小学校での外国語活動本格実施から1年。中学校英語へどうつなげる?

グローバル化の進展に対応するために、学校での英語教育が強化されています。小学校では、2011(平成23)年4月より外国語活動(英語活動)が5・6年生を対象に全面実施。中学校では、2012(平成24)年4月の教科書改訂で、取り扱う語彙(ごい)数や教科書のページ数が増え、授業時数も週3回から週4回になります。
このように英語教育が強化される一方で、中学校の早い段階で「英語が苦手」になってしまう中学生が少なからずいます。そこで今回は、子どもたちが、英語に興味を失わず、将来にわたって使える英語力を身につけられるようにするには、どのタイミングでどのようにサポートしていけばよいのか、いくつかの調査結果から考えます。

 *使用した調査*
 ・「小・中学校の英語教育に関する調査/2011年
 2011(平成23)年10月上旬に中学1年生2,688名を対象に実施
 ・「第1回中学校英語に関する基本調査(生徒調査)/2009年
 2009(平成21)年1月~2月に中学2年生2,967名を対象に実施
 (ともにBenesse教育研究開発センター調べ)


「英語が好き」という気持ちが続くのは、いつまで?

まずは、中学1年生の10月上旬に、小学6年生の時を振り返ってもらい、小学校での英語学習や英語に対する当時の気持ち(図1)と、今現在の中学校の英語に対する気持ち(図2)を聞きました。

【図1 学校の英語の好き嫌い(小学6年生の時)】

Q 「小学6年生の時」の、学校の英語学習や英語に対する気持ちについてお聞きします。

 英語が好きだった


図1 学校の英語の好き嫌い(小学6年生の時)

n=1,494
注)「小学校での英語の授業や活動は、あなたが何年生の時にありましたか」という質問で、「小学6年生」を選択した回答者のみ(選択率:55.6%)
小・中学校の英語教育に関する調査/2011年」(Benesse教育研究開発センター)



【図2 学校の英語の好き嫌い(現在)】

Q あなたは英語について、どのように感じていますか。

 学校で学ぶ英語は好き


図2 学校の英語の好き嫌い(現在)

小・中学校の英語教育に関する調査/2011年」(Benesse教育研究開発センター)


●中1の62.9%が「小学校のときは、英語が好きだった」と回答
●中1の10月上旬段階で、約57.2%が「英語が好き」と回答

小学校~中1の10月上旬ごろまでは、約6割の子どもが「英語が好き」という気持ちを持ち続けていることがわかります。

ちなみに、同調査内で「小学6年生のとき、学校の英語が好きだった理由」を聞いたところ、「英語の授業が楽しかったから」が約73.3%でダントツの1位。
逆に「小学6年生のとき、学校英語が好きではなかった理由」は、「もともと興味がなかったから」が53.3%と半数以上を占め1位でした。


中1の10月上旬、約3分の2の子どもは「英語がわかる」

次に、中1の10月上旬段階で、英語の授業の理解度を聞きました。

【図3 英語の授業の理解度(現在)】

Q あなたは、学校の英語の授業をどれくらい理解していますか。最も近いと思うものを1つだけ選んでください。


図3 英語の授業の理解度(現在)


小・中学校の英語教育に関する調査/2011年」(Benesse教育研究開発センター)


●中1の10月上旬では、「英語の授業はわかっている」64.8%
「ほとんどわかっている」と「70%くらいわかっている」を合わせると、約3分の2の子どもが、英語の授業がわかる状態です。


中1の英語を勉強する動機は?

では、中1の10月上旬、英語を学習するモチベーションはどこにあるのかチェックしてみます。

【図4 英語の学習動機(現在)】

Q あなたが英語を勉強しているのは、どうしてですか。それぞれについてあてはまるものを1つだけ選んで回答してください。


図4 英語の学習動機(現在)


小・中学校の英語教育に関する調査/2011年」(Benesse教育研究開発センター)


●「テストでいい点を取りたいから」が8割超えでトップ
「良い高校や大学に入りたいから」66.6%、「就職するときに役立つから」57.9%もトップ5入り。テストや受験、就職までも視野に入れて、「英語の勉強はしておかなければ」と冷静に考えている中学1年生の姿が浮かび上がります。

●「英語をできるようになるのがうれしいから」も7割以上
さらに「英語はこれからの国際社会で必要」68.0%、「視野が広がるから」57.6%、「英語が好きだから」51.6%と続きます。テストや受験のためだけでなく、≪英語を学ぶことが楽しい、おもしろい≫という感覚が、強い学習動機となっていることを示していると言えます。


楽しかった英語に、苦手意識を持ち始めるのは、いつ?

