グローバル社会を生き抜く子どもに育てる海外留学のススメ ~第2回:家庭教育で必要なこと~

現在、日本の若者は、「内向き」傾向にあると指摘されています。一方、企業では優秀な人材を世界から採用する動きが強まり、世界中の若者と肩を並べ、世界をまたにかけて仕事をする時代が既に到来しています。そこで、グローバル人材を育てるにはどうしたら良いか、留学する前から家庭でできることを国際教養大学学長の中嶋嶺雄先生にお聞きしました。



幼児期に大切なのは、外国語教育と情操教育

グローバル社会を生き抜く「世界で通用する」人材を育てるには、まず英語力は欠かせません。公立小学校でも英語教育が導入されましたが、本格的な英語教育とはまだ言えません。学校教育に任せきりにせずに、家庭でも「英語教育」を取り入れてほしいと思います。できれば、頭が柔らかく吸収力の高い幼児期に始めるとより良いでしょう。外国人講師を雇ってマンツーマンで英才教育をするということではなく、英語の歌を聞くなど、耳から英語を覚える機会を与えてあげましょう。耳から英語を聞いて覚えたものは、お子さまの体にしっかりと染み込み定着するはずです。英語の早期教育に反対する声もありますが、わたしは英語で日本の文化を学べば良いと思います。
もう一つ大切なのは、情操教育です。外国語だけができても、社会に出たときに評価される人間にはなりません。音楽や美術を通じて感性や美しい心を育んでほしいと思います。ピアノやバイオリンを弾いたり、絵を描いたりすることで想像力や知的好奇心が高まり、人間的魅力を深めることができるでしょう。それらの魅力は、留学や就職活動時にも大きな武器になるはずです。



中高生には、精神的な自立を促す教育を

もう一つ大切なのは、できるだけ早い時期に親から精神的に自立させることです。海外留学させたいと思うならなおさら、自分の意見をしっかり持たせる必要があります。お子さまが中学生、高校生になったら、物事の意思決定を任せましょう。たとえば、クラブ活動を決めるときには、親があれこれ口をださずにお子さまに決めさせる。進学先を決める際も本人の意思を大切にしてあげてください。
ただ任せると言っても、放ったらかしにするのではありません。徐々に自立できるようにゆるやかにサポートしてほしいと思います。たとえば、進学先を決めるときは、高校や大学のカリキュラムをしっかり調べることが大切です。世界で活躍したいと考えているならば、そのための外国語教育や教養が身につけられるのか、教育内容をしっかりと調べる必要があります。やりたいことを実現させるために、何が必要なのかを見極め、陰からサポートするのが親の役割だと思います。



家庭全体で知的な世界を共有してほしい

グローバル時代を生き抜く人材に育てるには、外国語教育と高い教養力が必要だと申し上げましたが、その基本になるのは家庭での教育です。脱いだ靴をそろえる、挨拶をする、家庭学習をさせるなど、小さいころからどのような人材に育ってほしいのかをイメージしながら、しつけを行ってほしいですね。
また、保護者はお子さまにとって良きアドバイザーであるべきだと思います。保護者自身の教養を磨くことが、自然とお子さまに良い影響を与えます。そうした教養をもとにお子さまが困っている時にアドバイスしたり、自分が感銘を受けた本を「我が家の必読書」としてお子さまにすすめたりするのも良いでしょう。お子さまを世界で活躍する人材に育てたいと思うなら、家庭全体で知的な世界を共有できるように、保護者自身も学んでいく必要があると思います。

※平成24年1月発表文部科学省発表。ユネスコ統計局、OECD、IIE等における統計による、日本人の海外留学者数の推移(外部のPDFにリンク)


プロフィール

中嶋嶺雄

中嶋嶺雄

国際教養大学理事長・学長、国際社会学者。東京大学社会学博士。東京外国語大学学長(1995~2001年)。著書に『なぜ、国際教養大学で人材は育つのか』(祥伝社黄金文庫)、『世界に通用する子供の育て方』(フォレスト出版)、『学歴革命』(KKベストセラーズ)など多数。

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