戦後最大の教育改革で、日本の「英語教育」はどう変わる?

日本の教育は今、大きな転換期を迎えようとしています。
急速なIT技術の進歩、社会のグローバル化など、変化の激しい時代を生き抜いていくために、子どもたちへの教育が見直されようとしています。生活に密着し社会で役立つより実践的な学びが必要とされているのです。
2020年、戦後最大規模と言われる教育改革では、保護者世代が経験のない新たな教育が始まります。改革の柱になるのは「学校教育」・「大学入試」・「英語教育」の3つ。
それぞれ、どのように変わっていくのでしょうか。

「学校教育」「大学入試」の改革のポイント

「学校教育」においては、2020年度から新学習指導要領が導入されます。
これまでの学校教育では、「知識・技能の習得」が大きなウェートを占めていました。
しかし、これからの時代に求められるのは、身に付けた知識・技能を活用して「自分で考え、表現し、判断し、実際の社会で役立てる」ための力。
具体的には、発見・体験型の学習や問題解決学習、ディベート、グループワーク、グループディスカッションなど、生徒自身が主体的・能動的に参加する学び・授業が増えます。

「大学入試」では、2020年度(2021年1月入試)から、これまでのセンター試験に代わり「大学入学共通テスト」が導入されます。
マーク式問題のみであったセンター試験に対し、大学入学共通テストでは国語・数学で一部「記述式問題」が出題されます。また、複数の資料を比較して情報を整理・統合し的確に説明するような問題が増加。今まで以上に「思考力・読解力・判断力・表現力」が求められるようになります。
また、英語の入試においては、これまでの入試では「聞く」「読む」の2技能のみが評価されていましたが、新大学入試からは「聞く」「読む」「話す」「書く」のいわゆる「英語4技能」が評価されるようになり、資格・検定試験を活用する大学も増えます。

日本の「英語教育」はどう変わる?

大学入試だけでなく、学校における「英語教育」も変わります。

2020年度から、小学3・4年生で外国語活動が導入され、小学5・6年生で英語が教科化。
3・4年生の外国語活動では「聞く」「話す」を中心に英語に親しみ、それを下地にして5・6年生では「読む」「書く」力まで授業に取り入れていきます。

中学校では、英語の授業は基本的に英語で行われるようになり、英語で「聞く」「話す」機会が増加。
定期テストでも、従来の文法・単語の知識を問う内容に加えて、「聞く」「話す」力まで問われるものになると予想されています。

高校でも、より「使える英語」を重視した改革が行われ、中学校と同様に英語の授業は基本的に英語で行われるとともに、英語でのディスカッションや発表などの機会が設けられます。
英語で自分の考えを主張したり、相手と討論したりと、英語で「聞く」「話す」力を鍛え、コミュニケーション能力を重視する内容へと変わっていくのです。

このように、小学校・中学校・高校と各段階に合わせて英語教育をより実践的な内容へと改革し、今まで以上に連携して「聞く」「読む」「話す」「書く」の4技能の力を積み上げていこうとしています。

「使える英語力」を身に付けるために

英語教育改革の背景には、冒頭でも述べたように、社会の急速なグローバル化があります。
人・もの・経済・情報・文化等、あらゆる面で諸外国との交流が当たり前になりつつある今、このグローバル社会を生き抜いていくためには、英語を「聞く」「読む」ことで理解するだけではなく、「話す」「書く」ことで自分の考えを発信し、相手に伝達する力が必要です。
より、現実社会で「使える英語力」が求められ、英語でコミュニケーションを図る力が重視されているのです。

一般的に、英語の習得には2,000〜3,000時間が必要だと言われています。
そのためには、学校の授業や英語教室などへの通学だけでは不足なため、より多くの英語に触れる機会や習慣が必要です。
しかし、国内にも外国のかたが増えてきたとはいえ、日本では英語を使わなくても日常生活に困ることがないため、英語を使う機会が持ちにくいのが現状です。
また、「聞く」「読む」中心の教育を受けてきた保護者世代が、「習ったけれど話せない」という経験から、なかなか英語を使う勇気が持てないという面もあるのではないでしょうか。

英語教育改革を見すえ、国内でもさまざまな英語教材や英語に触れる場がつくられています。
オンラインで海外在住の外国人講師と会話できるサービスや、発音や英作文を添削してくれるアプリなども開発されています。
それらを積極的に活用して、子どもたちが自宅で英語に触れ、コミュニケーションを図る機会を増やしていくといいでしょう。
そして、保護者のかた自身が積極的に英語を使ったり、外国のかたと会話したりする姿を見せることも大切です。
うまくできなくても、間違えてもいいので、まずは積極的に英語を使う姿勢を見せることで、子どもたちも英語に興味を抱いていくのではないでしょうか。

今の子どもたちは、保護者世代が経験してきた以上に変化の激しい時代を生きていくことになります。どんなに環境が変わっても、その中で自分らしく活躍していくために、自ら考えて行動し、社会に関わっていく力や、国内外を問わず積極的にコミュニケーションを図り、自身の考えを発信していく力が求められます。
教育改革のポイントを知り、家庭においても、これからの時代を意識した教育を工夫していきましょう。
ただし、教育改革については未確定の部分もあるため、Webサイトやニュース、新聞等で積極的に情報収集していくことも大切です。

ベネッセ 2020年教育改革 https://www.benesse.co.jp/kyouikukaikaku/
進研ゼミの英語が変わる https://www.benesse.co.jp/zemi/english/


2019年11月1日、文部科学省より2020年度(令和2年度)の大学入試における英語民間試験活用のための「大学入試英語成績提供システム」の導入を見送ることが発表されました。

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