国際公務員ってどんな職業?どうすればなれる?

世の中にはたくさんの職業があります。どんな仕事内容で、どういう人が向いているのか知っておくことは、自分の可能性を広げるためにも、大いに役立つでしょう。今回は「国際公務員」を取りあげます。


国際公務員とは?

 国際公務員とは、国連およびその専門機関に勤める職員をいいます。それぞれの持つ専門知識や経験を生かし、開発途上国への技術や教育の支援を行い、いずれかの国家の利益ではなく、あくまでも中立の立場で働くことを求められます。

 

 

国際公務員の仕事の内容

 2014年現在、国連には193か国が加盟をしており、その組織は総会、経済社会理事会、事務局、安全保障理事会、信託統治理事会、国際司法裁判所が柱となっていて、さらに専門機関として国際労働機関(ILO)、国連教育科学文化機関(UNESCO)、世界保健機関(WHO)などがあります。

 

国際公務員は、こうした国際機関や世界各地に点在する事務局、地域事務所などでプロジェクトの作成や運営、管理、監督に当たっています。任される仕事内容としては、開発途上国への技術援助、難民救済、教育の普及など、その職務は多岐にわたります。また、どこの国からの拘束を受けるわけではなく、中立、かつグローバルな視点で、国際平和と国際協力の実現のため、日々職務にまっとうしています。

 

 

国際公務員になるための必要な資格

 国際公務員になるには、現地採用や欠員補充の公募に応募し、採用されなければなりません。採用基準は高く、大学院修士課程以上を修了し、英語もしくはフランス語で仕事ができるだけの語学力が必要です。また専門性と即戦力になり得る職務経験も求められ、かなりの実力がなければ難しいといえます。

 

比較的可能性が高いのが、外務省の国際機関人事センターが実施している、アソシエート・エキスパート(AE)などの派遣制度を利用することです。年に1回行われる選抜試験に合格すれば、実地研修を兼ね、国際機関に一定期間(日本の場合は2年)の職務が可能となっています。その間に国際公務員として必要な知識と経験を積み、ここで認められれば、そのまま正式に採用されることもあります。

 

こちらの応募資格は35歳以下となっていて、国際公務員と同様に、英語やフランス語に長けていることと、大学院修士課程以上を修了した者となっていますが、募集の対象となっている専門分野を修めていることと、将来的に長期に渡って国際機関で働く意思を持っていることも、採用の重要な要素となっています。

 

※アソシエート・エキスパート(AE):近年ではジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)という名称でも知られる。

 

 

国際公務員の将来性は?どんな性格の人に合っている?

 現在、テロや民族紛争、環境問題など、地球規模で取り組まなければならない問題が増えてきています。こうした背景もあり、国連の役割は今後も大きくなり続けることが予測され、日本にも大きな期待が寄せられています。しかしながら、日本人の国際公務員の職員数は、国連の設定する人数に達していないというのが現状であり、日本政府、国連共に、能力のある日本人の採用には積極的です。こうしたことから、自身の国だけでなく、世界中の国々のために職務に励みたい、と考えている人にとってチャンスは広がっているといえます。

 

 

参考:
国際公務員| 大学・学部・資格情報 | Benesse マナビジョン
http://manabi.benesse.ne.jp/shokugaku/job/list/015/index.html

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