いつから始める?どうやって教える?発達にあったひらがなの教え方【PR】

子どもと言葉でコミュニケーションができるようになってくると「そろそろひらがなも教えたいな」「みんないつ頃読めるようになっているの?」とひらがなの学習に関心を深めるかたが多くなります。実際のところ、何歳ごろからひらがな学習を始めているのか、アンケートを実施しました。

伸び幅が大きいのは3歳前後 一気にひらがなへの関心が高まる

編集部が実施したアンケートでは、お子さまにひらがなを教えたことが「ある」と回答されたかたの割合の伸び幅が一番大きかったのが、「2・3歳」から「3・4歳」の間。「3・4歳」になると84.5%ものかたが、お子さまのひらがな学習に取り組まれた経験があるという結果になりました。

実際に「ひらがな」を教えたかたにお話をうかがうと「名前だけは読めるようになったが、ほかは何度教えても覚えてくれず疲れてしまった。(こまちさん)」
「ひらがな表に書いてある絵の方を覚えてしまい、字自体は覚えていない。(なっちさん)」
「間違いを指摘すると怒る。(りんごさん)」
といった声も聞かれ、教えるのはなかなか難しいようです。この時期は、どうやって教えるとよいのでしょうか。 
発達心理学を研究されている沢井佳子先生にお話をうかがいました。

「あひる」は読めるのに「ひ」は読めない!?それはパターンとして覚えているから

 沢井:3歳前後の子どもは「あひる」という字が読めても、「ひ」が読めないということがあります。それは文字を読んでいるのではなく「あひる」という3文字の形のパターンを認識し、形全体に、「アヒル」という音を当てて覚えているためです。それは、ひらがな文字が読めることとは異なります。ひらがな文字を読むには、「アヒル」という音のかたまりを、「ア・ヒ・ル」と音節に分解し、1音節に1文字のひらがなを、「あ」「ひ」「る」と対応させる必要があります。こうした「音節分解」を理解する遊びとして、おうちのかたが、1音節に1回手をたたきながら、「ア、ヒ、ル」と言って、音節を区切る見本を示しましょう。ひらがなの「あ」が「ア」を表し、「ひ」が「ヒ」を表す「表音文字」であることを、確認する過程が大切なのです。音節分解ができるようになれば、「音」と「ひらがな文字」との対応が理解されます。
 音節分解ができたら、次は「しりとり」遊びを通じて、「単語の頭の音と、末尾の音」に注意しながら、言葉をさがす課題へとステップアップして学んでいきましょう。このときに大事なのは、手や体などで、五感を使って、たたく動作や足のステップなど、大きな動きとセットにして、文字を覚えていくということです。言葉の学習に、動作を加えることで、記憶はいっそう定着しやすくなるのです。
 また、3歳頃はひらがなだけでなく、いろいろなことを体験して、思考のレパートリーを広げたいものです。周囲の物や人と関わり、いろいろなことを体験することで、子どもはものごとの「違い(差異)や同じ(共通性)」を見つけて、言葉の意味(概念)を考える思考ができるようになるからです。「違うところは何か?」「同じところは何か?」という、行ったり来たりの判断の過程で、子どもは知識を積み上げ、経験から得た知識と言葉で考えた知識とをつなぐ、柔軟な思考力をみがいていくことができるのです。

3歳児の特徴は表象能力の高まり それは「考える力」の土台となるもの

 そもそも3歳前後は「表象能力」と呼ばれる、「頭で思い描く力」がものすごく高まる時期です。2歳頃は、言葉の理解は進んでいるので、言って聞かせた言葉自体はわかりますが、言葉が表す内容をありありと頭に思い浮かべること(表象すること)までには至りません。
 その点3歳になると、ものの概念を形成し、それを表す言葉をどんどん学んで、頭の中に映す世界を広げていますから、ものごとの「共通性」や「差異」を見出すことができるようになっているのです。そして、頭の中で、ものごとを分類・整理して思考する力が増し、やがて論理的にものごとを考えられるようになります。
 子どもの思考力を伸ばすには、外に出て積極的にいろいろな体験をし、どんな体験をしたのかを、たくさんおしゃべりすることをオススメします。

幼児期は幅広い領域にバランスよく取り組むことが大切

 いかがでしたでしょうか? ひらがなはもちろん、幼児期の今は、いろいろな体験を積むことで、知識を深め、考える力の土台を育むことができるようです。
 <こどもちゃれんじ>では、発達や年齢に合った内容で、言語・数量・論理・図形・自然・社会・表現など、バラエティー豊かな知育テーマを学ぶことができます。
 たとえば、2・3歳向け<ぽけっと>では、覚えた言葉を整理するために必要な「多少・大小・図形」などが学べる「3歳の知育プログラム」があり、2・3歳にピッタリの内容でいろいろな体験ができます。
 この機会にぜひ一度内容をご覧ください。

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プロフィール


沢井 佳子先生

チャイルド・ラボ所長。静岡大学情報学部客員教授。
お茶の水女子大学大学院修了。発達心理学専攻。
認知発達支援と視聴覚教育メディア設計を専門とする。
幼児教育番組「ひらけ!ポンキッキ」(フジテレビ)制作の心理学スタッフを務めたほか、大学講師などを経て現職。
「こどもちゃれんじ」(ベネッセ)の「考える力」プログラム監修。
幼児教育番組「しまじろうのわお!」(テレビ東京系列)監修。
人工知能学会「コモンセンス知識と情動研究会」幹事。
日本子ども学会常任理事。

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