2015年に長野~金沢区間が開業した北陸新幹線を知る
2015年3月、長野から金沢を結ぶ区間が開業し、北陸新幹線は東京と北陸地方を結ぶ新たな交通手段の一つとなりました。新たな交通網の整備は、観光を中心に沿線の地域の産業に大きな影響を与えるため、中学入試でも社会的な観点を問う問題として扱われる可能性が高いと考えられます。今回のコラムで、北陸新幹線について基本的な知識を確認しておきましょう。
クイズde基礎知識
北陸新幹線は、最終的に東京からどこまでを結ぶ予定で計画された?/東京~金沢の移動にかかる時間は北陸新幹線によってどの程度短縮された?/福井県が日本国内の生産額の約9割(2008年)を占めている製品は?/石川県金沢市にあるのは、日本三〇〇のうちどれ?
時事問題を学ぶきっかけになる題材をクイズ形式でご紹介します。基本情報の整理に、親子で時事問題について話題にするきっかけに、入試・適性検査対策に、お役立てください。
Q1
北陸新幹線は、最終的に東京からどこまでを結ぶ予定で計画された?
A.金沢(石川県)
B.敦賀(福井県)
C.大阪(大阪府)
A1 正解は 「C.大阪(大阪府)」 です。
北陸新幹線は、北陸地方を経由して東京と大阪の間を結ぶ新幹線として計画されました。計画自体は、45年前の1970(昭和45)年に制定された全国新幹線整備法で決められていましたが、その後オイルショックなどの影響により、整備はなかなか進みませんでした。しかし、1998(平成10)年の冬季オリンピックが長野で開催されることが決定すると、1997(平成9)年には高崎~長野間が開業しました(※)。現在も引き続き整備は続けられており、2025(平成37)年には福井県の敦賀(つるが)までの区間が開業する見通しとなっています。計画されている大阪までの区間がいつ、どのようなルートで開業するのかはまだ明らかになっていませんが、東海道新幹線と同様、関東と関西を結ぶ交通網として期待されています。
※1997年の時点では、まだ北陸地方まで開通していなかったため「北陸新幹線」の名称は用いられず、「長野新幹線」と呼ばれていました。
Q2
東京~金沢の移動にかかる時間は北陸新幹線によってどの程度短縮された? (※在来線の鉄道との比較)
A.約20分
B.約50分
C.約1時間20分
A2 正解は 「C.約1時間20分」 です。
在来線では、東京~金沢間は特急を使用しても最短で約3時間50分かかっていましたが、北陸新幹線だと最短で2時間28分となっており、約1時間20分短縮されたことになります。また、計画されている福井県の敦賀と大阪間も約30分短縮される見込みとなっており、関東・関西双方から北陸地方へのアクセスが良好になる効果が見込まれています。
また、移動時間の短縮以外にも、以下のようなメリットがあると考えられています。
●利便性の向上によって北陸地方への人の流れが多くなり、産業の活性化につながる
●自動車や航空機と比較して二酸化炭素の排出量が少なく、環境への負荷が少ない
●震災などによって東海道新幹線の運行に影響が出た場合、代替路線として使用できる
Q3
福井県が日本国内の生産額の約9割(2008年)を占めている製品は?
A.自動車
B.メガネフレーム
C.楽器
A3 正解は 「B.メガネフレーム」 です。
冬の雪が多い北陸地方では、古くから農業のできない冬の間の副業として、工芸品などの製造が行われてきました。漆器や和紙、焼き物などの伝統的工芸品のほか、福井県鯖江市ではメガネのフレームづくりがさかんになり、現在では国内生産額の約9割を占めるほどの産業に育っています。北陸新幹線の開業が、このような産業の活性化にもつながることが期待されています。
Q4
石川県金沢市にあるのは、日本三〇〇のうちどれ?
A.日本三景
B.日本三名園
C.日本三名瀑(ばく)
A4 正解は 「B.日本三名園」 です。
金沢は、16世紀に前田利家が治めるようになってから、城下町として栄えていきます。前田家は徳川将軍家と姻戚関係を結ぶなど江戸幕府とのつながりを強め、広大な領地を得るなど力をもっていきました。金沢も加賀百万石の城下町として発展していき、遂には江戸、大坂、京都に次ぐ規模をもつともいわれる、北陸地方有数の都市に成長しました。兼六園は前田家によってつくられ、四季折々に自然の優れた景観をみられることから、水戸の偕楽園、岡山の後楽園とともに日本三名園とよばれています。
親子でやってみよう
地図を見ながら新旧の交通網や周辺の産業などについて調べ、未来を予測してみよう。
北陸新幹線(金沢~東京間)開業に関連し、北陸地方をはじめとする日本の交通網や産業などについて、時事問題として出題される可能性があります。
金沢?東京間を移動するために、かつてはどのように鉄道を乗り継ぐ必要があったのか、現在はどのようなルートを通るのかを地図を広げて比較してみましょう。また、北陸新幹線開業にあたり、第三セクター線としてスタートする鉄道などもありますが、もともとある私鉄も含めて、それらの今後について話してみるのもよいでしょう。
北陸新幹線が開業することによって、北陸地方の産業、自然環境、人口などが変化する可能性もあります。さまざまな観点で北陸地方の過去や現在を調べ、新幹線開業のメリット・デメリットも踏まえたうえで未来を予測してみると、より北陸について理解を深めることができます。
この方法を各地方・地域についても同様に行うと、日本全体について把握することができます。今回の北陸新幹線開業のような大きなトピックスがあった地方、自分の住んでいる地域など、注目する箇所を決めて親子で取り組んでみましょう。
もっと知りたい
北陸新幹線を中心に北陸の鉄道について学べる本/白地図に書きこみながら日本の産業について学べる本/北陸新幹線(金沢・富山?東京間)開業について学べるサイト
本 | 本 | Webサイト |
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『徹底ガイド! 北陸新幹線まるわかりBOOK』 (マイナビ刊/1180円=税別) | 『書いて覚える日本の産業(きっずジャポニカ学習ドリル)』 (小学館クリエイティブ 刊/長谷川康男 監修/1000円=税別) | 北陸新幹線スペシャルサイト(JR西日本) http://hokuriku-w7.com/ |
北陸新幹線の車両の技術としくみ、新規開業の各駅、開業までの歴史など、その魅力が紹介されている本。 また、新幹線開業によって第三セクター線として新たにスタートする鉄道や、在来の私鉄各線についても紹介しており、北陸の鉄道の全容をつかむことができます。 | 日本列島の白地図上に産業の情報を落とし込み、書きこみながら、解説を読むことで日本の産業を理解する本。 第一次産業、第二次産業、第三次産業の変遷を知ることで、日本の歩みと全体像を学ぶことができます。 東日本大震災以降のエネルギー事情の変化についても触れられており、日本の未来の姿が見えてきます。 | 北陸新幹線開業にあたり、特設されたスペシャルサイト。 北陸新幹線の停車駅や車両のデザインコンセプト、最新情報・北陸トピックスなどを知ることができます。 (2015年4月現在の情報です。特設サイトのため、予告なく終了する可能性があります。ご了承ください。) |
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