小学校英語はどこへ向かうのか(1)小学校で必修化される「外国語活動」とは?[英語レポート]

世界の言語教育の流れ
国際化が進み、私たちの日常生活も世界のさまざまな国々とより密接に関係していると感じることが多くなりました。このような状況のなか、世界的には異なる文化をもつ国々と協調していくこと、とりわけ「対話」の重要性が強調されています。

この「対話」に必要な言葉の教育について、世界各国では母国語教育はもちろんのこと、外国語教育にも力を入れ始めています。ヨーロッパでは「多言語主義」を共通の方向性として掲げ、母国語、英語に限らずさまざまな言語とその背景にある文化理解を行う教育に力を入れているのです。アジアでも、お隣の韓国では英語以外の第2外国語が高校から必修となっています。

しかし、なかでもやはり、英語が実質的な「国際共通語」となる場合が多いのが現状です。このため、英語教育は多くの国にとって重要な教育課題の一つであり、小学校段階からの英語教育必修はもはや世界的には常識といってもよいほどの状況です。
このような世界的な状況のなか、日本でも2011(平成23)年度から小学校における英語教育が必修化される見通しです。

なぜ今「必修化」?
では、なぜ今必修化なのでしょうか。これには、大きく二つの理由があるようです。
1点目には、現在の小学校での英語教育は「各学校における取り組みに相当ばらつきがあるため、教育の機会均等の確保」が必要なこと。
2点目には「中学校との円滑な接続」を図る必要性があることが挙げられています。
この点については、私たちBenesse教育研究開発センターの調査でも、各小学校での年間時数、内容などのばらつきが大きく、中学校との接続に課題を感じる小学校教員が多いという結果が出ており、必修化せざるを得ない状況になっていることが読み取れます。

では、小学校において英語はどのように必修化されるのでしょうか。中央教育審議会の公表資料では、「高学年において」「週1コマ程度」の実施を目指しているようです。現在も「総合的な学習の時間」のなかで英語を扱う学校は多くありますが、この「総合」とは切り離して、全国どの小学校でも5・6年生で週1時間、英語教育が行われることになるわけです。

ところで、先ほど「小学校英語」と書きましたが、中教審の資料では「外国語活動(仮称)」とされており、小学校での外国語教育の「目標」は以下のように示されています。

言葉への自覚を促し、幅広い言語に関する能力や国際感覚の基盤を培う
国語や我が国の文化に対する理解を含めた言語や文化に対する理解を深める
積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図る

つまり、中学校で学習する文法教育などを前倒しで行うのではなく、中学校以降での外国語学習の「素地」を培うことを重視する方向性のようです。

必修化は誰が、何を教えるのか?
では、必修化されたら実際に誰が、どのような内容を教えるのでしょうか。中教審の資料によれば、当面は「学級担任を中心に、ALT(外国語指導助手)や英語が堪能な地域人材等とのティーム・ティーチングを基本とすべき」と考えられているようです。
しかし、この点については、小学校の先生方への研修、ALTや地域人材等の人材確保など、必修化までにはさまざまな課題があるようです。
また、指導内容については全国の小学校に共通教材の配布を計画しているようです。しかし、すでに小学4年生以下で英語教育を行っている学校も多く、現在検討されている5・6年生での共通教材を全国一律で使っていくということについては、現実的な課題が多いようです。

次回以降では、これらの小学校英語の必修化に向けて学校教育の現場が抱える課題や、保護者のかたの受け止め方を取り上げていきます。そして、諸外国での英語教育への取り組みなども見ながら、小学校英語をとおして日本の英語教育がどのように変わっていくのかについて、皆さんと考えてみたいと思います。

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