広がる学校選択 グローバルな小学校受験に関するポイントとは

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インターネットを使って、どこにいても世界中の人々とコンタクトが取れるようになった時代。もはや国の違いや国境の壁は、かなり薄くなったといえるのではないでしょうか。ソニー生命がおこなった調査によれば、多少費用がかさんでも海外留学や海外研修を経験させたいという保護者が54.3%にものぼり、多くの保護者がお子さんの将来の可能性を広げておきたいと考えていることがうかがえます。

そんななか、以前から注目されているのがインターナショナルスクールの存在です。小学校受験の際にこちらを選ばれる保護者のかたもおられますが、各種学校扱いになるスクールの場合は困った問題も起こりがち。そのスクールが「一条校」かどうかも含め、しっかり検討しましょう。

この記事のポイント

インターナショナルスクールとは?

インターナショナルスクール(以下、インター)とは、基本的には海外から日本へ来た家族・お子さまのための、海外の言語・カリキュラムで学習をおこなう学校です。そのため日本人の児童は非常に少なく、通っているのは帰国子女と呼ばれるお子さまがほとんど。

さまざまな国の子どもたちが入り混じって学習するため、多様性や英語力がかなり身に付くのが大きなメリットですが、そもそも入学時点で高い英語力を求められるうえ、国からの補助がないために学費が高額になるというデメリットもあります。

・各種学校扱いとなり、就学義務を履行したことにならないスクールも

インターは海外のカリキュラムに沿って学習をおこなうため、日本の学校教育法・学習指導要領による法律で規定された就学義務を履行したことにはなりません。しかしなかには、非常に高い英語学習環境や、国際的なプログラムを持ち合わせつつ就学義務を履行することができる「一条校」というものもあります。

小学校受験をしてインターに入った際、途中から一条校への編入や受験をおこなうことは現在認められていません。そのため、インターは「家族での海外移住や出張を見据えている」「お子さまが将来、海外で働くことを目標にしている」などであればおすすめかもしれません。

一条校とは?

学校教育法第1条に規定する学校(以下、一条校)とは、幼稚園や小学校・中学校や高校などの≪一般的に通う学校≫のことを指し、学区内にある公立の小学校などもそれに当たります。

しかしインターと比較するために一条校と呼ばれる学校は、「国際バカロレア(IB)」と言われる国際的な教育プログラムを導入してグローバルな人材育成をおこなっているため、他の学校と区別するために「一条校」と呼ばれます。ちなみにインターへ通う場合も、IB認定のスクールであれば就学義務の履行はできませんが、IBプログラムに沿って学ぶことができます。

・一条校のメリットは?

日本の学習指導要領に沿った学習と世界基準のプログラムを同時に学べる一条校は、国からの補助があるため、一般的な学校とほとんど変わらない価格で通うことができます。ただ、現在日本の小学校年代にあたるPYPプログラム(3~12歳)での認定一条校は非常に少なく、令和2年6月30日時点で全国に11校しかありません。そして非常にレベルが高い学校ばかりであるため、受験は大きな試練となるかもしれません。

また、海外の大学入学資格ではIBの高校年代にあたるディプロマプログラム(DP・16~19歳)取得が必須となっている場合が多いのですが、PYPやほかのプログラムを修了してもDPは取得できないため、DP取得を目指すならその認定校へも通う必要があります。

国際バカロレアのメリット&身に付けたい力とは

インターも一条校も、国際的なプログラムを通してグローバルな視点・考え方などを身に付けられるという点では、非常にメリットが大きいといえるでしょう。ただしDPを取得できても海外の大学に合格できるかは分からないし、海外の大学を出ても就労ビザなどの関係もあり、海外でそのまま働けるとは限りません。

どの学校へ通わせる場合でも子どもたちに身に付けさせてあげたいのは、グローバルな考え方はもちろんですが「困難にぶつかっても自分で考え、乗り越えていく力」であるといえます。それはインターや一条校による教育のみならず、家庭での保護者の姿勢もとても重要になってくるといえるでしょう。

まとめ & 実践 TIPS

小学校・中学校時代はとくに、その学校の方針やクラスにいる先生や子どもたちの影響を大きく受けがちです。一般的な公立・私立・国立か、インターか一条校かはお子さまの将来を考えるうえでとても悩ましい問題になると思いますが、金銭面や環境、お子さまの個性を考えつつ、家族全員が納得できる選択ができるとよいですね。


出典:ソニー生命保険株式会社「子どもの教育資金に関する調査2020」
(【大学等のための教育資金準備・学生生活にかかる費用に関する意識】子どもの海外留学や海外研修は「多少費用がかさんでも経験させたい」と考える親が多数派)より
URL https://www.sonylife.co.jp/company/news/2019/nr_200327.html#sec13

出典:文部科学省「11.学齢児童生徒をいわゆるインターナショナルスクールに通わせた場合の就学義務について」
URL https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/shugaku/detail/1422252.htm

出典:文部科学省「IB教育推進コンソーシアム」(IBとは、認定校・候補校、IBを活用した入試制度)より
URL https://ibconsortium.mext.go.jp/about-ib/

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