受験生の親がやるべき7つのこととは?子ども4人が東大の佐藤ママと中学受験専門家のきょうこ先生に聞きました

「子ども4人が東大理Ⅲ」でお馴染みの佐藤ママと中学受験専門カウンセラーの安浪京子先生に、受験生の親が今すぐにやるべき7つのことを教えてもらいました。子どもが小学生のうちに身に付けておけば大学受験まで実践できる、家庭内でやるべき受験サポートのノウハウを伝授します。

この記事のポイント
受験生の親がやるべき7つのこと

1. 学習環境を整える

親にしかできないサポート、それが学習環境を整えること。子どものやる気を引き出す学習環境を整えましょう。学習環境を作るうえで何に気を付けるべきか、実際に佐藤ママと安浪京子先生(以下、きょうこ先生)の自宅の写真を見せて貰いながら教えてもらいました。

リビング学習でなく、リビングを勉強部屋に(佐藤ママ)

リビングで勉強するのではなく、リビングを勉強部屋にするのが一番です。我が家は、長男が生まれる直前に、最初にリビングからテレビを撤去し、ソファを捨て、リビングを勉強部屋にしました。このレイアウトは受験に最適でした、まず、家の中心であるリビングを、子どものために使いませんか。リビングと子供部屋を行き来して勉強する場所が変わると、必要な時に必要なテキストがどこにあるのか分からなくなったりするので、勉強する場所は一か所に固定する方が効率が上がります。

「親がやるべき受験サポート」より

科目別に参考書のボックスを作る(佐藤ママ)

ボックス無しで参考書を本棚に並べると、使った後にどこの位置に戻していいかわからず、本棚がすぐにぐちゃぐちゃに。取り出した参考書を同じ場所に戻せるように、ボックスを作って整理させましょう。行方不明になった参考書を探す時間も無駄なので、子どもが自分で整理しやすいように学習環境を整えることがポイントです。(佐藤ママ)

「親がやるべき受験サポート」より

子供が勉強するその場所に、大人も実際に座ってみる(きょうこ先生)

子どもが勉強する場所に、大人が座って確認することをお勧めしています。照明の位置、机と椅子の高さがあっているかどうか、机の幅が足りているか……、見た目だけではなく、使い勝手をチェックしてください。あと、本棚とボックスは必ず用意すること。プリントやテキスト類を横にして積み上げていくのではなく、ボックスに立てて入れる習慣をつけることで、教材が増えても対応できます。

「親がやるべき受験サポート」より

2. 学習スケジュールを作る

スケジュール管理は中学受験には欠かせません。学習習慣をつけるために、小学校低学年のうちから始めることをお勧めします。細かなスケジュール組みは子どもには難しいので、子どもだけに組ませないこと。また、頭の中で考えるだけでは曖昧になるので、きちんと書き出して可視化することが大切です。

スケジュールを長期と短期に分ける(佐藤ママ)

① カレンダー2か月分を机の前に貼って、模擬試験のある日を書き入れる
② 1週間分の時間割を作成する
③ 1日にやることをノートに書く

塾に通っているお子さんを持つ親御さんから「宿題が終わらない」という悩みをよく相談されます。どのようにして宿題を回して全部すませるかが塾をうまく利用するコツなので、宿題を前日に全部することはやめて、分割してすませることに慣れることをお勧めしています。通学・通塾時間、学校や塾にいる時間、学校と塾の宿題をやる時間、まずそれをスケジュールに書きこんで、プラスアルファで模試の対策をする時間などを確保するといいと思います。そのためには、必ず学習スケジュールを立てることです。2か月分のカレンダーをさげて、2ヶ月のスケジュールをいつも把握しておくこと。やるべきことを可視化するためには、1週間ですること・1日の時間の使い方のスケジュールを作ること。長期と短期のスケジュールを別に書き出すことが必要です。

夏休みには専用のスケジュールを立てる(佐藤ママ)

