高校合同説明会の上手な参加のしかた(1) 目的は「まだ見ぬ志望校」の発見 [高校受験]

先月は、大学入試改革を見据えた学習法についてお話ししました。

今回は、主に中学3年生を対象に、6月頃から全国で行われ始める「高校合同説明会」の、上手な参加の仕方について取り上げます。



■合同説明会には、さまざまな種類がある

この時期、既に志望校をはっきりと決めている子、ある程度候補を絞り込んでいる子も多いと思いますが、最終決定にはまだ間があります。
今は視野に入っていない学校の中に、我が子にぴったりの学校があるかもしれません。また、現在志望校の候補に挙げている学校も、実際に学校の先生に会って話を聞いてみると、雰囲気が子どもに合わないのではないかと実感できる場合もあります。
数多くの高校がブースを出し、質問に応じてくれる合同説明会は、まだ見ぬ志望校を発見するのに格好の場と言えます。

合同説明会には、各都道府県の私学協会が主催するもの、塾団体主催のもの、地域の公立高校と私立高校が合同で行うものなど、さまざまな種類があります。
志望校の候補が絞り込まれているなら、その学校がどの説明会に出るか、ホームページなどで確認しておきましょう。
また、地域の合同説明会は、子どもの通学可能範囲の学校が多数参加するわけですから、ぜひ参加をおすすめします。



■説明会参加の前に

特に参加校の多い大規模な合同説明会は、下調べなしで見て歩くだけでは、具体的な情報を何もつかめなかったということになりがちです。まずは受験案内でめぼしい学校をチェックし、興味を持ったらその学校のホームページをのぞくなどして、ブースを訪れる学校を絞り込んでいてください。その際、受験案内やホームページではわからなかったこと、じかに質問したいことをノートに書き出しておくとよいですね。



■子どもと一緒に参加するときは

子どもと一緒に参加するかたも多いと思います。その際、一番大切なのは、できるだけ子どもに主導権を持たせるということです。保護者のかただけが先生に熱心に質問していて、隣で子どもが黙って下を向いている……。合同説明会では、こんな光景をよく見かけますが、「志望校を選び、受験するのは自分だ」という自覚を促すためにも、保護者のかたはあまりしゃべりすぎないほうがいいのです。どのブースを回るか、子どもと相談して決め、先生への質問も、基本は子どもに任せると伝えておくといいでしょう。保護者のかたは、子どもの質問が終わったあと、聞き足りないところを追加で聞くくらいのつもりでいてください。



■当日、上手な回り方のコツ

大きな会場の場合は、入り口で場内の地図を見て、目当ての学校のブースをどう回るか、ざっと動線を決めておくと効率的です。もちろん、大勢が並んでいるところは後回しに。興味のある学校なのに、あまりにも混雑しているようでしたら、今回は見送り、個別の学校説明会など、別の機会を利用して訪れるほうがよいでしょう。
また、説明を聞く時間がなくても、気になる学校は、資料だけは集めておきましょう。資料のたぐいは意外に重いので、丈夫なショッピングバッグなどを用意していくとよいですね。

目的の学校を回り終えて、時間に余裕があれば、ぜひ場内をぐるっと歩いて、説明している先生方の雰囲気やポスターのキャッチコピーなどが気になる学校、人気のありそうな学校のブースをのぞいてみてください。もちろん、距離的に子どもの通える学校かどうか、最初に確認するのは忘れずに。



■ブースでは、まず「聞きたいポイント」を先に伝えて

私自身、よく進路相談を受ける立場にありますので、質問に答える側からいいますと、お子さんの学年や性別、居住地などの基本情報や、特に聞きたいポイントは、先に教えていただいたほうが説明しやすくなります。
たとえば、「この学校についてお話を伺うのは初めてなので、ひととおりご説明いただけませんか」といえば、先生は概要をかいつまんで話してくれます。カリキュラム、進路指導、生活指導など、聞きたいテーマが決まっているなら、それを先に伝えたほうがいいですね。また、何校も回る予定で、一校にあまり時間が割けないなら「すみません、あまり時間がないので、学校の特色だけお教えいただけますか」などと断わってしまったほうがいいでしょう。
先生方は、自分の学校のよさを伝えようと、一生懸命説明されると思います。せっかく現場の先生にじかに質問できるわけですから、資料を見ればわかる進学実績などの数値的なことより、そこでの学校生活がイメージできるような「質」的なこと、校風や雰囲気が我が子に合っているかどうかの手がかりをつかむことが大切です。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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