入や登下校を狙った犯罪が多発するなか、商品の流通履歴追跡などに利用されるIC(集積回路)タグを活用した新たな防犯対策システム「見守りタグ」の実証実験が横浜市青葉区内の小学校で4月5日から始まる」と、IT(情報技術)を活用した活用例が紹介されています。

これは、通学区内に受信アンテナを設置、ICタグをつけた子どもたちが通過すると、父母らの携帯電話やパソコンにメールで連絡して瞬時に居場所が把握できるというものです。

具体的には、どのような仕組みなのでしょうか。
このタグには通報ボタンが内蔵されているのですが、児童が通学路などで事件や災害に巻き込まれた場合、子どもが「通報ボタン」を押せば、父母や警備会社のみならず近くに住む協力者にも異常が知らされ、被害児童の名前や連絡先、発生時刻、場所などの情報が即時にパソコンや携帯電話などにメールで届く仕組み、そして、地域住民がいち早く現場に駆けつけて児童を確認し、警備員や警察の到着を待つという、地域の人的連携なくしては成り立たないシステムになっています。

記事によると、実証実験の舞台となるのは横浜市立みたけ台小学校(同市青葉区:児童約300名)ですが、ソフトウエア開発の企業が主体となり、青葉区の地域住民など官民一体でつくる「安心安全情報に関する協議会」が協力していくようです。文部科学省でも、「児童をめぐる事件が多発するなか、地域の実態に応じた取り組みは重要」という認識です。

2005年7月までの約三カ月が実証実験期間であり、その後課題を検討し商品化を目指していくとのことですが、それだけ時代は安全対策の実効性ある取り組みを急がせているのです。



■池田小事件後の行政と地域の動き

2001年6月に起こった大阪教育大学教育学部附属池田小学校の事件。
誰もが、まだ記憶に新しいところです。
じつは文部科学省は、この池田小学校の事件を踏まえ、すでに通知して示した 「幼児児童生徒の安全確保及び学校の安全管理についての点検項目(例)」について、都道府県教育委員会等からの意見を参考に、より使いやすいものとするため、見直しを行っています。

主な見直しの内容は、主に次のようなものがあります。
『教職員の具体的な役割分担等を定めた危機管理マニュアルの作成』や、『立て札や看板等による案内・指示、入口や受付の明示』を点検項目に加えています。
また、授業中、昼休み等における安全確保体制の項目には、『授業中、昼休みや休憩時間等における校内巡回等の実施』が追加されています。すでに『教職員による安全確保の訓練、幼児児童生徒の避難訓練の実施』は当たり前になってきています。

池田小の事件後、全国の学校は教育委員会やPTA本部役員と連絡を取る一方、職員間で今までの危機管理や今後のことを踏まえ、対応策に討議を重ねてきました。
静岡県伊東市立旭小学校のホームページを見ると、01年度の時点で、学校の安全確保を見直し、推進し、改める観点から、子どもの安全確保について以下のような文書(一部抜粋)を掲示されています。




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もちろん、もしもの時立ち向かう用具の準備(警察の指導)や、担任の教師は危険を報せる「護身用アラーム」を携帯することは、いまも全国の小学校で配慮されていることです。


学校のなかでの児童の安全管理により一層配慮することになりました。
例えば、

  • 「集団登校を行い登校集団の列から逸脱する行為をしないよう指導を強化」
  • 「登校後忘れ物があっても取りに帰ることはさせない」
  • 「校外学習など無線機器で連絡とれる範囲の場合は、常に携帯無線機を携帯し、必要に応じて連絡する」

など、学校側もリスクに関して細心の配慮をしていることも事実です。

今回の「教育発見隊」のアンケートでは、『子どもの安全を守るため、学校に何を求めますか』との問いに、

  • 「校内訪問者の把握」
  • 「不審者情報の提供」
  • 「危険物持ち込みのチェック」
  • 「校門を二重にして、内門を閉じる」
  • 「内門からは外部業者以外の入校は許可制にして、車の乗り入れを禁じてほしい」

等を、学校に期待する事として挙げています。

さらに、開かれた学校作りとリスクは表裏の関係にあり、その難しさを次の回答から感じることができます。

  • 「門は常に閉めていますが、誰でも簡単に出入りできる環境は今も変わりません。門にカメラをつけたり、職員が確認をとらないとたとえ保護者であっても簡単に出入りできないようにしてほしいです」

一方、こんな配慮も、いまでは当たり前の学校も増えてきました。
「放課後児童が残留する場合は、残ることについて事前に保護者の了解を得なくてはならない。そして必ず担任が指導に当たり、担任が出張などで不在となる場合は、児童を残留させることはしない。担任の代理はこれを認めない」などと、校内で監視の網の目からこぼれることを、未然に防ごうとしています。

今回の「教育発見隊」のアンケートでは、

  • 「集団下校の徹底」
  • 「一人で下校させない、16:00以降は学校に残さない」
  • 「見回りなどの警備員などの導入」
  • 「GPS携帯などの配布」

