合格者ストレッチ率4倍超!? 公立一貫校が実績を出した理由【中学受験】

中高一貫校と単独校の2013年から2019年の合格者増減率の推移を見ると、難関国立大、早慶上理ともに、公立一貫校が圧倒的に実績を出していることがわかりました。

先行した私立一貫校のカリキュラムを学ぶことからはじまった公立一貫校が、なぜここまで実績を上げることができたのか、森上教育研究所が解説します。

ストレッチ幅476%!? 公立一貫校が驚異の実績を出した理由とは?

2013年から2019年の合格者増減率の推移を見ると、難関国立大学では公立一貫校のストレッチ幅が2013年から2016年で339%、2013年から2019年で476%と驚異的に伸びていることがわかりました。
また、早慶上理の公立一貫校の合格者増減率の推移を見ても2013年から2016年で246%、2013年から2019年で286%と、よく伸びています。

これは、まだできてから14年ほどの公立一貫校が確実に結果を出したということになるでしょう。一方、私立の一貫校は難関国立大学で2013年から2016年で106%、2013年から2019年で103%と目立ったストレッチはありません。

公立中高一貫校はスタートに際して、名門といわれるような私立一貫校からカリキュラムや授業のやり方を学び、参考にしました。
高校受験を考えなくてよい中高一貫校は、6年間を見通した一貫性のあるカリキュラムで学べ、大学受験に備えられるのが何よりの魅力です。特に肝心なのは中学1・2年生の勉強で、ここで積み残しなく、勉強のやりかたをきちんと身につけておくことで、その後も目標をもって大学受験に望むことができるのです。これは、すべての中高一貫校にいえることです。

では、なぜその私立一貫校と公立一貫校でこのように差が開いたかというと、適性検査の存在が大きかったのではないかと考えられます。
偏差値が受験する学校を左右し、入学試験でふるいにかけられる私立一貫校では、成績上位層以外の生徒は、どうしても劣等感を抱きがちになります。一方、適性検査で入学した公立一貫校の生徒たちは、あくまで「適性」を見るものとして実施された検査を経て入学してきていることから、「自分はできるんだ」という前向きな気持ちをもっていることが多いように思います。

また、私立一貫校では、高校での募集をやめて中学校のみの募集にしたことで実績を上げた学校が主流です。こうしたことから、来年以降、今まで高校でも新入生を受け入れていた中高一貫校が、中学校だけの募集へ一本化する流れも出てきそうです。

プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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