次に、2009(平成21)年の1~2月に中学2年生を対象に実施にした調査結果から、「英語の得意・苦手意識」(図5)と、「英語を苦手と感じるようになった時期」(図6)を見ていきます。

【図5 英語の得意・苦手意識】

Q あなたは英語が得意ですか、苦手ですか。


図5 英語の得意・苦手意識


小・中学校の英語教育に関する調査/2011年」(Benesse教育研究開発センター)



【図6 英語を苦手と感じるようになった時期】

Q あなたが英語を苦手と感じるようになったのはいつごろからですか。


図6 英語を苦手と感じるようになった時期


注1)「現在」は、本調査を実施した1~2月(中2の後半)を示す
注2)英語の「得意・苦手」について「やや苦手」「とても苦手」と回答した1,833名のみを対象
注3)「無回答・不明」は省略
第1回中学校英語に関する基本調査(生徒調査)/2009年」(Benesse教育研究開発センター)


●中2の1~2月の時点で、「英語が苦手」61.8%
【図3】で見たように、中1の10月上旬では、クラスの約3分の2は「英語の授業はわかっている」という状態でしたが、中2の1~2月には、クラスの約3分の2は「英語が苦手」と答えています。

●中学2年生が英語に苦手意識を持ち始めたのは、中1の後半がピーク
中2の1~2月に「英語が苦手」と答えた子ども(全体の61.8%)に、「いつから苦手と感じているのか」を聞いたところ、約77.7%が「中1の後半までに」と回答しています。特に「中1の後半」で苦手になる子どもは3割近くにのぼり、要注意の時期になっています。


英語学習のつまずきポイントはどこ?

最後に、中2の1~2月に、英語学習に対して感じている課題を聞いた結果から、どこでつまずいているのかを探っていきます。

【図7 英語学習でつまずきやすいポイント】

Q 英語の学習に関わることについて、次のようなことはどれくらいあてはまりますか。


図7 英語学習でつまずきやすいポイント


注)「とてもあてはまる」+「まああてはまる」の合計
第1回中学校英語に関する基本調査(生徒調査)/2009年」(Benesse教育研究開発センター)


●「文法が難しい」が78.6%でトップ
「文法」に続いて、「英文を書く」「英語を聞き取る」「単語を覚える」のが難しいという子どもが6~7割。当然ながら、テストで必要とされる項目が上位に並んでいます。

●注目したいのは、「外国・異文化に興味が持てない」44.8%
先述しましたように、「小学校のとき英語が好きじゃなかった理由」のトップは、「英語に興味がなかったから(53.3%)」でした。同様に中2になっても、外国・異文化に対して興味が持てない子が4割以上いて、英語嫌いの一つの要因になっているようです。


「英語が苦手」と感じる子どもが急速に増える中1の後半。学校が本格的な英語学習にシフトしていくだけに、家庭では異文化への興味を促し、モチベーションを持続させる役割を。学校と家庭の両輪で、子どもの英語学習を支えることが大切。

英語が好きな子どもの割合は、小6~中1の10月上旬までは大きく変わりませんが、中1の後半で苦手意識が高まり、結局、中2の1~2月には、クラスの約3分の2は「英語が苦手」という状態になります。
確かに、中1の10月後半~11月は、英語の学習内容が難しくなり、しかも学習量が増える時期です。それまで楽しかった英語に対して、苦手意識を持ちやすいひとつのヤマ場。

一方、テストや受験に備えるという気持ちからだけでなく、「英語ができるようになるのがうれしい」や「視野が広がる」といった英語を学ぶ楽しさや興味も、英語を学習する強いモチベーションになっています。やる気があれば、英文法にだって取り組めるはずですが、調査結果からは、中2になっても、英語や外国文化などに興味が持てずにいる子どもが4割以上いることがわかります。

そこで重要なのは、英語へのやる気アップを学校まかせにせず、家庭でも積極的に行うことではないでしょうか。文法などの英語学習に時間を割かざるを得ない学校に対して、家庭では、計画的な学習のフォローや声かけとともに、食事中に外国と日本の生活スタイルや食事、文化の違いについて話をしたり、TVを見ながら海外で活躍する日本人を話題にしてみたりするなど、外国の生活や文化への興味を盛り上げてあげてみては。将来、英語を使って外国の人と関わる機会があることをお子さん自身にイメージさせてあげるのも良いかもしれませんね。

学校で感じた英語や異文化への興味を家庭で広げる、学校での英語学習のつまずきを家庭学習で補うというようなことができるよう、家庭の中での見守りや働きかけが必要なのが、 ≪中1の後半≫なのではないでしょうか。


プロフィール

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