夏休みなどの長期休みには、専用のスケジュールが必要です。塾のある日とない日でスケジュールの組み方が変わるので、塾を基準にしてスケジュールを組み立てます。ちなみに我が家の子ども達は、学校があるときは毎日7時起きでしたが、夏休みは起きる時間を8時に設定していました。普段より1時間多く寝ることで、勉強のパフォーマンスが上がることに気が付いたからです。寝る時間は子どもの学年によって決めていました。小学校6年生はどんなに遅くても23時30分、小学校5年生は23時、小学校4年生は22時30分と決めて、その時間には必ず寝かせました。「宿題が終わったら寝ていいよ」とよくいいますが、そうなると子どもは宿題をダラダラしがちです。寝る時間を絶対に守るゴールとすることで、子どもは持ち時間がわかりますから必死でやります。予定を決める時には、寝る時間にはすむような宿題の量を決めることです。欲張って無理な量にするとすぐにせっかく決めたスケジュールが崩壊しますからそこのところは要注意です。

子どものタイプを見極めてスケジュールを一緒に組む(きょうこ先生)

ざっくりスケジュールが向いている子、細かいスケジュールが向いている子がいるので、我が子がどちらのタイプかをまず見極めましょう。スケジュールを組む時は、親が一方的に決めるのではなく、子どもと一緒に考えて決めましょう。スケジュールを親が一方的に決めて押し付けるよりも、子どもも自身が参加して決めたことなので、きちんとそれを守ろうと意識することができます。時間とやる事を親子で可視化した後、どの枠で何をするかというタスクのはめ込みは、最初は親子で、慣れてきたら自分で決めさせて、本人にスケジュールを記入させます。そうすることで時間感覚が身に付き、時間管理ができるようになります。

3. ノートの使い方を工夫する

特に算数の場合、ノートの使い方で点数が左右されます。まずはきちんと式や図を書いているかを見ましょう。ノートは余白が何よりも大切です。子どもが問題を解きやすいノートを、ひと手間かけて工夫して作るといいでしょう。

計算問題用の計算ノートをつくる(佐藤ママ)

間違った計算や、複雑な計算問題は1問ずつ拡大コピーをしてノートに貼って計算専用のノートを作りましょう。計算用の余白を広々と確保してあげることで、計算問題に対するハードルがぐっと下がります。テストやテキストの問題よりも少し大きめに拡大コピーをして、ノート1ページに1問だけ貼るとその下の部分にゆったりと数字を書けるし、落ち着いて計算の方法を考えることができます。計算問題は1ページにつき1問か、問題によっては2問まで貼ってもいいです。とにかく、数字を大きく書けるようにすると、計算間違いは驚くほど少なくなります。

「親がやるべき受験サポート」より

科目ごと、目的別にノートを作る(きょうこ先生)

ノートは科目ごと、さらに目的別に分けることをお勧めします。1冊のノートに、色々な科目が混在してなんでも帳のようになっているのは言語道断。さらに、授業内容と宿題のノートは必ず分けるようにしましょう。ノートを分けることで振り返りがしやすくなりますし、ノートの数だけきちんと頭に引き出しが生まれます。

計算ノートの使い方を見直す(きょうこ先生)

① 消しゴムを使う
② マスに沿って書く
③ 左から詰めて書く
④ 字の大きさをそろえる

この4つを意識してノートを使っているかをチェックしてみてください。複雑な計算式の増える5、6年生には、方眼ノートではなく分数が2行で書きやすい大学ノートをお勧めしています。

「親がやるべき受験サポート」より

「親がやるべき受験サポート」より

4. 塾の宿題の進め方を考える

塾をいかにうまくつかうか、それはいかにうまく宿題を回していくかということ。塾の授業でインプットしたことを、実際に問題を解いて自分でアウトプットすることで理解が深まり、定着します。塾の宿題をやり残す習慣をつけなかった、という佐藤ママと、「塾の宿題が終わりません」という相談を受けることが多いという安浪先生に、宿題を回すコツを聞きました。

全教科の宿題を1/3に分ける(佐藤ママ)

