中学校学習指導要領外国語のポイント(その5)辞書活用

「内容的にまとまりのある文章を書く力」を育てるために、今回は、辞書の活用法についてご紹介します。


解決策(4)積極的に辞書を活用する

前述のスピーチやライティングの活動では、和英辞典を使う場面がたくさん出てきます。しかし、語順の知識なしで和英辞典を使うと、調べた語句をでたらめな順番で並べ、意味の通らない文を書いてしまうことになります。まず、英語の語順を確認し、さらに例文などをしっかり読んだうえで最もふさわしい語句を選び、それらを英語の語順どおりに並べるという手順があってこそ、和英辞典は使用価値が出てきます。

英和辞典は、基本的に教科書本文だけで勉強する人にはあまり必要ありません。中学生用の教科書には、巻末にglossaryと呼ばれる用語解説が載っているからです。教科書以外の文章を読ませたり、他社の教科書をglossary抜きで紹介したりすると、英和辞典を使う必要性が出てきます。ただし、あまりにも調べる語句が多いとやる気がなくなってきますので、注意が必要です。基本的に、語句の定着のためには、既習の語句を使った現時点での学力レベルに応じた、少し易しめの読み物をたくさん読ませると効果的だと言われます。では、ますます英和辞典を使うチャンスはないのでしょうか。

英和辞典の良いところは、用例が豊富で、解説やコアの図(単語の核となる意味:たとえばonは「接触」を表し、on the deskもon the wallもon the ceilingもturn onも、すべてそのonは「接触」を意味しています)が載せられているところです。教科書のglossaryには定義しか載っていませんので、詳しいニュアンスなどはわかりません。だからこそ、英和辞典で調べることが大切です。さらに、ライティングなどの自己表現活動で和英辞典を使って語句を調べたあと、英和で用例や解説を参照すると、英語力が向上します。
このように、新しく指導要領に追加された「今まで以上に積極的に辞書を活用する」という言葉は、英語のさまざまな表現を深く理解し、使うことによって定着させることを意味していると考えるべきだと思います。

わたしはNHKラジオ番組を使って、自身の英語力アップ(orキープ)に努めていますが、まずは耳で聞き取れるだけ聞き取り、わからない単語はフォニックスの知識を使って綴(つづ)りを推測して辞書で調べ、最後にテキストで確認するという手順で行っています。特に、司会者やゲストがテキストにない部分の英語を話した時は、辞書と格闘することがあります。今度いつその単語に出会うかわからないと思うと、辞書で確認しないと不安になってしまいます。わたしにとって辞書は、常備携行品です。


教科書を使って語句を増やす方法

なお、教科書を使って語句を増やし、なおかつ辞書を自主的に引くようになる学習としては、穴埋め音読があります。教科書の1単元分の英文をパソコンなどで打ち込み、ポイントとなる名詞だけを抜いたもの、動詞だけをいくつか抜いたもの、形容詞だけを数個抜いたもの、前置詞だけをいくつか取ったもの、冠詞と代名詞所有格をいくつか削除したもの(中には冠詞も代名詞所有格もないところにカッコをしておくと、生徒は悩みます)、という5種類の穴埋めプリントを作り、それぞれのプリントで抜かれているものを復活しながら音読をすると、品詞の感覚が鋭くなりますし、語句の意味も考えるようになります。そして、なぜここにこの前置詞があるのだろう、などと考えた時、自然に辞書に手が伸びるようになるのです。


プロフィール

田尻悟郎

田尻悟郎

関西大学 外国語学部 教授。26年の公立中学校勤務を経て現職。NHK『わくわく授業』『プロフェッショナル』等に出演。2004年に「世界のカリスマ教師100人」に選ばれる。新指導要領策定や教科書開発に関わる。主な著書:『田尻悟郎の楽しいフォニックス』(教育出版)

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