大学進学の数字の見方 難関国立大学はひと握りの進学校の世界[高校合格言コラム]

■難関国立大学はひと握りのトップ校の世界

これから受験校を絞っていく場合、その高校の大学合格実績が気になると思います。そこで今月は、大学合格実績を見ていくうえで、参考になるお話をしましょう。

大学進学に関する記事というと、「のべ合格者」の数字を扱ったものがほとんどです。皆さんが普段目にされているものも「のべ合格者」の数字です。そこで今回は、ちょっと視点を変えて、「現役合格者」の数字、「現役進学者」の数字を扱うことで、「合格者」と「進学者」とではどう違うのか、またそれが大学のグループによってどう違うのか見てみます。今後、志望校の大学合格実績を見ていく時の参考にしてください。

■大学を4つのグループに分けて合格実績を検討

まず、大学を次の4つのグループに分けました。
 (1)難関国立9大学(旧帝大の7大学<東京大学、京都大学、東北大学、九州大学、北海道大学、大阪大学、名古屋大学>と東京工業大、一橋大)
 (2)最難関私立大学(早稲田大、慶應義塾大、上智大、東京理科大)
 (3)難関私立大学(関東)グループ(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)
 (4)難関私立大学(関西)(関西大、関西学院大、同志社大、立命館大)
それぞれのグループについて、現役進学率が高い上位50位から公立高校(高校で募集しない公立中等教育学校は除く)だけを抽出して表にしました。進学率は、そのグループの大学への現役進学者数を卒業者数で割って計算した数字です。

■合格者のほとんどが進学していることが最大の特徴

まず今回は、難関国立大学9校について見ていきます。表は東日本(北海道、東北、関東、甲信越<山梨、長野、新潟>)と西日本(北陸<富山、石川、福井>、東海<静岡、岐阜、愛知>、近畿、中国、四国、九州・沖縄)に分けてあります。




※いちばん左の数字は、50校中の順位をあらわしています。

◆東日本では26校、西日本では28校あります。東日本では北海道大、東北大があるので、北海道、東北の高校が多くなっています。複数の公立が登場している都道府県は、北海道が6校、宮城と東京が3校、青森と群馬が2校、その他はその都道府県の進学校とされる1校のみが入っています。
◆東京近郊の都県は意外に少なく、6校のみ。東京が3校入っている以外は3県とも1校です。校名を見ていくと、やはり進学校とされる学校ばかりです。
◆西日本を見るとやはり関西圏は少なく、6校のみ。大阪が3校入っている以外は京都、奈良、兵庫とも1校です。名古屋大がある愛知が8校と最多で、九州大がある福岡が5校で続いています。そのほかは岐阜が2校ある以外すべて1校です。

難関国立大学ともなると、現役で進学することは容易でないことがわかります。ただ合格者のほとんどが進学していることが、難関国立大学の最大の特徴です。合格したのに入学しなかったのは九州大に8名、6名、北海道大に5名の高校があるのが目立つ程度です。難関国立大学の場合は合格者数=進学者数ととらえていいことがおわかりいただけるかと思います。


プロフィール


安田理

大手出版社で雑誌の編集長を務めた後、受験情報誌・教育書籍の企画・編集にあたる。教育情報プロジェクトを主宰、幅広く教育に関する調査・分析を行う。2002年、安田教育研究所を設立。講演・執筆・情報発信、セミナーの開催、コンサルティングなど幅広く活躍中。
安田教育研究所(http://www.yasudaken.com/)

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