デザインの力で自治体や企業と連携、実践的なキャリア教育とは【変わる大学】

ビジネス環境や社会情勢がめまぐるしく変化する昨今、企業が新卒に求めるものも変化し、産業界は大学をはじめとする高等教育機関に即戦力を求めるようになっています。そのような環境の中、1999年に文部科学省中央教育審議会がキャリア教育の実施を提唱し、約20年間にわたり各大学でもインターンシップや課外活動の導入などさまざまなキャリア教育の取り組みが行われてきました。今回は実践的なキャリア教育の一例として宝塚大学の課外活動を紹介します。

実践力を磨く。学生のデザインが伊那バスのデザインに採用

宝塚大学では2017年12月に伊那バス株式会社(本社:長野県伊那市)と次世代のデザイン、コンテンツ、技術の開発に関する包括的連携協定を締結し、伊那市・駒ヶ根市〜新宿区間を運行するラッピングバスのデザインを完成させました。同社のオリエンテーションを受けた上で、参加学生の「自分らしい表現」を取り入れて50以上のデザイン案を作成。打ち合わせや現地取材を繰り返しながら、案を絞り込み、最終プレゼンテーションでは実際の大型バスにプロジェクションマッピングでデザインを投影し提案しました。その後、さらにデザインをブラッシュアップし、2020年には学生がデザインしたラッピングバスが実際に運行する予定です。

“現地取材を繰り返して創造する”デザインの実践の場を提供

宝塚大学東京メディア芸術学部の伊那バスプロジェクトでは、ラッピングバスのデザインのほか、2019年に創業100周年を迎えた同社の100周年ロゴデザインも制作。次世代を担うブランドイメージとなるロゴを完成させました。このプロジェクトは、伊那バスが取り組む夏秋イチゴのブランドPRも兼ねており、地域の農業振興と活性化に貢献することを目指したもの。教授と参加学生は伊那バスの地元である伊那市の四季を知るために、季節ごとに伊那市を訪問し、現地の空気、風土、食文化を体験しながら、“現場を知る”ことを大切にしてデザインに取り組みました。このことは、将来社会人として実際に商品やサービスに触れてデザインに取り組むシミュレーションともなり、積極的な行動力や実践力を身に付けるキャリア教育として、学生自身も多くの達成感を得ることができます。

新宿区とも提携し、10年以上にわたりさまざまな課外活動を実施

西新宿にある宝塚大学東京メディア芸術学部は、これまでも地元の新宿区を中心に数多くのプロジェクトを10年以上にわたって実施してきました。今回の伊那バスプロジェクトも、新宿区と伊那市が友好提携都市であったことがきっかけ。現在も2020年に東京で開催される世界的スポーツイベントの区民への普及企画に携わり、新宿区庁舎内のエレベーターや外壁のラッピングのデザインにも取り組んでいます。これまでも新宿区のさまざまな部門と連携し、区主催のアートイベントやスポーツイベント、静岡県静岡市の下駄製造会社・株式会社水鳥工業のキャラクター開発をはじめ、静岡県伊東市、霞が関ビル、明治記念館など官民問わず多くの課外活動を実施。そのほか、「東京ゲームショウ」への出展、「東京国際プロジェクションマッピングアワード」での審査員特別賞の受賞、茨城県ひたちなか市のアートイベント「みなとメディアミュージアム」の運営メンバー参加など、数々の課外活動の実績を積み上げています。

積極性や主体性を育むキャリア教育が未来を創造する

現在、宝塚大学では「地域に必要な大学として“知の拠点”となる」ことを目指し、1年次の必修科目で世界的スポーツイベントの新宿区民への普及企画を立案し実行することを通じて、全学生が社会と関わるようなカリキュラムを導入しています。国が推進する「一人一人の社会的・職業的自立に向け、必要な基盤となる能力や態度を育てる」というキャリア教育と、「特定の職業に従事するために必要な知識、技能、能力や態度を育てる教育」である職業教育の2つの観点における、先進的な取り組み。これらはきっと、社会や未来を創造する素養を磨き、学生の夢の実現に結び付いていくことでしょう。

宝塚大学 東京メディア芸術学部
https://www.takara-univ.ac.jp/tokyo/

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