この秋は、五感で学んで得意をつくる! [中学受験 4年生]

保護者の役割は、成長に応じてベストのタイミングで働きかけ、環境を整えていくこと。
4年生を対象に、この秋に取り組みたい課題について取り上げます。



■「秋の理科」を学ぼう

季節の変わり目は、特に理科を学ぶには絶好の時期です。
秋なら、都市部でも、紅葉や、どんぐり・銀杏(ぎんなん)などの木の実、コオロギや鈴虫など特徴的な生き物、いわし雲、夕焼け、名月などの天候を観察することができます。草の葉やクモの巣に露が降りるのも、秋らしい現象ですね。
理科のよさは、目に見え、手で触れられるものについて、理屈で明快に説明できることです。「わかる」実感が得られやすいうえ、科学的なものの見方は他のすべての学問に通じますから、興味の入り口として最適だと思います。

休日などを利用して、ぜひお子さまと自然観察ツアーに行ってみてください。自然が大好きな専門家に案内してもらうと、身近な公園や野山の中にも、思いがけない発見があるものです。



■味わって学ぶ社会 数字で遊ぶ算数

季節にちなんだ学習のよいところは、「五感で学べる」ということです。
たとえば風が冷たくなったとか、暗くなるのが早くなった、果物やきのこ類、いも類がおいしいといった実感はとても大切です。実感に裏打ちされた知識は記憶に残りますし、教科を超えた興味につながります。

社会なら、柿、栗、りんご、ぶどう、まつたけ、秋さけなど、秋が旬の食べ物と結び付けて地域の気候や産業を学ぶことができます。これらを科学的な視点や文学的な視点でとらえ直すこともできますね。

算数は、季節とは少し結び付けづらいのですが、1012(体育の日)、1103(文化の日)といった祝日や記念日などの数字を当てさせるようなパズル問題も、入試ではよく見かけます。その年の年号や、東京オリンピックの年(2020年)が答えになるような問題も多いですね。この時期、「数字で遊ぶ」ような、パズル的な問題に、お子さまと一緒に取り組んでみてはいかがでしょうか。



■「秋」をテーマに語感をつかむ

国語の場合、特に詩歌や古典の分野で、「秋」をテーマにしたものが多いことはよく知られています。「もの思う秋」といった言葉もありますね。秋を扱った作品やシーンをいくつか集めてみて、お子さまと一緒に「『秋らしさ』ってなんだろう」と考えてみるのはいかがでしょうか。題材は「赤とんぼ」や「小さい秋みつけた」といった童謡でもよいと思います。

「秋」という語には、どんな感じが含まれているのか考えてみること。つまり、「語感」を知ることで、読解は非常にやりやすくなります。



■感じて、考える体験が学習の底力に

たとえば、「赤とんぼ」という題材ひとつとっても、さまざまな方向に知的好奇心を広げることができます。たとえば、赤とんぼは水田で育つ、稲作と結び付きの深い昆虫であること、トンボは現在、昔より数が減っており、都道府県によっては絶滅危惧種に指定されているものもいることなど、歴史や環境問題といった視点から考えることもできるのです。

4年生の時点では、多くの子どもたちは、面白いと感じる話題には素直に乗ってきてくれます。今は、お子さまと保護者のかたが一緒になって、のびのびと勉強できる短い期間ですから、ぜひお子さまと一緒に、学ぶことを楽しんでいただきたいと思います。

5年生になると、塾の成績や志望校の合格可能性が気になって、楽しむ余裕が徐々になくなってきます。その前に五感を使って感じる、知る楽しみを一緒に味わい、子どもたちに「勉強って面白いなあ」と思わせることが大切なのです。それが、学習の底力になります。


プロフィール


森上展安

森上教育研究所(昭和63年(1988年)に設立した民間の教育研究所)代表。中学受験の保護者向けに著名講師による講演会「わが子が伸びる親の『技』研究会」をほぼ毎週主催。

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