塾の宿題は量が多いうえに難易度が高いので、すべてを終わらせるのは大変です。だから、塾の宿題を上手に回すためには、親のサポートが必要です。塾の宿題は1日ですませようとすると、ものすごく時間がかかって大変なので結局は宿題を残すことになってしまいますが、それではだめなのです。やはり、ぜんぶやらないと、ということで、私は塾の宿題を3回に分けてやらせていました。2回に分けてみると意外に1回分が多いので、4回に分けてみたのですが、子どもは4日前にやったことを忘れてしまうのです。それで、3分割するのがちょうどいいことを発見!例えば、水曜日に塾で算数があるとしたら、火曜日は予備日にとっておいて、土、日、月の3日間で宿題を3分割します。算数の宿題が12問出たとして、1日4問ずつなら無理なく解けます。予備日としてとっておいた火曜日には、全部すんでいる宿題をざっと見直します。そうなると、万全の状態で復習テストや次の授業に臨むことができるので、塾で着実に力を付けることができるのです。

塾の宿題が終わらないという子の親がやるべき3か条(きょうこ先生)

① 宿題の優先順位を決める。
② スケジュールを見直す。
③ 塾のクラスのレベルが合っているかを検討する。

宿題の量や難易度は、ある程度は塾のクラスのレベルによって分けられていますが、その通りにできる子、手に余る子など、実際はさまざまです。まずは我が子にとって最適なやり方を家庭で探り、それでも困ったら塾の先生に相談しましょう。

5. 捨てるべきものの判断力を付けさせる

受験では捨てることも大事。すべてを解こうとするのではなく、最初に全体を見て、優しい順番に説いていくことを身に付けさせましょう。日ごろからそういう訓練をしておくことで、テスト本番で効率よく点を取ることができます。

完璧を目指しすぎないテストの見直しのコツ(佐藤ママ)

① テスト全体をみて、点数と間違えている箇所をチェックする。
② 点数に対してとやかくいわない。
③ 間違えた問題を子どもと一緒に見ながら、間違い方を精査。
 ・もう少しで取れたもの、解けそうなもの。→ 解き直す
 ・全く歯が立たないもの、今現在では解けそうもないもの。→捨てる

私はテストが返ってくると、点数のことはとやかく言わずに、「取れたはずなのにつまらないことで、落とした問題はどれ?」と子どもたちに聞いて、その問題だけを子ども達に見直しさせていました。(佐藤ママ)

過去問対策の「捨て問」の見極め方(きょうこ先生)

① 問題をざっとみて、〇と ×の印をつける。
 〇: 解けそうな問題
 ×: 解けないだろうという問題(捨てる)
 △: 頑張ったら解けるかもしれない問題 ※わざわざ△の印をつける必要は無い。
② 〇の問題に取り組む。
③ △の問題に取り組む。

実際に問題を解くときは〇の問題から解きはじめて、次に△、×の捨て問には手を出しません。捨て問を見極める、ということは、「合格するために満点は必要ない。とるべき問題をしっかりとる」ということを身に付けるためのものでもあります。

6. リビング学習ならではのコミュニケーションをとる。

リビング学習は、良くも悪くも親の目が届きます。目が届くからといって、声をかけすぎるのもNG。過干渉にならず、適切な距離感で子どもに寄りそうことを意識しましょう。

親子の新聞トークで、自分の頭で考えられる子に(佐藤ママ)

1日15分ほど、その日の新聞の中で面白そうな記事について親子で話し合うことをお勧めします。新聞は全部を読む必要はなく、気になる見出しの記事を読んでみてそのことについて子どもと話すことが子どもの時事問題についての知識を増やすことにつながります。せっかく、子どもと記事についておしゃべりをするのですから、子どもが興味のあるジャンルのものを選ぶといいですね。本は一つのテーマについて書かれているものが多いし、ページ数が多いのでなかなか読むことができません。それに比べて、新聞は、政治、経済、国際、スポーツなどありとあらゆるジャンルの時事ネタがあるので広い知識を得ることができます。その知識をもっと深めたいときには、そのテーマの本を読むといいと思います。今年から始まった大学入学共通テストには、時事問題に関係する問題が科目を問わずたくさん出ています。そのような傾向を考えると、これからは時事問題を知らずに合格は難しくなるでしょう。記事を読んで「この問題をあなたはどう考える?」と子どもに問いかけ、親子で考えることが大事です。日々そのように話していたら、子どもも自分なりの意見を持つことができるようになります。新聞の記事を使って、日ごろからコミュニケーションを取るといいですね。