を学校に求める声もありました。

確かに、池田小学校の殺傷事件は大変傷ましい事件でした。
その教訓をもとに、学校での安全のありかたが厳しく問われ、子どもの安全をいかに守るのかが議論されました。
全国の小学校にとっては深刻な課題を突き付けられた思いだったのです。
子どもたちには、「不審者と思われた場合は、教務室に連絡しなさい、危険を感じたら、大きな声で助けを求めなさい」と教えたり、ホイッスルを持たせホイッスルの吹き方の指導をするなどの善後策を打ち出し、防犯教育を実施しています。
もはや、学校や家庭を取り巻く環境は決して保障された安全ではなく、十分な配慮や準備、そして学校と家庭との連携などの工夫によってこそ安全が確保されることに気がついてきています。



■家庭では防犯ブザーが一般的

今回の「教育発見隊」の集計結果では、「子どもの安全を守るためにやっていることをすべて選んでください」との問いに、「防犯ブザー」を持たせること(59.5%)と回答した方が予想以上に多く、もはやこうした防犯機器を持つことは、一般的になりつつあるようです。
アンケートの回答でも「下校は一人で帰ることが多いので、人通りの多いところを帰るようにとか、帰宅後や休日に友だちと出かけるときには、なるべく携帯電話(防犯ブザー、GPS付)はもって出かけるように」などをしているご家庭も増えてきているようです。


さまざまな子ども向け防犯ブザーが店頭に並んでいる。

『子どもの安全のために、日ごろ言い聞かせていることや注意していることはありますか』との問いに、当然多かったのは
「子どもに防犯意識をしっかりと言い聞かせ、植え付けること」が大切と考えているご家庭が多いようです。

  • 「一人にならない」
  • 「知らない人についていかない」
  • 「知っている人でも両親の許可がなくてはついていかない」
  • 「路上に止まっている車のそばには近づかない」
  • 「名前など個人情報は絶対知らない人には教えない」

などを普段から徹底しているご家庭も多く、より具体的な場面を想定して子どもに意識付けの工夫をしているようです。



■家庭の力だけではなく地域力こそ安全の保障

今回の「教育発見隊」では、『学校に何を求めますか』との質問に、ある方から以下のような回答を寄せて頂きました。

「以前から日本の学校は地域やみなに開かれた学校(ハード、ソフト両面)づくりをしてきた。
そんな学校が近年内外の犯罪増加に対応できていない。それはある意味当たり前のことでしょう。
だってこんな世の中をもともと想定して学校はつくられていないのですから・・・。
私立はともかく公立校、特に財政の厳しい地方の学校はこんな世の中に(ハード、ソフト両面)即座に対応できるはずがありません。(門一つ作るのだって大変なんです。)

今、学校にないものねだりをするのではなく現状、私たち保護者と先生は、家庭と学校は一体なにがどこまで出来るのか確認しあい協力関係を強固にすることが大切なのではないでしょうか。
とかく今の保護者は何でも学校だけに任せすぎ投げすぎです。
ある意味それは責任の放棄でもあると私は思います。

学校安全を学校のことだからと一方だけにゆだねるのではなく自分たちも主体的に携わるしくみの模索等もしてみる必要性が出てきているのではないでしょうか。
私は地方の小学校のPTA会長をしていますが常々そう感じながら活動をしています。
ですから学校だけに何かを求めるのではなく私たち保護者もアクティブに考え行動しなければならないと思います。それがひいては子どものためになるのだと思います。」

みなさんは、どう考えられますか。
例えばいじめ問題であっても、「子どもたちの世界を学校がすべてを把握できると思うのはおこがましいことだ」という意見もあります。長崎県のある小学校のM校長は「現場には『分かる範囲でつかめ』と指示しています。家庭、地域、学校がそれぞれ主役であり、補完し合うことが大切」と話されます。

もちろん、学校側の安全面への配慮不足、教員の準備不足、それ以前の保護者への説明不足など、これは教育現場として言語道断です。防犯教育の徹底、ハード面での配慮、教員意識の徹底も必要でしょう。
それでも、学校単体では子どものすべての安全は保障できないはずです。

ある東北の小学校の先生は、「子ども同士との触れ合いや、子ども同士が関心を持つこと」も、実は安全の抑止力になるといいます。ひとりで遊ばない、登下校でもしっかりと年長の児童が注意を促すことなど、日常に子どもの世界でも危険を察知したり、回避できる訓練はできるというのです。
保護者や、学校からの安全に対する言い聞かせだけではなく、子どもの世界のなかでも、相互に抑止しあう文化が大切になってくるのだと思います。

大切なのは、やはり子どもの周りに地域社会が存在し、大人たちが子どもに目配せできる存在になること。
また個々の子どもに関心を寄せる社会になることが重要であり、地方であっても大都市部であっても、学校もその地域にしっかりと根を張っていることではないかと思いますが、みなさんはどうお感じになりましたか。
ぜひ、ご意見をお寄せください。

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