小学生の85%は「英語がわかったり、通じたりするとうれしい」 これからの英語の授業で大切にされること【2020年度からの新課程・小中高】

2020年度から小学校で始まっている新学習指導要領。2021年度以降、順次中学、高校でも施行されていきます。新課程における英語教育では、どのような力を育成することが目標とされているのでしょうか?英語・言語教育研究に取り組んでいるベネッセ教育総合研究所の言語教育研究室の加藤室長に聞きました。

この記事のポイント

英語がわかったり通じたりするとうれしい

英語がわかったり通じたりするとうれしい。この言葉は、ベネッセ教育総合研究所「小学生の英語学習に関する調査」(2015年3月)において、小学校5・6年生に外国語活動や英語の授業について聞いた項目11の中で「とても+まあ」に「あてはまる」の合計数値が最も高かったものです(図1)。ベネッセ総研では中1、中3、高1と継続して調査を行いましたが、『英語がわかったり通じたりするとうれしい』は、8割前後をキープしています。ベネッセ総研の他の調査では、「英語が苦手」の比率は、小中高と学校段階が上がるにつれて高まっていることも明らかですが、この「うれしい」気持ちはキープされています。

図1:小学校での英語の授業や活動について

「英語がわかったり通じたりする」とは、英語を一緒に使う相手がいて、その人が伝える内容がわかったり、自分が伝えたいことがその人に通じたりするということです。つまり、相手を意識して、英語で表現し、伝え合えることをうれしいと感じているのだと思います。

大人も、もし、もっと英語ができたら、英語で表現し伝え合いたい

さきほどの英語の継続調査にあたるベネッセ教育総合研究所「中3生の英語学習に関する調査」(2017年3月)では、保護者の方に「もし、もっと英語ができたらやってみたいこと」について自由に書いていただきました。代表的なものを紹介します。

*東京オリンピックの案内ボランティア
*海外留学生のホストファミリーをしてみたい
*SNSなどで友達ができるといいな
*学校で外国人の保護者の方に書類や制度等を伝えるボランティアをしてみたい
*話せたら、もっと行動的に海外旅行に行ったりできると思う
*仕事で必要な時に名乗りを上げる
*字幕なしの映画を見て、作り手の気持ちを理解したい

これらの内容を見ると、もし、もっと英語ができたら、大人も様々な相手に、いろんなことを英語で表現したり、伝え合ったりしたいのだとわかります。

新課程の英語教育では、英語で表現し伝え合う力を育成することを目標にしている

2020年度から小学校3・4年生では外国語活動、5・6年生では外国語科(教科)として英語の授業が始まっています。新学習指導要領の解説書には、「外国語で表現し伝え合うため、外国語やその背景にある文化を、社会や世界、他者との関わりに着目してとらえ、コミュニケーションを行う目的や場面、状況等に応じて、情報を整理しながら考えなどを形成し、再構築すること」が重要であると記載されています。これは2021年度以降、順次新課程が施行されていく中学・高校でも同様です。この内容は、まさにさきほど紹介した保護者の方が英語でやってみたいことを表していると思います。

まとめ & 実践 TIPS

子どもたちがこれから、英語を使ってやってみたいと思うことを実行に移し、その中で「英語がわかったり通じたりするとうれしい」をたくさん実感する機会が持ってほしいと思います。では、それを実現するために、新課程では、どのような英語教育が学校で行われていこうとしているのでしょうか。次回は、新課程の目玉とも言われる、小学校英語(教科)の内容やポイントについてご紹介します。

加藤由美子

加藤由美子

ベネッセ教育総合研究所 言語教育研究室室長 主席研究員。ベルリッツシンガポールを経て、ベネッセのさまざまな英語事業に携わる。研究部門に異動後は英語教育研究を担当し、19年度からは言語教育に領域を広げて担当。

出典
ベネッセ教育総合研究所「小学生の英語学習に関する調査」(2015年3月)
https://berd.benesse.jp/global/research/detail1.php?id=4760

ベネッセ教育総合研究所「中3生の英語学習に関する調査」(2017年3月)
https://berd.benesse.jp/global/research/detail1.php?id=5368

プロフィール

ベネッセ教育総合研究所

株式会社ベネッセコーポレーションの教育、調査、研究機関です。子ども、保護者、先生、学校などを対象に、教育に関連する調査、研究を行い、その研究成果や調査報告書、各種データを無償で公開しています。

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