コミュニケーション学習で、子どもに寄りそう(きょうこ先生)

① 一緒に解く…漢字や計算/過去問/宿題
② 会話する…理科や社会の知識問題をクイズ形式で交互に出し合う
③ 見る…理科や社会にちなんだテレビ番組や動画を一緒に見る

リビング学習は親の目が行き届くのがメリットです。今までいろいろな家庭を見てきた中で、うまくいっているなと感じた親の寄り添い方はこの3つです。ここに「教える」という項目がないことにお気づきでしょうか? 教えることは塾に任せて、親は子どもに寄りそうということに徹底してください。

7. 塾の復習テストを効果的に使う。

塾の復習テストでは満点を目指す(佐藤ママ)

塾の復習テストを軽視して、偏差値や合格判定の出る模擬テストを重視するご家庭が多い印象を受けますが、それは逆です。月1回の模擬テストよりも、塾の復習テストを丁寧に取り組ませることの方が大事です。授業→宿題→復習テスト、この3つをうまく回すことが、塾を最大限に活用することにつながります。私は、復習テストは科目ごとに綴じて1冊にしておいて、月1回の模擬テストの前に復習テストの冊子を見直すことにしていました。塾の復習テストを疎かにして、模擬試験の成績は上がりません。実際、範囲の狭い復習テストの方が対策をしやすいので、点数が取りやすいのです。だから、まず復習テストを頑張りましょう。その積み重ねが、模擬試験の結果にも通じます。

すべての道は復習テストから(きょうこ先生)

あれこれと手を出す前に、まずは平常授業の復習テストで満点を続けて取ることを目指しましょう。ある程度時間をかけて、丁寧にきちんと取り組む必要があります。まずはそのための時間を確保しましょう。また、復習テストで満点を目指しやすい場合と、そうでない場合があります。我が子が通う塾とクラスがどちらに当てはまるかを、改めて確認しましょう。

・復習テストで満点を目指せる場合
① 復習テストがクラス別に細かく分かれている。
② 復習テストの範囲が狭い。
③ 在籍クラスの授業内容が理解できている。

・復習テストで満点を目指しにくい場合
① 復習テストとクラスが連動していない。
② 復習テストの範囲が広い。
③ レベル不相応の問題が含まれる。
④ 在籍クラスの授業についていけていない。

まとめ & 実践 TIPS

人生のどこかのタイミングで受験をする子どもたち。そのいつかに備えて、子どものメンタルを作っておくこと、受験をやり抜くための技術を知って、身につけておくことは大切です。特に中学受験は親と子の二人三脚と言われています。ひとつずつでも日々の生活に取り入れて、親子で取り組んでみたいですね。

出典:『親がやるべき受験サポート』朝日新聞出版

プロフィール

佐藤亮子

佐藤亮子(佐藤ママ)

大分県で高校まで過ごし、津田塾大学へ進学。卒業後、大分県内の私立高校で英語教師として2年間教壇に立つ。結婚後、夫の勤務先である奈良県へ移る。長男、次男、三男の3兄弟がそろって、灘中・高等学校に進学。大学受験では東京大学理科3類に合格。長女も洛南高等学校附属中学、洛南高等学校に進んだのち、東大理Ⅲに現役合格。その子育て法と受験テクニックに注目が集まる。著書に『佐藤ママの子育てバイブル 学びの黄金ルール42』(朝日出版社)など。

プロフィール

安浪京子

安波京子(きょうこ先生)

株式会社アートオブエデュケーション代表取締役、中学受験専門カウンセラー、算数教育家。神戸大学発達科学部にて教育について学ぶ。関西、関東の中学受験専門大手進学塾で約10年、プロ家庭教師として約20年、算数を教える。中学受験、算数、メンタルサポートに関するセミナーを多数開催。著書に『中学受験 最短合格ノート』(朝日出版社)など。

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