保護者世代とは大違い、大学入試をめぐる新常識を知ろう!(前編)

現在の保護者世代が高校生だった頃からすると、大学入試の状況は様変わりしています。子どもの進路相談を受ける際に、自分の経験だけをもとにアドバイスしていると、不適切な方向に導いてしまいかねません。大学入試の新常識を知ることは、保護者ができる受験対策のスタートラインです。

 

「大学全入時代」の到来で気をつけたいこと

 「受験戦争」という言葉とともに受験競争がピークに達したのは、1980年代後半から1990年代にかけて。保護者世代は、この時期に受験を経験したかたもいるでしょう。一方、現在はと言うと、「大学全入時代」という言葉を耳にするように、18歳人口の減少と大学の収容定員の増加によって、大学や学部を選ばなければ、誰でも入学できると言っていい時代となりました。

 

日本私立学校振興・共済事業団による調査「平成26年度私立大学・短期大学等入学志願動向」によると、入学者数を入学定員数で割った「入学定員充足率」は年々低下しています。2014年度入試は、前年度から約1.8%ダウンして103.78%でした。このように入学者と入学定員はほぼ均衡しています。私立大学は入学を辞退する人を想定して、入学定員より多めに合格者を発表することが多いため、実質的には大学全入時代は既に到来していると言っていいでしょう。

 

もっとも、それはあくまで統計上の話であり、誰にとっても大学入試のハードルが下がったわけではありません。同調査によれば、2014年度に定員割れをした私立大学は約46%に上る一方で、国公立大学や難関私立大学は依然として激戦であることに変わりはありません。難関大学を目指す子どもにとっては、大学全入時代だからといって難易度は下がっていないことに注意が必要です。

 

一方で、それほど苦労をしなくても入学できる大学が増えているのも事実です。そのため、最初から難関大学を目指す気持ちがない子どもは、気が緩んでしまいがち。長年、進路指導に携わってきたある高校教師は、「『どうせ自分は難しい大学には行けないから、まだ勉強を始める必要はない』と対策が遅れ、結果的にズルズルと志望大学を下げざるを得なくなる生徒が増えています」と注意を呼びかけます。

 

 

私立大学では、推薦・AO入試による入学者が半数超え!

 大学間の学生募集の競争激化、また知識偏重から、多様な個性を求める価値観への変化など様々な要因を受け、入試制度も大きく変わっています。「公募推薦」「指定校推薦」「AO入試」……等々、似たような用語が多くて分かりづらいと感じるかたも多いのではないでしょうか。

 

かつての大学入試は、少数の指定校推薦枠を除き、学力試験のみという大学が大半でした。ところが現在、特に私立大学では、学科試験を課さない推薦・AO入試による入学が一般化していることを押さえておきましょう。

 

2013年度の私立大学入試の状況を見てみましょう。推薦・AO入試を経由して入学した学生の割合は50.6%と、一般入試経由の学生の割合(48.9%)をわずかながら上回っています(文部科学省「大学における教育内容等の改革状況について」より)。私立大学の推薦・AO入試のすべてが学科試験を課さないわけではありませんが、ほとんどの場合は学科試験が課されておらず、そうした入試を経て合格した学生が私立大全体では過半数を超えているわけです。ただ、受験生の人気を集める難関私立大ほど推薦・AO入試での入学者の割合が少ない傾向にあり、高い目標をめざす受験生は、相変わらず、教科学力が求められています。

 

一方、国公立大は依然として一般入試からの合格者(国立大学84.4%、公立大学73.3%)がメインです。推薦・AO入試による合格者も少なくありませんし(国立大学14.9%、公立大学26.0%)、最近は東京大、京都大が2016年度入試から推薦入試を実施すると発表したことが話題となりました。ただ、国公立大の推薦・AO入試では学科試験としてセンター試験を課したり、出願資格として外部検定試験の成績を求めるなど、一定の教科学力が求められる傾向にあります。

 

 

後編では、複雑化する入試制度の解説と対策をお伝えします。

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