音読で口を英語に慣らす(2) 第60回 [Oh,my Gooodness!]

親子で英語圏に住み、現地の学校に行きながら英語を学ぶ……。3歳の娘と母親である筆者は、夫のアメリカ転勤のために、そんな理想的な環境に飛び込むことになりました。果たして本当に「子どもは英語にすぐ慣れるから大丈夫」? アメリカに住みながら英語を学ぶメリットとデメリットとは? 筆者のアメリカ生活をとおして、日本に住むご家庭では、どんな取り組みができるのか考えていきます。
※「Oh,my Gooodness!」とは、「あらまあ!」という驚きを表すことば。

第60回  [Oh,my Gooodness!]音読で口を英語に慣らす(2)日本にいながら英語を話せるようにするのは、なかなか難しい。同じように、アメリカにいる子どもが日本語を学ぶのも、難しいのだ。たとえお母さんが日本人だとしても、アメリカの小学校に入ると英語で考えている時間が1日の大半を占めるようになり、放っておくと、子どもはどんどん日本語を忘れてしまう。

したがって、アメリカに住む日本人のお母さんや補習校の先生たちは「日本語の会話をする場面が足りない、でもなんとか子どもの日本語を伸ばせないだろうか」と、長年悩んできた。これは英会話の相手がいない状態で、子どもの英会話の能力を伸ばそうとしている日本のお母さんと共通する問題だ。
そこで使える学習法として続けられてきたのが「音読」なのである。これを日本にいる子どもたちの英語学習に応用してみると、毎日ネイティブスピーカーと会話がたっぷりできないかわりに、英語の本の音読をすることで、それを補おう、ということになる。

私自身、この話を聞いてから「今日は誰とも英会話できなかったなあ」という日には、英語の本を3ページ音読するようにしてみた。今読んでいるのは小学校中学年向けの『大きな森の小さな家』(ローラ・インガルス・ワイルダー作)。やってみると、日本語のように早くスラスラと読めず、口が動かない。
しかし、読んでいるうちにだんだん口がスムーズに動くようになってくる。音読を始めてから、劇的な効果があったというわけではないのだが、英語で何か言おうとして頭が真っ白になって固まってしまうことが減り、何かしら言葉が出てくることが少しずつ増えてきた。
考えてみれば、日本語でも小学校の時に「国語の本読み」として音読をさんざんやってきているわけで、その段階を経ずに「英語をしゃべりたい」と考えること自体、甘いのかもしれない。

うちの娘は、まだ英語の本の音読をする段階に至っていないので取り組ませていないが、英語がひとりで読めるようになったお子さんや大人には、ぜひ音読をおすすめしたい。子どもに絵本の読み聞かせをしながら大人が音読の練習にしてしまえば、一石二鳥にもなる。

音読をする際には、何を読んでもいいと思う。それこそ自由でいい。あえて注意するならば、辞書をひかなくても意味がわかる、自分にとってちょうど良いレベルで、しかも「面白そう」と思える本がいい。ただし、間違った発音で読んでは意味がないので、そこには注意が必要だ。
とにかくお金がかからず、毎日10分ぐらいやればそこそこ効果が出るのが「音読」。今すぐ始めなくてもいいけれど、お得な知識として覚えておいてほしい。

プロフィール

山本美芽

音楽・ノンフィクションライター。中学校教諭、養護学校教諭からライターに転身。現在は音楽と教育をテーマに執筆活動を行う。著書に「りんごは赤じゃない 正しいプライドの育て方」「子どものセンスは夕焼けが作る」など。2006年3月より米カリフォルニア州在住。1児の母。

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