子どもが嫌がるマスク、どのくらい効果ある? ウイルスを使った実験結果は

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新型コロナウイルスの感染予防のため、マスクを着けて生活する日常も、長くなってきました。いつまで続くのか……とストレスがたまるばかりですが、子どもも例外ではありません。マスクはウイルスを、どのぐらい防いでくれるのでしょうか。

この記事のポイント

子どものストレスにも

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、(1)身体的距離の確保 (2)マスクの着用 (3)手洗いの3つを感染防止の基本とした「新しい生活様式」が長期化しています。
国立成育医療研究センターが、2020年6~7月に、子どもや保護者を対象に実施したアンケート調査によると、イライラしたり集中できなかったりするといった、何らかのストレス反応が、子ども全体の72%に見られました。
保護者の具体的な声として、▽マスクを着けることで子どもの肌が荒れる▽マスクを着けないと、嫌がらせをされて必要な時に外せない……など、マスクにまつわる心配事も挙がっています。

マネキン使い効果を検証したら……

東京大学医科学研究所の河岡義裕教授らの研究グループはこのほど、マスクの防御効果を調べた結果を発表しました。実験では、2体のマネキンを用意。一方のマネキンの口からは、人のせきと同じ速さで、コロナウイルスを含んだ飛沫(ひまつ)を出します。もう一方のマネキンの口には、呼吸をするように空気を吸い込む装置を作りました。
ウイルスを吸い込む側のマネキンにマスクを着けて、ウイルスの吸い込み量を調べたところ、綿のマスクは、マスクなしの場合と比べて、吸い込む量が20~40%減少しました。N95という防護マスクを密着して使った場合は、約80~90%抑えられたといいます。

他の対策と併せて効果を発揮

反対に、ウイルスを吐き出す側のマネキンにマスクを着けて、ウイルスを噴出させました。すると、綿マスクや医療用のサージカルマスクを着けた時は、50%以上をブロックしました。さらに、2体のマネキン両方にマスクを着けると、相乗的にウイルスの吸い込む量が減ることがわかったのです。
ただし研究グループは、マスクのみでウイルスの吸い込みを完全には防ぐことはできないとしています。
マスクが感染拡大防止に役立つことを理解すると同時に、他の対策も併せて行うことが重要です。

まとめ & 実践 TIPS

国立成育医療研究センターの調査では、「マスクをつけていてもコロナにかかることはある」と知らない子どもは25%、「熱も咳もなく元気でもコロナにかかっていることがある」と知らない子どもは23%いました。
マスク着用が日常化すると、何のために着けているのか、目的を忘れがちになります。着用の効果も含めて、わかりやすくコロナに関する知識を振り返り、大人も子どもも、感染予防に向け、気持ちを引き締め直すことが求められます。

(筆者:長尾康子)

※国立成育医療研究センター コロナ×こどもアンケート
https://www.ncchd.go.jp/news/2020/20200410.html

※東京大学医科学研究所 新型コロナウイルスの空気伝播に対するマスクの防御効果
https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00042.html

プロフィール


長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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