高校導入期指導の充実・長崎県立佐世保南高校
「導入期の指導の在り方」は、例えば中学・高校・大学へと学校段階が変わる際に、各教育現場では切実な問題になっているようです。「基本的な学習習慣が身に付いていない」「以前の中・高校生と比べ基礎知識が身に付いていない」「進学したという意識が低く、目的意識が希薄化」などと進学する先では接続段階で多くの教師が学習意識、生活ギャップを導入期に感じているようです。
長崎県立佐世保南高校では、地域の進学校として従来から早朝7時25分からの補習を1年生から取り組ませるなど、しっかりとした学習指導を実施する高校です。しかし、その佐世保南高校でも、基本的な学習習慣が身に付いていない生徒が多く入学していました。そこで、1年のできる限り早期に「学び」を習慣化させるために、同校では、入学式の翌日から2泊3日の「宿泊研修」を実施しています。
現在この「宿泊研修」のプログラムでは、昼は集団行動を通して高校生としての自覚や生活習慣の確立を学び、夜は2時間半の自学自習の時間を設けるなど、メリハリある運営を実施しています。加えて、宿泊研修の翌週からは「学習オリエンテーション」を使い、高校での授業の受け方、学習の仕方を徹底して身に付けさせているようです。また、高校1年生に求める家庭学習時間を「3時間」として、この学習時間を目処に生徒への課題提示の工夫もなされています。そして先生との約束、たとえば課題提出日にノートを忘れたり、課題が完了していない生徒は居残り学習をさせ必ず仕上げさせるといった、厳しいけれど約束厳守の指導を実践しているようです。
こうした結果、1年生の課題提出率は100%に近いといいます。
ベネッセ教育開発センターが実施した『第1回子ども生活実態基本調査』(2004年)によると、高校1年生の家庭学習時間の平均は1時間3分、2時間以上家庭学習をする割合は全体の26%に過ぎません。
佐世保南高校の生徒たちは、このような家庭学習時間の確保や、朝補習の充実、先生方のチームワークによって、生徒たちの成績は飛躍的に伸びたと聞きます。
確かに前述のことは高校生活のなかでは当たり前の実践であり、目新しい取組みではないかもしれません。しかし少々緩みの目立ついまの社会風潮にあって、厳しく強制的な面はあるけれど、導入期に高校生としての学習習慣を最初にしっかり身に付ける「基礎フォーム作り」は大切にしなければならない点です。
それは、同校のように中学段階で生まれる学習への意識ギャップや、学習や生活スタイルの格差をしっかり認識し、生徒たちの分析を行うことでより充実した導入期指導となっていくのだと思われます。
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