大学受験の小論文でよく出るテーマをチェックしよう!


大学受験の小論文でよく出るテーマは「志望理由」「教科問題」。志望学部の学問に関連したテーマも注意



大学受験の小論文でよく出るテーマを文理別にまとめた「<小論文>・文理別大学受験頻出テーマBEST10」を見てみると、「志望理由」や「教科問題」など共通のテーマがランキング上位に存在する。これらのよく出るテーマの内容を詳しく紹介しよう。

 

1.「志望理由」

推薦入試・一般入試を問わず、どの学部の試験でもよく出るのがこのテーマだ。本当にその学部に興味があるのか、どのように勉強していきたいのか、将来はどうなりたいのか、これまでにどのような経験をしてこれからどうしたいのかなどが、様々な切り口から問われる。うわべだけの答えや、誰もが言いそうなありふれた内容ではなく、自分の気持ちを何度も掘り下げ、具体的な言葉で自分らしく説明することが重要だ。

≪出題例≫

◆医学部が特別枠を設けた理由を踏まえて、自分が特別枠の医師として将来どのように地域医療に貢献しようと考えていますか。800字以内で述べてください。
(富山大医学部<医> 推薦 2014年度)
◆卒業後に食品メーカーで新製品の生産工場を立ち上げる担当になったと仮定して、それを成功させるために大学でどのような知識と技術を習得すればよいと考えますか。また習得したことで何に貢献したいと思いますか。具体的な新製品を挙げて、850字以内でまとめなさい。
(金沢大理工学域<自然システム> 推薦 2014年度)

2.教科問題

教科問題とは、「教科的知識も必要となる小論文問題」のことをここでは指す。文系・理系ともに多いのが、英語の資料文に対する読解説明だ。特に外国語学部や医学部では英語の資料が課されやすいので、早めに過去問を確認しておきたい。また、理系では、数学や理科の教科知識をもとに解答する問題もめだつ。教科書レベルの基本的な内容が多いが、「知っていること」を「文章にして説明できる」論理的表現力が求められている。一方、芸術系や技術系の学部では、各学部に特化した教科の問題も多い。いずれにしても、入学後に特に必要となる学力を問う問題が選ばれていることに変わりはない。日々の授業を有効に活用し、基本的な内容だと侮らずに、簡潔で筋のとおった文章で説明する訓練をしておこう。

 

≪出題例≫

◆金属イオンの分離と確認について、この実験に用いた4種類のイオンは硫化水素で硫化物として沈殿させることができるが、塩酸酸性のもとでは硫化物の沈殿を生成しない場合もある。それぞれの場合について、4つのイオンの中から具体例を1つずつ挙げ、その違いが生じる理由を硫化物イオン濃度と溶解度積に基づいて説明せよ。
(筑波大理工学群<化学> 推薦 2013年度)

◆書作品の写真を見て、作品名、内容、時代背景、書道史における位置づけ、筆法などについて200字以内(句読点等を含む)で論ぜよ。
(東京学芸大教育学部<芸術スポーツ文化> 推薦 2014年度)

以上2つのテーマのほかは、多様なテーマを扱っているように見える。これは、各大学・学部で学ぶ内容に沿った出題が多いためで、例えば、教育学部では「教育」問題が、農学部では「農業」問題が扱われる傾向にあるからだ。社会問題を扱う文系学部で頻出の次のテーマについて詳しく見ていこう。

 

3.現代社会における現象・風潮・生き方

エネルギー問題、少子高齢化、食の安全や自給率、所得や教育の格差拡大など、現代社会には様々な問題がある。その中でどう生きていくのか、それに対してどう考えどのように行動したいのか、といったことが問われる。志望学部の学問に関連する出来事のほか、世間で大きく話題になっていることについては、日々、新聞などに目を通して、情報を整理しておきたい。社会と自分を結びつけて考えることが必要だ。

≪出題例≫

◆1985年からの、いじめの発生件数の推移と、「いじめ」の定義の移り変わりを説明した資料文を読んで、グラフから読みとれることを指摘したうえで、いじめという社会現象について、自分の考えを述べなさい。
(岡山大文学部<人文> 推薦 2014年度)
◆資料文を読んで、筆者が現代社会における時間の使い方について問題だとしていることを自分の言葉で要約し、それを踏まえて、人生における時間の価値についての考えを1600字以内で述べなさい。
(九州大文学部<人文> 後期 2014年度)

文理共通した頻出のテーマへの対策はもちろんだが、まずは過去問を見てどのようなテーマが多いのかを確認し、そのテーマの知識を増やしていこう。過去問が得られない場合は、大学・学部の学習内容に沿った知識を蓄えていくことも小論文対策として有効な手段だ。




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文/進研ゼミ高校講座 受験情報担当 西村、小論文担当 ?田

※2014年8月4日時点の情報です。

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