小学校の英語必修化直前。見えてきた変化とは!?


2011(平成23)年4月から小学校高学年で外国語活動がスタートします。これまでは「総合的な学習の時間」を中心に行われていた英語活動ですが、今後どう変化するのか、学校の外からはなかなか見えてきません。
そこで、Benesse教育研究開発センターでは、新学習指導要領への移行期間にあたる2010(平成22)年、「第2回小学校英語に関する基本調査(教員調査)」を行いました。これを2006(平成18)年に行った第1回の調査と比較しながら、小学校の英語教育の現状や、具体的な変化をご報告します。


小学校高学年の「外国語活動」への取り組みが本格化

まずは、外国語(英語)活動の実施状況の経年変化を見てみましょう。

【図1 貴校では何らかの形で外国語(英語)活動を行っていますか】
図1 貴校では何らかの形で外国語(英語)活動を行っていますか

【図2 外国語活動は何年生で実施していますか】


図2 外国語活動は何年生で実施していますか

注1 英語活動を「行っている」学校(2006(平成18)年n=3,292、2010(平成22)年n=2,374)のみ対象
注2 「外国語(英語)活動は何年生で実施していますか。また、その活動の教育課程上などの位置づけは何にあたりますか」という問いで、ひとつでも○がついていれば、その学年で英語活動を行っているとみなした



●2010(平成22)年度の実施率は99.6%! ただし、小1~小4までの実施率は1~2割ダウン

日本全国のどの小学校でも、何らかの外国語(英語)活動が実施されていると言えます。
変化があったのは、実施している学年。2006(平成18)年度は小1~4でも8~9割以上の学校で実施されていましたが、2010(同22)年度になると、小1~4の実施率は7~8割弱。全体に1~2割減っています。
低学年から段階的に実施する傾向には変わりませんが、低学年・中学年での実施を取り止める学校が全国的に増えているようです。新課程が始まり、全体的な授業時間数の増加で学校裁量の時間が減ることもあり、学校現場の状況に合わせ、慌てず緩やかになっているようです。

●中心的な指導者は、「ALTなど外部人材」⇒「学級担任」にシフト

次に、外国語活動の中心的な指導者は誰かについて見てみましょう。

【図3 実際の授業で中心となって指導を行っているのはどなたですか】
図3 実際の授業で中心となって指導を行っているのはどなたですか

注1 英語活動を「行っている」学校(2006(平成18)年n=3,292、2010(平成22)年n=2,374)のみ対象
注2 *印は、2010(平成22)年調査より新たに追加した項目



前回の外国語活動の中心は、「ALTなど外部人材」6割、「学級担任」3割という比率でした。しかし今回は完全に逆転。「ALTなど外部人材」は2.5割、「学級担任」が7割弱にアップしました。
先のデータにもあったように、「総合的な学習の時間」の一環で行われる活動としてではなく、学習指導要領に正式に位置付けられた結果ではないでしょうか。



「新学習指導要領」に沿った指導内容や教材へ

ここからは、指導内容や使用教材について見ていきます。

【図4 指導上で心がけていること】


図4 指導上で心がけていること

注1 英語活動を「行っている」学級(n=2,315)のみ対象



【図5 貴校において、使用している外国語(英語)活動の教材はどなたが制作したものですか】


図5 貴校において、使用している外国語(英語)活動の教材はどなたが制作したものですか

注1 複数回答
注2 英語活動を「行っている」学級(n=2,315)のみ対象




●指導内容、手法、教材が多様な状況から、新学習指導要領に沿ったものへ
これまでの「外国語活動」は各学校が自由に取り組んでいたため、活動の目的も、その手法も、使用する教材もさまざまでした。しかし、新学習指導要領を受け、その指導内容、手法、教材がある程度そろいつつあるようです。先生方が指導で心がけていることは、「コミュニケーションの楽しさを体験させる」「外国語に慣れ親しませる」などで、外国語活動の目的「外国語を通じて、言語や文化について体験的に理解を深め、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り、外国語の音声や基本的な表現に慣れ親しませながら、コミュニケーション能力の素地を養う」に沿ったものになっています。

●文部科学省作の「英語ノート」使用……9割弱

使用教材を複数回答で聞いたところ、文部科学省が作成した「英語ノート」が9割弱とトップ。次いで「ALTなどの外部人材作成教材」が6割です。「英語ノート」に即した音声や歌、チャンツなどを手軽に聞くことができる「英語ノート・デジタル版」も、5割弱の学校で使われています。


「外国語活動」による子どもたちの変化

では、「外国語活動」によって、子どもたちにはどのような変化があったのでしょうか。

【図6 外国語(英語)活動を行うことで、貴校の子どもたちに良い変化はありましたか】


図6 外国語(英語)活動を行うことで、貴校の子どもたちに良い変化はありましたか

注1 英語活動を「行っている」学校(2006(平成18)年n=3,292、2010(平成22)年n=2,374)のみ対象



【図7 外国語(英語)活動を行うことで、子どもたちに変化はありましたか】


図7 外国語(英語)活動を行うことで、子どもたちに変化はありましたか

注1 〔 〕内は「とてもそう」+「まあそう」の合計
注2 英語活動を「行っている」学級(n=2,315)のみ対象



●「外国語活動」を取り入れ、「良い変化があった」が8割以上
今回の調査で、「外国語活動」を取り入れることにより、「良い変化があった(とてもあった+まああった)」とする学級担任が8割以上。前回と比べて15ポイント以上のアップのうれしい結果となりました。

(まとめ)
全面実施に向けて、「やるからには、良いものを」と学校、先生は着々と準備中!


「外国語活動」に関する前進の裏には、現場の先生方の真剣な取り組みがあります。実は、理科や算数の指導時間・内容も大幅に増えていますし、そのほかの教科や領域でも先生方への要求は増える一方です。そんななか、外国語学習必修化の決定を受け、新たな領域における指導方法の研修に参加し、教材や指導法を研究・開発されています。
先生たちの「やるからには、良いものを!」という思いが、外国語活動の中心的指導者となりつつあることや、先生オリジナル教材の使用率アップ、さらに、導入期にありながら、「外国語活動」により子どもたちに良い変化が見える……、などの調査結果に現れているのではないでしょうか。

完全な定着にはさらに試行錯誤が必要でしょうから、学校や先生にお任せではなく、家庭でも意識して新しい「外国語活動」を見守りたいところです。


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