中学校学習指導要領外国語のポイント(その4)文章を作る

「内容的にまとまりのある文章を書く力」を育てるために、前回は、語彙(ごい)を増やす方法をご紹介しましたが、今回は、その語彙を使って「話す」活動についてご紹介します。


解決策(2)話す言語活動を追加する(与えられたテーマについて簡単なスピーチをする)

前回の指導要領の改訂でも話す言語活動は強調されていましたが、まだ十分とは言えず、ついに今回の改訂では「スピーチ」という具体的な指示がなされました。スピーチをするためには下書きをせねばならず、そこで「内容的にまとまりのある一貫した文章を書く」学習をすることになります。


解決策(3)書く活動を文章レベルで充実させる(文と文のつながりなどに注意して文章を書く)

内容的にまとまりのある一貫した文章を書くためには、言いたいことを整理しておく必要があります。そこでおすすめなのは、枝分かれ図を書くことです。


枝分かれ図


わたしが生徒に枝分かれ図を書かせた時は、「次どうしたの?」「どう思った?」「なぜ?」という3つのキーワードを言うことで、彼らの発想を引き出していきました。慣れると自分でこの3つのキーワードをもとに、枝分かれ図を書くようになります。そうすると、上の例で言うと、30以上の文が、「まとまりのある一貫した」流れのある文章を構成するようになります。
「京都ではどこに行ったの?」と尋ね、「清水寺と竜安寺と金閣寺です」と答えたら、それらは縦に並べて書かせます。これが大見出しになります。次に、「清水寺で覚えていることは?」と質問し、「坂と、舞台と、音羽の滝かな」と言ったら、それも縦に並べて書かせます。これが中見出しです。次からは横につなげていきます。「清水寺の坂に関して覚えていることは?」「坂がきつかったです」「それから?」「両サイドに店がありました」「で、どうしたの?」「試食しました」「どうだった?」「うまかったっす」というやりとりがあれば、生徒は「坂がきつかった→両サイドにお店→試食した→うまかった」と横に書くのです。

これらの英文を、教師がチェックし、すべてが正しくなった時点で音読に入ります。完全に覚えてしまうまで音読を繰り返した時、それらの英文が初めて体に入ります。今までの英語教育では、下書きを清書して貼って終わりでした。確かに見た目は「すごい!」となるのですが、教師の手助けを得て完成した文章ですので、清書した時点ではまだ完全に自分のものとはなっていません。だからこそ、スピーチをさせたいという文科省のねらいは、深い意味があるのです。


自分が作った文章を暗記することで、力が伸びる!

教科書本文だけでなく、自分が作った文章を暗記すると、ぐっと力が伸びます。すべての文の意味がわかっており、しかも自分が言いたいことを表しているので、そこに教師が意図的に重要表現を加えたり差し替えたりすることで、自己表現力と入試対応力を両方とも伸ばすことができます。英語力アップのためには、ライティングと、そこから発展したスピーキングが不可欠です。
GTECというテストがありますが、その準備としてステップアップノートを配布しています。それにはライティングの問題があり、さらに本番のテスト後に解答用紙が返却される段階では、ライティング問題の答案はネイティブのかたが添削してくださっています。それを音読し、暗記すると、間違いなく英語力がステップアップしますよ。


プロフィール

田尻悟郎

田尻悟郎

関西大学 外国語学部 教授。26年の公立中学校勤務を経て現職。NHK『わくわく授業』『プロフェッショナル』等に出演。2004年に「世界のカリスマ教師100人」に選ばれる。新指導要領策定や教科書開発に関わる。主な著書:『田尻悟郎の楽しいフォニックス』(教育出版)

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