音読で口を英語に慣らす(1) 第59回 [Oh,my Gooodness!]

親子で英語圏に住み、現地の学校に行きながら英語を学ぶ……。3歳の娘と母親である筆者は、夫のアメリカ転勤のために、そんな理想的な環境に飛び込むことになりました。果たして本当に「子どもは英語にすぐ慣れるから大丈夫」? アメリカに住みながら英語を学ぶメリットとデメリットとは? 筆者のアメリカ生活をとおして、日本に住むご家庭では、どんな取り組みができるのか考えていきます。
※「Oh,my Gooodness!」とは、「あらまあ!」という驚きを表すことば。

第59回  [Oh,my Gooodness!]音読で口を英語に慣らす(1)最近思うのが「娘はアメリカの保育園に行っていて、英語をしゃべる機会も聞く機会もたくさんあっていいなあ」ということだ。娘と張り合ってもしょうがないのだが、私は週に1回、2時間の英会話レッスンを受けているほかには、なかなか英語で会話するチャンスがない。
おそらく日本にいても、結局は英語をしゃべる相手がいない、しゃべる場所がない、だから話せない。この悪循環から抜け出せなくてみんな苦しんでいるのだろう。

何か良い方法はないかと思っていたところ「音読が効果的」という話を聞いた。1日10分程度でいいから英語の本を音読していると、英語に「口が慣れてくる」ため、毎日ネイティブ相手に会話の練習ができなくても、いざという時にはけっこうしゃべれるらしいのだ。

この話を教えてくれたのは、日本人向けの日本語補習校で先生をしているママ友達である。日本では大学の英文科を卒業している彼女、アメリカ人のご主人との会話は当然ながら英語。正真正銘のバイリンガルなのだが、3歳のお子さんに英語の本の読み聞かせをしているのが、自分にとっては「音読」の練習になっている、と言う。
「図書館で絵本を借りてきて、やっぱり最初に読む時はたどたどしいな、って自分で思う。それが1週間毎日読んであげているうちに、スラスラ読めるようになるのよね。やっぱり口が英語に慣れる、っていうのはあると思う」。

彼女が「音読は大事」と気づいたのは、アメリカの日本語補習校で子どもたちに音読の宿題を出して、その効果を実感してからだ。たとえば補習校の小学1年生は、日本語の国語の教科書を3ページ、毎日3回、10~15分ほど音読する。日によって範囲が指定されていて、日々違う箇所を読まねばならない。

日本語補習校は週に一度、土曜日だけの学校である。我が家のような駐在員の子どものほかに、お父さんがアメリカ人でお母さんが日本人という子どもがけっこう通っている。お母さんが日本人でも、アメリカに住んでいると、どうしても母国語は英語、日本語は第2言語になるケースが少なくない。こうしたお子さんたちの苦労は、日本で英語を学ぶ日本人の子どもたちと共通するものがある。

たとえば、子どもを週に一度の英会話レッスンに通わせていても、「次の週までに覚えたことを忘れてしまい、なかなか英語がしゃべれるようにならない」と嘆く日本のお母さんたちがいる。同じように、ふだん英語がメーンで生活している子どもは、1週間ぶりに補習校に来ても、なかなか日本語が口から出てこないのだそうだ。
ところが、日本語の「音読」を毎日きちんとやっていると、けっこうしゃべれる。日々の音読で口を外国語に慣らしておくことには、想像以上に大きな効果があるのだ。

プロフィール

山本美芽

音楽・ノンフィクションライター。中学校教諭、養護学校教諭からライターに転身。現在は音楽と教育をテーマに執筆活動を行う。著書に「りんごは赤じゃない 正しいプライドの育て方」「子どものセンスは夕焼けが作る」など。2006年3月より米カリフォルニア州在住。1児の母。

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