高校入試における「内申点」の重み 今の「内申点」は「観点別評価」をもとにつけられる[高校受験]

■「内申点」が変化している

大阪府が2016年度入試から公立高校入試を一本化するのに合わせ、相対評価だった内申点を、絶対評価に変える方向を打ち出しました。今、大阪の中学生の保護者の間ではこの変更をめぐって動揺が広がっています。そこで、今「内申点」はどのようになっているのか、今一度眺めてみましょう。

■全国で唯一相対評価だった

大阪府の公立高校入試が2016年度入試(現在の中2)から一本化される予定です。一本化によって、これまで複数回行っていた入試が、二次募集を除いて1回にされるのです。それに伴い、これまで全国で唯一相対評価だった内申書(正式には「調査書」という)の成績が、絶対評価に変わります。
相対評価というのは、保護者のかたの世代が中学時代に付けられていた、5は7%、4は24%38%……という具合に、どの学校でも配分率が決まっていた評価法です。いわば学年内で生徒同士を比較し、どの辺りの順位に位置するかを表したものです。それに対して絶対評価というのは、生徒一人ひとりの学力が目標にどれだけ近付き、学習の内容を理解できたかを基準にするもので、相対評価のように各段階の配分率は決まっていない評価法です。

そのため大阪府では今、保護者の間から、絶対評価になって教員の主観で我が子の成績が左右されるのではないかと、心配する声が上がっているのです。そこで大阪府では、高校入試に使う内申点を、現行の中3の成績のみでの評価を改め、中1・中2の成績も加えての評価に変更することにしています。また、府内の中1・中2が受ける統一テスト(チャレンジテスト)の結果を活用して、内申点の学校間格差を修正するとしています。


■甘くなった評価には是正の動き

実際、相対評価から絶対評価に切り替えた当時は、各中学校が軒並み甘く付ける傾向にあったので、どの都道府県でも5や4が増加、2や1が減少し、相対評価時代は平均3だったものが3.5くらいまで上昇しました。また実際、中学校によってもかなり差が見られました。そこで、他校と同じ土俵で勝負する高校入試においてそれではまずいと、各都道府県の教育委員会は是正する動きを見せました。そのため、今では極端なケースは減っています。

ただ、制度として「内申点補正」を行っているところもあり、各都道府県の決めた標準値95(3学年を通してオール5の満点は135)を基準にして、内申合計の平均値が高い学校はその分を引かれ、低い学校は足されます。
また、「教員の主観による評価」という批判を避けるために、教科の評定の前段階として4つの観点別評価(関心・意欲・態度、思考・判断、技能・表現、知識・理解。国語だけ5つ)をA・B・Cの3段階で付け、観点別評価と評定とをきちんとリンクさせるようにしました。定期試験問題も、「この小問はどの観点での出題」と事前に決めて作問しているくらいですから、保護者のかたが心配するような、先生の主観、ひいき、好き・嫌いなどで付けられるようなことはありません。


プロフィール

安田理

安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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